AI投資ブーム
2022年末のChaGPTブームからAI投資ブームが始まり、Nvidiaの株価が約1年半で約10倍になり、AI関連銘柄への注目度が高まっています。
2024年1月に台湾セミコンダクターの決算から再度過熱が始まりましたが、4月からの2Q決算も終わり、改めてAI銘柄決算の評価をしていきたいと思います。
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AI関連銘柄の分類
AI関連銘柄と一括りにされていますが、様々な種類に分かれています。
①ソフトウェア
生成AIブームの発端となったOpenAIのシステムを組み込んだ「Microsoft」や独自の生成AIを組み込んだ「Meta Platforms」「Alphabet」などが挙げられます。
いずれの企業も生成AIを組み込み、収益性を上昇させており、2Q決算は比較的良好でした。
②GPU関連
AI銘柄の中核となっているハードウェア分野の一つです。
生成AIソフトウェアは膨大な処理を行う必要がありますが、その中核を担っているのがGPUです。
AI分野の造詣が2010年代から深い「Nvidia」が最有力で、次点で「AMD」が続きます。
Nvidiaは今期も強い決算を出しており、AMDも巣ごもり特需の反動を受けていましたが回復傾向にあります。
③AIサーバー関連
生成AIブームによって急激な成長を遂げた分野です。
AIサーバーは、GPUを最大限有効活用する事に特化したサーバーです。
急激な成長と遂げている「Super micro Computer」、大手サーバーメーカーの「Dell」、半導体メーカーの「Marvel Technology」などが挙げられます。
Super microは前年比や来期ガイダンスで強い数字が提示されていましたが、その他の企業を含めて今期は投資家の期待ほど強さが見えませんでした。
④ファウンドリ
ファウンドリで注目されるのは、NvidiaやAppleなどから製造請負を行っている「Taiwan Semiconductor(TSM)」です。
世界最高の半導体チップ製造技術を保有しており、現在主流の4nmプロセスから3nm、2nmの開発および製造を進めています。
半導体プロセスが小さいほど製品の性能が上昇するため、急速に成長するAI分野において必要不可欠な存在です。
TSMも巣ごもり特需の反動を受けていましたが順調に回復しており、今期決算は良好でした。
2Q決算が良好だったAI銘柄
1.Nvidia
時価総額3位圏内でありながら、今期売上高は前年同期比+262%、前期比+17.8%を記録しています。
来期売上高ガイダンスは、YoY+107.3%まで減速するも未だ高い成長性が継続する事が示唆されています。
2.Taiwan Semiconductor (TSM)
TSMはマイナス成長から脱却し、売上高は前年同期比で+13%まで回復しました。
来期売上高ガイダンスではYoY+27.6%が示され、今期成長加速が最も見られるAI銘柄でした。
メモリを除く半導体市場の成長下方修正予想は、AI銘柄を含めた半導体市場にとって気になる点ですが、TSMの目先の成長性は十分あるでしょう。
AI銘柄の2Q決算ポイント
2Q決算は良好な決算であっても株価は下落するなど、今までの決算期とやや性質が異なる傾向にありました。
その理由は、2024年1月の生成AIブームの再燃によってAI関連銘柄の株価が急騰し、バリュエーション(企業価値)が急上昇した事が要因です。
上記に挙げた銘柄の多くは、バリュエーションを表す指標のPERなどは歴史的に最も高い水準にあります。
そのため、業績以上に期待値が乗っている銘柄が多く、アナリスト予想を超えたり、堅調な成長性を示したりしただけでは株価が上がらない状況がありました。
その一例として、急成長を遂げるSuper micro Computerは粗利率の低下を理由に売られ始めました。
その後、相場環境の改善により連れ高している局面ですが、来期決算もこの傾向が続く可能性があるため注意が必要です。
総評
2Q決算は、NvidiaやTSM、大手ソフトウェア企業の業績が良好でした。
長期に渡る生成AIブームの期待感先行により、良好な決算でも上がりにくい環境へ変化しつつあります。
もし、AI関連銘柄に投資を行う場合は、バリュエーションに注意しながらNvidiaやTSMの様に成長性の高い企業が良いでしょう。
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