「おもしろさ」を求めてメーカーから不動産投資の世界へ 1年で平均月収160万円 1/3

「不労所得と言えば不動産投資」。そんなイメージを持つ人は少なくないが、不動産は買えば終わりではない。修繕や滞納家賃の催促など、業者委託したとしても最終的な判断は投資した大家本人に託される。

法律など専門知識も必要な分野なだけに悪徳業者も絶えず、知識がない投資家はカモにされてしまう。まさに不動産「経営」だ。

だが、昔からある手堅く良い投資であることは事実。損せず賢く不動産投資するにはどうすればいいのか。昨年脱サラしてプロの不動産投資家デビューしたtakuwa氏に話を伺った。

ワンルームマンション投資の失敗談、リノベーション費用の落とし穴、情報収集のコツなど実体験を元に語ってもらった。

プロフィール:takuwa
28歳。2017年に大学を卒業後、大手電機メーカーのグループ会社に就職。20年にサラリーマンの傍ら大家業に挑戦して興味を持ち、21年5月に脱サラ。訳あり物件を専門とする完全歩合制の不動産会社に業務委託契約という形で参画し、プロの不動産投資家になる。1年間で10件の物件を購入・仲介し、多いときで月600万円を稼ぐ。Twitterは@takchan_wakeari

ホワイト企業から完全歩合の投資の世界へ

ーーまずはプロの不動産投資家になった経緯を聞かせてください。

前の会社は福利厚生が充実したホワイト企業でしたが、見積書作成などパソコン作業がほとんどで、会社の歯車になっている感覚が強かったです。自分の腕で稼ぎたい気持ちがずっとあり、「自分が動かさないと潰れるぐらいの小さな会社に行きたい」と転職を決めました。

ーー元から不動産投資をしたかったのですか。

元々は、市場規模が伸びそうな暗号資産やフィンテック関係の企業を探していましたが、今の会社の方がおもしろそうだったので方針転換しました。退職を機に大阪から東京へ移り、2021年6月から今の不動産会社に個人事業主として参加しています。

ーーおもしろさが決め手だったのですね。

弊社は「ただの不動産会社じゃありません」というたれこみで、完全歩合制。ノルマが一切ありません。

自分自身でゼロから開拓していくので、最初の半年間だけ月25万円が支給されますが、7カ月目からは完全出来高となり何もしなければ収入はゼロです。ちなみに25万円と言っても、国民健康保険や住民税、交通費でそこから月7万5千円ほど飛びます。でも、それがおもしろそうで入りました。

ーー正社員ではなくて、個人事業主なんですね。具体的にどんな仕事内容ですか。

個人事業主として会社と業務委託契約をして、会社名義で物件を買っていきます。狙うのは、不動産売買なので売却益。

手数料をもらうのではなく、手取りと同じ考えで、簡単に言うと、物件を1,000万円で買って1,200万円で売り、2,00万円の売り上げを会社と折半します。

売買のほかに仲介もやっていて、会社の資金を使わない分、利益の半分以上をもらえるという破格の割合です。

ーー物件を買うまでの流れを教えてください。

不動産会社に飛び込み営業をして物件を紹介してもらいます。

買いたい物件が見つかったら社長に「この物件は想定通りにいけば○○円の利益が出ます」とプレゼンして、承認が出たら買います。売買でもし損失が出たら半々で自分も被るので会社とは運命共同体ですね。

会社には10人ほど所属していて、彼らはいわば大家仲間、投資家仲間です。物件を購入する上での見落としやリスク、余計なコストなどを社長に持って行くまでに意見交換します。

人によっては詳しい地域があるので、「更地にするならこの解体業者使った方がコスト下がるよ」など、有益な情報が手に入ります。

買った後は、全て自分でオペレーション。ゴミ処理や修繕など、「ココナラ」(技術や経験を売買するサイト)は多用しますよ。そういった運用コストや会社に払う金利を引いた差が転貸利益として自分に入ります。

ーー金利があるんですね。

要は、銀行と同じです。7%以上と高めですが、一億円単位の金額は個人だと絶対に引けないので社内の人間は皆納得して利用しています。

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業界歴2年で年収1億も夢じゃない

ーー月25万円がもらえるいわば試用期間を過ぎた後の半年間で、営業利益はどのくらい伸ばせましたか

ゼロの月もあれば300万円の月もあり、6カ月間で平均して月160万円ほどです。交通費や経費を引いても月145万円はあると思います。経費ですが物件調査で使う謄本などの資料が1件1,000円ほどで、近隣物件や買わない物件も含めると結構な数が発生します。夜の付き合いで情報を得るタイプの人は交際費に数十万かかりますね。

ーー私がツイッターで見ていた不動産事業者と形態がよく似ていると感じました。個人事業主で契約して完全歩合制、夜の付き合いもある。不動産界隈ではよくある形態なのでしょうか。

損失も一緒に被る形態は珍しいと思います。フル歩合制はよく聞きますし、固定給月10万円プラス歩合10%という会社もありますね。

ーー将来的には法人を持って独立するのでしょうか。

今年の売り上げ次第ですが、遅くとも来年までには法人化するつもりです。ただ、完全独立でやっていくにはもっとキャッシュがないと厳しいです。社長は「最終的には皆に独立してもらいたい」と言っていて、実際に独立した人は今年もいました。私も元々は独立を考えていましたし、その方が一人の方が収益も増えますが、今の環境がおもしろすぎて(笑) 一人だと物足りなくなってしまう気がしています。

ーー独立したい人ばかりとも限らなさそうですね。会社の投資家仲間はベテランばかりでしょうか。

素人もいます。業界歴は長くて10年で、年齢は上が40代です。昨年6月に私が入って以降10人ほど増えました。

その当時で、トップ2のうち一人はベテランですが、もう一人は不動産歴2年でした。売り上げ年5~6億円なので、物件代金などの経費を差し引いた手取りは1億円を上回ります。やり方次第では業界歴数年で億を稼げてしまう世界です。

ーープロの不動産投資家になって一年、どんな物件を手掛けてきましたか。

内訳で言うと、売買6~7件、仲介3~4件です。仲介は賃貸ではなく土地の仲介で、企業同士をつなげます。

不動産業者から売れずに困っている土地情報をもらい、高く買ってくれそうな企業を探してきてつなげて手数料をもらいます。

ーー大手でも探せなかった売り手を見つけてくるのは相当な労力がかかりそうです。

弊社は訳あり物件を扱う営業戦略を取っているので、再建築不可や共有持ち分売買など買い手が見つかりにくい土地や物件の情報が自ずと社に入ってきます。

そういう物件を高く買う投資家や業者など出口情報も持ち合わせています。

ーーたしかに、社として掲げていると情報が集まりやすそうですね。実際にどんな物件を担当したのか、事例を聞いてみたいです。

底地・借地というのがあります。土地と建物の所有者が別で、土地=底地を大家から賃貸で借りてそこに建物を建てている状態です。

底地は、すでに建物があって自由に使えないのでなかなか売れず、土地の価値は5分の1から10分の1まで下がります。こういった土地を買い取って権利調整をするのが得意な業者が存在します。

彼らは建物の所有者に「底地を買いませんか」と交渉に行き、土地と建物の所有者を同じにして一般的な土地と変わらない値段で売れるようにします。

逆に家を売ってもらう場合もあります。このような業者と弊社は付き合いがあるから仲介ができるという訳です。

ーー疑問なのが、なぜ借地人は家を建てたときに底地を買わなかったのでしょうか。

底地に建っている建物は古い一軒家が多く、建築当時は土地を買う資金がなかった、親から家を相続したら土地が借地だったなどです。それぞれのタイミングでいつか問題化します。

ーー底地購入者の投資には他にどのような出口がありますか

2つあって、塩漬けにして持ち続けるか、借地人からの賃料を収益として持っていたい底地投資家に売ります。

ーー底地を買うとき、どのようにして成功率を上げていますか。

現地調査に限ります。実際に見て、地主にヒアリングもします。借地人との関係、居住年数、家賃や更新料の滞納の有無などが聞けるので、交渉しやすいかどうかがある程度見えてきます。

ーー売ってくれた一軒家は解体して更地にして土地の価値を上げて売るのが一般的ですか。

はい。1つの底地に1つの物件とは限らず、大きい底地に家が5軒、つまり借地人が5人という場合もあります。一部で交渉が失敗しても、交渉が成立した他の物件を更地にしてビルが建つほどの大きい土地にまとめるとかなり高く売れます。

ーー地上げに似ていますね。

そうですね。ちなみに底地は相続税が高くつくので、底地人は相続の前に売ろうとします。底地人が土地を売りたい時こそ、借地人にとって安く買える交渉のチャンスですよ。

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