なぜ2014年にビットコインに投資でき、その後も保有し続けられたのか ビットコイナー・satumai_mona氏 2/3

初期ビットコイナーのsatumai_mona氏に、2014年にビットコインに投資できた理由などについて伺いました。

satumai_mona氏 プロフィール

大学を卒業後、家業を継ぎ、現在までサツマイモ農家に従事。1997年のアジア通貨危機の最中に株式投資を開始。2013年にビットコインを知り、詐欺を暴くべく調べたところで本質的な価値に気づき、2014年よりビットコインに投資。現在もビットコインを保有。

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取材実施日

2024年5月27日

2010年代前半以降の上昇相場しか経験していない投資家が多く、現在の相場は危険性が高いと感じる

ーーsatumai_monaさんは1997年以来、27年以上にわたってマーケットに携わっていますが、現在の投資ブームをどのように見ていますか。

非常に危険だと感じています。

個人的には株式の保有量を減らした方がいいと思っています。

怖くて保有していられないほどで、暴落しても保有しておきたいごく一部の優待株を除いて、株式はほとんど保有していません。

また、しばらく米国債を保有してきましたが、円安の影響で円建て評価額が膨らんでいます。

キャッシュポジションを維持することも選択肢の一つですがそれではあまり面白くないので、今後しばらくは債券運用にシフトし、一部は国内REITへの移行を考えています。

ーー市場が過熱しすぎていると感じているということでしょうか。

そうですね。投資歴が長い方ほど私と同じ感覚を持っているのではないでしょうか。

現在の市場環境は非常に熱狂的であり、かつ多くの人が上昇相場しか経験しておらず、非常に危険だと感じています。

金融危機を経験した私としては、今後訪れるであろう厳しい局面に備える必要があると感じます。

私は大学の卒業旅行で東京証券取引所を見学しましたが、当時の東証の出来高は1日3億株程度で、現在と比べると非常に低迷していました。

市場全体が閑散としており、今の活況とは対照的な状況です。

2010年代前半以降の上昇相場しか経験していない投資家が多く、私としては今後の相場はかなり危険性が高いと感じています。

ドルコスト平均法で購入するにしても今始める必要はないのでは

ーー2024年1月からは新NISAがスタートし、いわゆるインフルエンサーはドルコスト平均法でS&P500やオールカントリーのインデックスへ投資することを勧めてます。どのように見ていますか。

私はやめた方がいいと強く思っています。

10年、20年と本当に長期保有するつもりであれば、いつ購入しても大差ないかもしれません。

しかしドルコスト平均法で購入するにしても、なにも今始める必要はないと思います。

ーー日本国内で現在のような市場の盛り上がりが見られたのは、ライブドアショック前でしょうか。

そうですね。

しかし、当時の活況は日経平均や東証全体に波及していたわけではなく、主にネット関連株や新興株に限られたものだったので現在の状況とも違うとは思います。

保有枚数のピークは2017年にビットコイン価格が3万円ほどで1,000枚ほど保有していた

ーービットコインは2014年から購入し一部は売却されたとのことですが、何に使用されてきたのでしょうか。

アルトコインの売買やICOへの参加、ビットコインモデルの時計の購入などですね。

ビットコインの保有の枚数がピークに達したのは、おそらく2017年にビットコインの価格が3万円ほどで1,000枚ほど保有していた時ですが、多くの投資家と同様、現在は大幅に減らしています。

もし今日まで保有し続けられていたら、莫大な利益を得られていましたね。

ーー2014年からビットコインを保有されていますが、2017年にはビットコインの価格は230万円ほどまで上昇しました。当時の心境について教えてください。

値上がりが嬉しい反面、もし売却すれば多額の税金が発生する状況で、毎日激しい価格変動に見舞われながらも思考停止状態で何もできませんでした。

現実逃避のためひたすらネットで映画を見ていましたね。

資産が急増してもしんどくなるだけで、精神的な負担のほうが大きかったです。

仕事を辞めようとも考えませんでした。

ーーその際も売却はしなかったのでしょうか。

2017年の暴騰ではほとんど売却しませんでしたね。2018年に急落した際にはさすがに落ち込みました。

資産を使いきれたとしてもそれが自分の楽しみだけのものであれば、一生を終えた時に後悔するだろう

ーービットコインついては相続についてお考えがあると伺いました。

はい、年齢的にも今後はただビットコインを保有するだけでは何も意味がありません。

そろそろビットコインを有効活用していく時期だと感じています。

相続税についても、何に使われるかわからない税金として支払うことに納得できていませんので、このまま単純に相続するというのは考えていません。

ある方がXに「ビットコインの長者は大勢いて珍しくもない。その富で何をしたか、どれだけの人を救ったか、世界をどう変えたいのかを教えてほしい」と投稿していましたが、私はこの考えに共感します。

現在は税制を考慮しつつ、少しずつ他の資産に換金し、うまく活用して周りの人や社会のために何か貢献できないかを考えています。

税金や自分の贅沢に使うのではなく、何か有意義なことに使っていきたいです。

ーーそのように考え始めたのはなにかきっかけがあるのでしょうか。

子どもが少しずつ大きくなってきて自分の健康寿命を考えた際に、これだけ多くの資産があっても自分では使い切れないと感じたことがきっかけです。

また、もし使いきれたとしても、それが自分の楽しみだけのものであれば、一生を終えた時に後悔するだろうと思ったんです。

そこで、現在は寄付や自分の興味のある活動への資金の投下などで有効な資金の使い先を模索しています。

元々教育関係に興味があり、教育大学に通って教員を目指していたこともあり、子どもたちの教育や福祉に関わる分野に貢献したいと考えています。

ーー現在時点で資産を使って良かったと思える先はありましたか。

若手のアーティストの作品の購入支援、学校への寄付でしょうか。

しかし、単にお金を渡しただけの自己満足であり、本当に有意義だったかはわかりません。

なぜ2014年にビットコインに投資でき、その後も保有し続けられたのか

ーー多くの人がビットコインに興味を示さなかった2014年にsatumai_monaさんがビットコインを買えたのはなぜだと思いますか。また、当時、ビットコインを買えても多くの人が大半のビットコインを売却した中、satumai_monaさんが継続して保有できたのはなぜでしょうか。

それまでの株式投資の経験が大きく影響していると思います。

オーソドックスな投資理論として、「各テーマの一番手に投資する」という考え方があるのですが、多くの投資家は一番手ではなく、二番手、三番手の銘柄を買いたがります。

難しい、奇を衒った理論でもないのですが、意外と忠実に実行できる人は多くありません。

株式投資の経験を通じて、ビットコインに投資する以前から私はこの「各テーマの一番手に投資する」ことの重要性を十分に理解していました。

そして、ビットコインの価値を理解したとき、ビットコインがまさにその一番手であることは誰の目にも明らかであり、そこに投資することはとても簡単な判断でした。

この確信があったからこそ、価格が下落しても私はビットコインを保有し続けることができたのだと思います。

また、株式投資の経験を通じて、価格の変動は本質的な価値にほとんど影響を与えないことも理解していました。

市況によって価格が上下するのは往々にしてよくあることで、重要なのは10年、20年の長期的な視点で投資判断を行うことであり、そのためビットコインについても現在まで保有することができたのだと思います。

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全三回のsatumai_mona氏のインタビュー、最後の3記事目に続きます

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