魔界プレセールに参加し続け、15万円が1,000万円に クリプトトレーダー・daitote氏 1/3

暗号資産トレーダーのdaitote氏に、魔界やSTEPNの取引などについて伺いました。

daitote氏 プロフィール

暗号資産のトレーダー。node、bot、IDO、NFT、お触り、BCGなど何でもやります。仮想通貨面白い。I like NFT and crypto assets. Love nodes, love Aptos!

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取材実施日

2024年8月16日

東日本大震災の前に日本株の個別株で投資を開始

ーーご経歴について教えてください。

現在は30代、投資やトレードを始めたのは東日本大震災の少し前で、当時は理系の大学生でした。

最初の取引は株式で、奨学金を原資に日本株を購入したのが最初です。

個別株を買ったのですが、何を購入したかは忘れました。

覚えていないくらい適当で、本当になにも考えずに買いましたね。

ーーなにも考えず奨学金を原資に日本の個別株への投資が最初とのことですが、その後について教えてください。

その後も、新卒で航空宇宙の研究部門に入社し、会社の人に「バイオ株いいよ」と勧められて「じゃあ買おう」と適当に買っていました。

上がったり下がったりを繰り返して、結局トントンでしたね。

本当に適当です。

実家の自営業が廃業しそうになり、会社を退職して立て直すことに

ーー2011年の少し前に投資を始め、就職後にバイオ株を取引していたとのことですが、その後について教えてください。

投資していたバイオ株がある時からどんどん下がり出して、下がる度にナンピンして、リバウンドしてトントンになったタイミングで全て売りました。

その後、たまたま見つけたブログに影響され、割安成長株に投資しましたがそれもトントンで、そしてある時から投資どころではなくなってきました。

ーーどういうことでしょうか。

メーカー、製造系を営んでいた実家の自営業が廃業しそうになっていて、慌てて会社を退職することになったんですね。

それでしばらくは投資どころではなくなりました。

それ以降は実家の自営業を営んでいて、今もやっています。もう10年になりますね。

暗号資産は危ない、ギャンブル性が高い、関わっちゃいけない、パチスロと同じような印象をもっていた

ーー暗号資産の取引を始めた時のことについて教えてください。

2021年に友人とバーベキューをしていた時のことで、友人の一人が暗号資産を取引しており、スマホでポチポチやって「5分で8万稼いだ!」と言っていて、それで暗号資産の話になりました。

そのときは深く掘らなかったのですが、その後別のタイミングで詳しく教えてもらい、それで始めたのが最初です。

2021年なのでビットコインが初めて700万円をつけた年ですね。

株は全ては売らず、暗号資産には30万円だけ入れてスタートしました。

ーーそれ以前は暗号資産に対してどのような印象を持っていましたか。

全く興味がありませんでした。

何となく危ない、ギャンブル性が高い、関わっちゃいけない、パチスロと同じような印象をもっていました。

やったら絶対負ける、みたいな。

魔界の取引で入っては焼かれ、入っては焼かれで資金が半分に

ーーそれから最初はどういった取引から始めたのでしょうか。

その友人がほんの数分で8万円儲かったことが非常に印象に残っていて、それで教えてもらったのが魔界ファームでした。

APYが数十万%で「今日は30万円儲けた」と言っていて、私も教えてもらいファーミングするようになりました。

とある方のYouTubeを見ながら、当時あったウランという魔界ファームがいろんな人に「これは激アツだ」と言われていて。

それで私も資金を入れてみたところ、ラグられて全損しましたね。

ーー最初から大きく損を出したんですね。その後についても教えてください。

その次に触ったのがファントムです。

YouTuberの方が次はFTMが熱いと話していて、友達もやると言うので私も始めました。

FTMでは、スピリットスワップ、スプーキースワップ、ハイパージャンプなどいろんなものを触りました。

それで最初はすごいお金が増えるのですが、欲を出して利確せずにガチホしていたらある朝起きたら死んでいる、ということがよくありましたね。

ーー「死んでいる」というのはラグられていたということでしょうか。価格が暴落していたということでしょうか。

価格の暴落ですね。

最初は大抵上昇するんですがその後暴落することが多く、入っては焼かれ、入っては焼かれを一ヶ月ほど繰り返していました。

それで資金が半分になったころに「これは駄目だ」と思い始めました。

魔界プレセールに参加し続け、15万円が1,000万円に

ーーその後について教えてください。

いくはやという方が運営しているグループに入ったのですが、みんなで魔界のプレセールに特攻していて、それで私もIDOの取引を始めました。

それで、「0.1BNB、当時の価格で60ドル程度をプレセールで買ったら上場で即10倍」という取引機会が当時たくさんありました。

そういった取引を100回程やってみたところ、15万円が1,000万円まで増えました。

2021年5月から7月ごろのことで、これが転機になりましたね。

BCGのトークンやNFTの取引も行い、資産は1億円に

ーー2021年5月から7月までで15万円が1,000万円になったとのことで、その後について教えてください。

その後も11月までどんどんお金が増えて、1億円まで増えました。

ーー以前と同じ戦略で1億円まで増えたのでしょうか。

以前の戦略に加えて、当時はBCGが流行っていて、BCGのトークンやNFTも取引していましたね。

例えば、PancakeSwapのPancake SquadというNFTはプレセールで300ドルほどで購入しましたが、プレセール後にすぐに上場され、上場した瞬間に10倍以上上昇しました。

NFTのセールだとこの取引が最もリターンが大きかったですね。

プレセールで直コンでコントラクトの中身を見て、トランザクションを飛ばしまくって、1万個のうち60個は買いました。

ーー何個買うつもりだったのでしょうか。

60個です。

事前登録が必要だったのですが、予算は2万ドルと決めていて、60個で大体2万ドルなので、60個分の事前登録をしていました。

1アカウント当たり10体まで買えたので、6アカウント用意して買いましたね。

ーー当時の資産額とPancake Squadのリスクを考慮して2万ドル分の資金を投下したということでしょうか。

そうですね。界隈では勝ち確実と言われていたのでいけるだろうと思って突っ込みました。

買えたら絶対勝てるとは思っていましたが、10倍は予想以上でしたね。

これが2021年9月あたりで、そこからゲーム系のトークンやNFTを買いまくって、爆上げして、1億円まで増えました。

2021年11月をピークに、2022年はひたすらお金を減らす

ーー2021年11月はビットコインが2回目の700万円をつけたころですが、その後の取引はいかがでしたか。

5月から11月にかけて暗号資産全体の相場は渋かったのですが、私自身は魔界の取引でお金が増えていて、当時はビットコインの価格は全然気にしていませんでした。

お金が増えているから気にする必要もなかったです。

ーーその後の取引について教えてください。

その後も魔界のプレセールに参加したり、NFTを買ったり、同じような取引をやっていたのですが、だんだん儲からなくなってきたんですね。

「おかしいぞ」「全然駄目じゃん」と。

でもいつか必ず復活するはずと参加し続けていたのですが、どんどんお金が減って、2021年11月をピークに、2022年はひたすらお金を減らし続けていました。

ーービットコインの価格や暗号資産全体の相場とある程度は連動したということでしょうか。

今から考えるとそうですね。

ただ、当時は2021年の5月から11月までは連動していなかったので、気にしなくていいかなと考えていました。

まあ、つまり調子に乗っていたんです。

魔界はゴミを買ってゴミを売りつける世界

ーー2021年11月以降は儲からなくなったとのことですが、それはIDO自体が行われなくなったのか、もしくはIDOは引き続き行われたが上場しても利益が出なくなったのかどちらでしょうか。

後者で、IDOは引き続き行われましたが上場しても利益が出なくなりました。

上場しても値がつかなくなったんです。

11月以降は、プレセールで買った価格の50%、30%、10%とどんどん価格が下がるようになっていきました。

価格が10%まで下がって、ラグってゼロになって、なんてことは日常茶飯事でしたね。

当時は「銘柄選びが悪いのか」と考えていましたが、今思えばそういう次元の話ではなかったですね。

ーー改めて魔界はすごい世界です。

ほぼゴミですからね。

ゴミを買ってゴミを売りつける世界です。

DAO makerの下落で異変を感じる

ーーおかしいと感じ始めたのはいつからなのでしょうか。

2022年1月、2月ごろです。

それまで、魔界ではなくDAO makerというものがあり、これが当時のIDOでは最強クラスで買ったら何十倍になるというものでしたが、参加するためには、$DAOというトークンが必要だったんですね。

それで私も当時のレートで15万ドル分ほど$DAOを保有し、三年ロックをしていました。

すると$DAOの価格がどんどん下落したんです。

下落するということは参加する人が減っているということですよね。

「これはまずいぞ」と感じましたが、そのトークンは今でもロックされていて、現在、ダオトークンの価格は買値から10分の1まで下がりました。

「IDOの参加権となるトークンがめちゃくちゃ下落している。これはさすがにおかしい。もう駄目かもしれない」と思い始めました。

ーー$DAOをたくさんロックするほどIDOに参加できる仕組みということでしょうか。

はい、おっしゃるとおりです。

例えば、上場した際にトークンの20%が最初に配布され、残りの80%は毎月10%ずつ配布される、といった仕組みです。

$DAOをロックして解除することは可能ですが、解除すると残っているトークンが全て没収されてしまいます。

短いもので一週間、一ヶ月といった期間のものもあるのですが、どうせ今後もIDOに参加し続けるだろうし、没収されるくらいなら、ということで三年ロックしてしまっていたんです。

STEPNを購入した翌日に、規制により中国でのサービス提供が中止に

ーーその後の2022年、2023年の取引について教えてください。

2022年初頭はイーサリアムのNFTがすごく盛り上がっていて、プレセールで買って上場したら売るという取引をしていましたが、あまり利益は出ず、どんどんお金が減ってきていました。

そして、その後に出てきたのがSTEPNでした。

2022年6月頃はTwitterを開くと多くの人が「STEPNで爆益」と言っていて、「今参入しても遅い、入ってはいけない」と最初は我慢していたのですが、Kudasaiのメンバーも取引を始め、「原資も抜けた」などと投稿し始めたんですね。

それで我慢できず200万円で靴を買ったのですが、翌日に規制が入って中国でのSTEPNのサービス提供が停止されました。

参考:STEPN、中国でのサービス提供を中止へ

ーーどうなったのですか。

当時、STEPNの靴のオーナーの多くは中国人で、それで大暴落が起きたのですが、当時の私は「どこかでリバウンドするだろう」と呑気に考え、暴落している最中、追加で買ってしまっていたんですね。

しかしその後も暴落は止まらず、靴の値段が一週間で10%まで下落してしまったんです。

税金を支払った後のなけなしのお金で買った途端に大暴落、大ダメージを受けました。

そのとき、ロックされているトークンを除いて、手持ちの資金が2万ドル、3万ドルまで減っていました。

2022年7月、8月はどん底でしたね。

イーサリアムチェーンのSTEPNを取引し、復活

ーーその後について教えてください。

その後、イーサリアムチェーンのSTEPNが登場しました。

私が暴落に巻き込まれたのはBinance Smart Chainで展開されていたB国と言われるもので、イーサリアムのものはE国と呼ばれていました。

STEPNはGMTとGSTの二つのトークンがあり、GMTはチェーンが違っても同じ価格なのですが、イーサリアムでも展開されているGSTはチェーンが違ったら価格が違うんですね。

それで、ソラナでまず始まって、その次にBSCで展開され、その次にイーサリアムでも展開され、GSTが爆上げすると誰もが予想していました。

それで上場戦に突撃し、ここで復活することができました。2022年7月ごろですね。

暴落しても死ぬわけではないので「いったれ」

ーー動かせる資金は2万、3万ドルまで減ったとのことでしたが、GSTではいくら投下したのでしょうか。

ほぼ全資金(ロックされていない資金)を投下して、8万、10万ドルまで増えました。

ーーほぼ全ての資金を投下することに怖さは無かったのでしょうか。

怖いといえば怖いのですが、元々30万円からスタートしているので「いったれ」ということですね。

暴落しても死ぬわけではないので。

ーー当時、暗号資産以外の本業の収入はどの程度だったのでしょうか。

普通程度ですね。

カツカツでもなく、裕福でもなく、といった収入でした。

本業は2024年はかなり復活しましたが、2021年のコロナ禍の影響が遅れて出て、2022年~2023年にかけて業績が悪かったんですね。

本業も波はありますね。

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全三回のdaitote氏のインタビュー、2記事目に続きます

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