rinrin.b氏に、取引において気をつけていることなどについて伺いました。
rinrin.b氏 プロフィール
暗号資産のトレーダー。2022年1月から暗号資産を取引。上場戦などが得意。
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取材実施日
2024年6月25日
プロダクトを触る、取引に参加するなど手間を惜しまず、小さくたくさんトライすることが大切
ーーrinrin.bさんはまだお若く、暗号資産の経験も2022年からとそれほど長くはありませんが、平均的なマーケット参加者よりも取引機会を見つけるのがとても上手い印象です。ご自身としてはなぜだと考えていますか。
トライの数じゃないでしょうか。
私は面白そうなDAppsを見つけたら必ず少額の資金を入れて挙動を確かめるようにしていますし、1ドル、2ドルの検証コストで、多くの収益機会を見つけることが出来ます。
そういったチャンスを逃がさないためにも、プロダクトを触る、取引に参加するなど手間を惜しまず、小さくたくさんトライすることが大切だと思います。
何かが起こってからでは遅くて、起こる前の日々の段階から様々な事態を想定して備えておくことが大事
ーーそのほか、取引において気をつけていることがあれば教えてください。
いろんな事態を想定して損をしないように動くことを心がけています。
例えばBlastはgoldというポイントのおかげでプロダクトが成り立っていますが、そのポイントが発行された後、Blast以外のDAppsのトークンがどのように動くかなどを事前に考えていました。
goldの獲得を目的として多くのユーザーはBlastを触っており、通常時よりもトークン価格にプレミアが乗っていることが予想されます。
そしてBlastのTGE前には必要なくなるため売られるだろうと想定できます。その為、ショートはしなくても自分の保有分のヘッジなどはするようにしています。
何かが起こってからでは遅くて、起こる前の日々の段階から様々な事態を想定して備えておくことが大事だと思います。
マーケットの各所でどんなエッジがあるか、どんな戦略がとれるかということを常に日々考えておく
ーーそのほかにもこのような取引の事例はありますか。
例えば、レバレッジをかけて流動性を提供できるJuiceというDappsがあります。
JuiceのETHUSDTのレバレッジファーミングの入金が始まってレバレッジをかける際に、スラスターというDEXでLPを作るために成行でETHを買ったり売ったりしてたんですね。
その瞬間は取引量が多く入金キャップもあり、流動性を入れて報酬を稼いだりしていました。
分かりやすいところでは、BlastがTGE直前でgoldを大量に配っているのですが、Wasabi Protocolという先物のDEXで10万gold配るというイベントを今日時点でやっています。
今のプレマーケット価格で1goldが3ドル程度なので、10万ゴールドは30万ドルほどなんですね。
それで一番利益が出た人、利益率が高かった人の二つのランキングを作成し、1位は3万goldが配布されるという企画なのですが、集計期間が一週間ほどしかなく、報酬の割に参加者も少なかったんです。
それで、例えばWasabi Protocolで300ETHのロングとショートを両方作って、同額のロングとショートをほかのDEXで作って両建てをしてランキングの上位を狙う戦略も考えました。
中でも、私が特に力を入れていたのが利益率のランキングです。
最小でポジションを作れるのが0.01ETHだったので、大量にアカウントを作って0.01ETHのショートとロングのポジションを大量に作りました。
また、単にポジションを作るだけでは勝てないので、成績上位のアドレスを全て監視し、例えば相手が2ドルでショートしていてこちらが1ドルでショートしていたら絶対に勝てないので、新しいアカウントを作って2ドルより高い価格でのショートを作る、などもやっていました。
ここまでやれば、理論的には必ずランキングのトップを狙えます。
それでこの戦略にどれくらいのコストがかかるかというと、ほぼかかりません。
なぜなら0.01ETHをただひたすらロング、ショートするだけなので。
実際、私はこの戦略を50アカウントで実行しましたが、コストは100ドルもかかりませんでした。
それで一位になれれば4万5,000ドルほどがもらえるため期待値は大きくプラスで、これはやらない理由がないですよね。
このように、イベントなどマーケットの各所でどんなエッジがあるか、どんな戦略がとれるかということを常に日々考えておくことが大切だと思います。
また、考えるだけでなく、実際に戦略を立てるところまでやるのも重要ですね。
プロジェクト自体は大量にあるため、その中でいかに選別するか、匂いを感じ取れるか
ーー戦略を考えている時間が普通の人よりも長いのでしょうか。
考える時間を意識的に確保しているというよりは、収益機会を感じたら詳細を見てドキュメントを読むなどインプットするようにはしています。
なので、いかに収益機会の匂いを感じるかですね。
プロジェクト自体は本当に大量にあるので、その中でいかに選別するか、匂いを感じ取れるかということだと思います。
ーー具体的には一日何時間程度、暗号資産関連に時間を使っていますか。
イベントの有無などその時によって大きく変わりますが、平日は純粋な取引の時間だけだと一日一時間もやっていません。
リサーチの時間を含めると毎日三時間ほどでしょうか。
ーー意外です。丸一日張り付いているわけではないのですね。
イベントがある時は一日張り付くこともありますね。
普段はまったくそんなことはありません。
極端な話、あまり真面目に調査している感覚はなくて仲の良い知人と同じゲームを遊んでいるという感覚ですね。
なので複垢でエアドロの為に触るみたいな苦行はあまりしません
ーー様々なプロダクトを触るようにしていてなぜ一日三時間程度で済むのでしょうか。
一度触って収益機会がなさそうなら同じプロダクトを触ることはあまりないですし、新しいイベントがあったら見て、おもしろそうならしっかり調べるというくらいで、全プロダクトを時間をかけて調べるわけでもないので。
例えば最近一週間だと、Wasabi Protocolを運用していた程度でしょうか。
収益機会もそれほど頻繁に出てくるわけではないので。
専業になってしまうと社会に出づらくなる気がしていて、まずは一度就職してみたい
ーーrinrin.bさんはまだお若いながら既に一定の資金を得ていますが、将来的に目指しているものややりたいことなどはありますか。
botの知識、プログラミングの知識の有無で他のマーケット参加者と雲泥の差がつくので、勉強していきたいとはずっと前から考えていますね。
大学卒業後はおそらく普通に就職すると思います。
ーー今のパフォーマンス以上が維持できるのであれば、会社員として就職するよりも専業トレーダーになったほうが稼げるのではないでしょうか。
おっしゃるとおり、会社員としての給料というのは暗号資産の取引で得られるリターンと比較すれば微々たるものですが、いつ稼げなくなるかわかりませんし、人生の幅を狭めたくないので就職予定です。
専業になってしまうと社会に出づらくなる気がしていて、まずは一度就職してみたいと考えています。
一度就職を経験した上で、その後に起業する、専業になるというのはあるかもしれません。
ーー今すでに就職したい業界はありますか。
大学の専攻が化学系なのでそのような方面で考えていますが、今はプログラミングに興味があり、暗号資産の取引も継続したいので、リモートワークができる業界だと嬉しいなというのはあります。
値動きに賭けるのが嫌いなので現物はあまり持っていない
ーー印象的な取引の失敗について教えてください。
裁量トレードは基本失敗していますね。
何か明確な根拠があるときはいいのですが、ただの裁量トレードで溶かすことがたまにあります。
値動きに賭けるのが嫌いなので、現物もあまり持っていません。
持っているトークンのほとんどはステーブルコインで、唯一ステーキング用のETHだけ保有しています。
ーーではビットコインについてはどのように見ていますか。
ビットコインが上がろうが下がろうが、持っていないので何とも思いません。
ただ、ビットコインの価格が上昇したほうが相場環境がよくなってエッジや鞘が落ちやすくなるので、価格は上昇してほしいな、とは思っています。
ーー2,100万枚の発行上限など、ビットコインのファンダメンタルズ的な側面についてはいかがでしょうか。
何も思っていないですね。
ビットコインでも草コインでも、収益機会さえあれば何でもいいんです。
特にこだわりはありません。
暗号資産はビットコインのほかにもDeFiやNFT、IEOなどさまざまなエコシステム、領域がありますが、特にどの領域にも思い入れはなく、収益機会がありそうならただ触るだけですね。
退場せずトライし続けていればいつかはビックチャンスに巡り合うことができる
ーー暗号資産やDeFiの取引に向いている人やうまくいかせるために大事だと思うことについて教えてください。
自分で考えて触れる、リスク管理できる人ですね。
無責任な情報やscamが溢れる界隈ですが、退場せずトライし続けていればいつかはビックチャンスに必ず巡り合うことができるので、自分で考えてリスク管理出来ることが大切だと思います。
特に初心者の頃は偽サイト等のscamに騙されないことが大切だと思います。
またどんなDefiでもハッキングリスクがあるので一撃退場しないようにリスク分散して経験と知識を詰むことが大切だと思います。
私もDefiのハッキングは何度も食らってきましたが分散してるおかげで今も生きれてます。
ーーハッキングなどに関して具体的にはなにか対策を行っていますか。
有名なVCが入っているか、チームがしっかりとKYCされているか、チームが何年続いているか、CAが有名dappsのフォークなのか新規なのかなどを見ています
それでもハッキングされることはあるのでコントラクトにさらす資金は可能な限り少なくしています。
特定の人やコミュニティに依存せず、さまざまな人やコミュニティの意見を見て、いわゆるはめ込みに引っかからないようにする
ーー最後に読者へのメッセージをお願いします。
私自体は技術には詳しくなく、暗号資産の知識もそれほどありません。
ゼロ知識証明がどうとか、こっちのプロダクトのほうが技術的に優れているとか、そういった話は正直全く分かりません。
ただ、そういう知識がなくても地道に触っていれば大きな収益機会に巡り合えることも多々あるので、諦めず地道に日々触っておいた方がいいと思います。
また、コミュニティ、人との繋がりもすごく大切であると最近気付きました。
なので、単にプロダクトを触るだけでなく、そういった人との繋がりの部分も意識的に取り組めておくといいと思います。
ーーコミュニティや人との繋がりをゼロから築くのは難しさもありますが、どのようにして交流していけばいいでしょうか。
まず、長期的に見て、言ったことがちゃんと当たっている人と交流すべきでしょう。
企業案件など、PR色が強い人はあまり信用しない方がいいと思います。
初心者はどのプロジェクトがいいという目利きは難しいと思いますが、わからないからといって簡単に人を信用せず、その人が過去に言ったことが本当に当たっているのかを確認するなど、慎重になるべきでしょう。
また、特定の人やコミュニティに依存せず、さまざまな人やコミュニティの意見を見て、いわゆるはめ込みに引っかからないようにしてほしいです。
ギブアンドテイクの関係を保つことを気を付ける
ーーrinrin.bさんはオフラインでは暗号資産関連の人とは会わないようにしているとのことですが、現在交流があるトレーダーの方々とはどのようにして親しく交流するようになったのでしょうか。
現在交流がある人たちは、Kudasaiのコミュニティを通して段々と仲良くなった方々ですね。
人と交流する上で私が最も気を付けているのが、ギブアンドテイクの関係を保つということですね。
例えば情報をもらったらこちらもそれ相応の情報を渡す、もらった情報で収益が出たらその収益の一部を渡すなど、何かをしてもらったら必ず返して出来る限り対等になるように気を付けています。
ーーKudasai以外でおすすめのコミュニティはありますか。
Kudasai以外ではDEG鯖もよく見ています。
技術面に詳しい方が多いので難しい話が多いですが、面白い話もたくさん落ちているのでおすすめできます。
KudasaiやDEG鯖に入ってちゃんと情報収集、発信をしていくと情報が得られつつ繋がりもできて一石二鳥かもしれません。
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全三回のrinrin.b氏のインタビュー、前の記事はこちら
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