5月の日経平均株価は前月比で小幅に反発し、月間で82円高の38,490円となりました。
欧米や国内の金利上昇を受け、グロース株などが軟調となり、主要指数は上値の重い展開が続きました。
一方、日本企業の決算シーズンが一巡したこともあり、個別では様々な銘柄が高値を更新しています。
具体的には、どのような銘柄でしょうか?
新高値の銘柄を取り上げながら、それぞれの共通点に着目し、5月相場で特徴的だった銘柄に着目してみたいと思います。
■高値更新の定義
・上場来高値……株式市場に上場して以来の高値。買い方の強い物色が株価に現れているといえる
・昨年来高値……1~3月に使われ、前年の1月1日から直近までの期間が対象
・年初来高値……4月以降に使われ、その年の1月1日から直近までの期間が対象
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1.株主優待拡充で急騰したグリーンエナジー&カンパニー(1436)
5月に上昇が目立った銘柄の1つは太陽光発電事業や不動産事業を手掛けるグリーンエナジー&カンパニー <1436> です。
東証グロース銘柄ですが、東証グロース市場250指数が2020年以来の安値圏で沈む中、同社の株価は5月に月間で113%上昇、5月31日に年初来高値1,998円を付けるなど株価上昇の勢いの強さが伺えます。
上昇のきっかけになったのは、株主還元の拡充です。
従来は保有株数に応じて、年2回・年間合計で1,000~3,000円分のQUOカードを進呈していました。
これを300株以上保有の株主に対して一律で合計QUOカードを30,000円分進呈するとし、株価はその後急騰しました。
昨今の生成AIブームで電力消費量の多い次世代型のデータセンター建設が世界各国で進んでいます。
電力需給がひっ迫するとの思惑で電力株や再生エネルギー株などの一角が内外の株式市場で上昇する流れが鮮明となっています。
その他にも米国の太陽光発電システムのファースト・ソーラー <FSLR> 、太陽電池製造装置を手がけるエヌ・ピー・シー <6255、東証グロース> なども同様に年初来高値を更新しています。
2.2024年問題で物流企業に関心
4月から運輸や建設など各業界で時間外労働の規制が強化される2024年問題で物流株に市場の関心が集まっています。
京極運輸商事 <9073> はタンクローリーでの石油などの輸送を手がけており、東証スタンダード市場に上場しています。5月の月間上昇率は107%で31日に上場来高値を付け、その後も新高値圏で推移しています。
物流受託のAZ-COM丸和ホールディングス <9090> が3月に同業のC&Fロジホールディングス<9099>にTOB(株式公開買い付け)による買収を提案。
さらに5月に佐川急便のSGホールディングス <9143> がより高い価格でC&FをTOBすると発表しました。
これを受けてC&Fの株価が上昇するとともに、物流業界の再編の思惑で京極運輸商事にも物色が広がったとみられます。
また、5月15日に発表した2025年3月期の業績見通しは売上高が8%増、純利益が2.3倍と増収増益予想となったことも好感されているようです。
3.高額消費が堅調な百貨店株
5月相場では百貨店株も株価上昇の勢いを見せました。
三越伊勢丹ホールディングス <3099> は5月に47%上昇、31日に年初来高値を更新しました。
H2Oリテイリング <8242> も月間で39%上昇しその後も新高値追いの動きが続いています。
伊勢丹新宿本店、三越銀座店など旗艦店を中心に売り上げが伸びており、インバウンド売上高も好調です。
1~3月期の訪日外国人旅行消費額は1兆7505億円とコロナ禍前の19年の同期を52%上回りました。
国内消費もエムアイカードやアプリ会員向けのマーケティングにより客単価が拡大し、構造改革で経費も抑え利益率が改善しています。
個別銘柄に目を向けるとその時々で思わぬ銘柄が新値を取っています。
引き続き、高値更新の銘柄をチェックし新たな相場の流れについて見ていきたいと思います。
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