2024年夏から秋に「あの指数連動資金」の買いがあるかもな2銘柄 株式投資家・おせちーず

約1年前、「S&P500採用銘柄を予想出来たら、それは収益機会になり得る 」という記事を書かせていただきました。

ある株式指数に採用されると、その株式指数に連動して運用される資金がその採用された銘柄を買います。

指数のルールに寄りますが、概して言えばその連動資金の規模が大きい場合、採用銘柄への買い需要が大きくなります。

例えばS&P500の場合、その資金規模は巨大です。

とりあえず代表的な米国ETF3本を見てみましょう。右端の値が、2024年5月21日現在の純資産(米ドル建て)です。単位は10億ドルです。

・Vanguard 500 Index Fund (VOO) 1,008B

・iShares Core S&P 500 ETF (IVV) 435.5B

・SPDR S&P 500 ETF Trust (SPY) 498.08B

3本の純資産を合計すると1,941.58Bです。

つまり、1兆9,415億8,000万ドルということです。

1ドル155円で換算すると300兆9,449億円という、気が遠くなるような数字になります。

妥当な比較になっているかわかりませんが、令和6年度の日本の一般会計予算は112兆717億円だそうです。

S&P500連動資金の合計は3本だけでも、日本の国家予算3年分近いことになります。

その資金がS&P500に新規採用された銘柄を買いに行くとなれば、仮にウエイトが0.1%だとしても大きな買い需要になるわけです。

また、その指数のウエイトに浮動株比率が考慮される場合、採用後も浮動株比率の変化に伴うウエイトの変化が起きます。

たとえば、かなりのウエイトを保有する大株主が売り出しを行うと、市場に流通する株式数が増えますから、浮動株比率が上昇することが多いです。

一方、特定の株主がある程度の株式を保有するような行為が起きれば、浮動株比率は下がることが多いです。

さて、そんな特徴を考慮して、2024年夏から秋にかけて株式指数連動資金の買いが見込まれる銘柄を日米1銘柄ずつご紹介します。

なお、ご紹介する銘柄はあくまでも紹介で、推奨ではありません。

投資を検討する場合は、あくまでもご自身の意思でご判断願います。筆者はご紹介する銘柄を両方保有していることをあらかじめ申し上げておきます。

おせちーず氏 プロフィール

投資歴約32年の女性株式投資家。新卒でシステムエンジニアとして従事し、その後証券アナリスト、シンクタンク研究員を経て、現在大学講師。『個別株でインデックス以下のローリスク・ローリターン』を追求した株式投資を行っている。
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ソシオネクスト(東プ・6526)

情報の処理や論理演算・制御を行うロジック半導体市場の中で「ソリューションSoC」という新しくかつ独自のビジネスモデルのもとで顧客にカスタムSoC(System on Chip)を開発・提供しているファブレスの半導体ベンダーです。

富士通の子会社富士通セミコンダクターとパナソニックのシステムLSI事業の統合によって2014年に設立されました。

2022年10月に東証プライム市場に上場しています。

上場前の当時の主要株主とその保有割合は富士通(39.68%)、日本政策投資銀行(37.10%)及びパナソニックホールディングス(15.99%)でした。

ソシオネクストの株主の状況
出典:ソシオネクスト 新規上場申請のための有価証券報告書

この大株主3社は、IPO時に売り出しを実施し、2023年3月期の3社の保有割合は以下の通りです。

3社合わせて約37.5%でした。

ソシオネクストの大株主の状況
出典:ソシオネクスト 2023年3月期有価証券報告書

IPO後、株価は順調に上昇しました。

ソシオネクストの株価の推移
出典: Yahoo! ファイナンス

株価は2023年7月に大きく下落しています。

大株主3社が保有株すべての売り出しを発表したからです。

市場に流通するであろう株式が大きく増えるということは、需給が緩むことになり、株価の下落につながりやすいです。

ソシオネクストの株式売出しのお知らせ
出典: ソシオネクスト IR情報

この売り出しは、実はIPO時に示唆されていました。

200ページ余りある有価証券報告書をきちんと読んでから投資した人がどれぐらいいるかはわかりませんが。

ソシオネクストの大株主との関係について
出典:ソシオネクスト 新規上場申請のための有価証券報告書

大きく株価が下げた後、切り替えしてきたのは半導体株に資金が入るマーケット環境であったことと、2024年4月1日に日経平均株価に採用されたことが寄与しているでしょう。

日経平均株価も、株価指数ですから連動資金がそれなりにあります。ですから、ソシオネクストの採用は買い需要につながりました。

さて、2023年夏の大株主3社の売り出しにより、市場に流通する株式数が増えたとなると、最初の方に書いた通り、浮動株比率が上昇します。

日本株で、プライム市場上場銘柄ですから、TOPIX連動資金が保有する銘柄です。

TOPIXは浮動株ベースの時価総額加重平均株価指数ですから、浮動株比率が上昇すれば、TOPIXにおけるウエイトが上昇しますから、TOPIX連動資金の買い需要を呼びます。

スケジュールを確認しましょう。

浮動株比率の見直しは、一部の特殊なコーポレートアクションを除き、スケジュールが決まっています。

ソシオネクストの浮動株比率の定期見直し
出典:JPX 浮動株比率の算定方法

ソシオネクストは、3月決算銘柄ですから、10月第5営業日に浮動株比率の見直しが発表され、10月最終営業日から見直し後の浮動株比率が適用されます。

実際の運用では10月最終営業日の1営業日の引けでリバランスが実施されます。

浮動株比率の上昇がある程度見込まれる場合は、リバランスによるウエイト上昇を見込んだ先回り買いが入ることが多いです。

第1四半期の決算発表が終わった後ぐらいから少しずつ動いてくる可能性があると考えています。

このようなルールを知っていれば、大きな売り出しがあった後のインデックス買いを予想することができます。

ワークデイ (NASDAQ WDAY)

次は米国株です。

ワークデイは財務プロセス管理アプリ、人事管理アプリをクラウドで提供しているIT企業です。こちらは、S&P500に新規採用されることを想定しています。

ワークデイのホームページ
出典:Workday Enterprise Management Cloud | Finance, HR, Planning, Spend | Workday US

S&P500採用銘柄を予想出来たら、それは収益機会になり得る 」にS&P500の採用条件を載せています。時価総額だけは今年変更が入っています。

S&P500の採用条件
出典:S&P米国株価指数メソドロジー

ワークデイは「直近の四半期及び直近の連続 4 四半期にわたる一般会計原則(GAAP)ベースの利益合計(非継続事業を除く純利益)が黒字であること」という条件を2023年までは満たせていませんでしたが、2024年2月に発表された四半期決算発表でその要件を達成しました。(0.00はその下以下の位がプラスということ)

ワークデイのBasic EPSとDiluted EPS
出典:US版 Yahoo finance

2024/5/23に発表された、2024年4月期の四半期決算ではEPSが0.40ドルでした。

それでも、今後の売り上げの成長が鈍化するとの見通しにより、翌営業日は大きく売られ年初来安値の水準です。

ワークデイの株価チャート
出典: US版 Yahoo Finance

この下げをチャンスと捉えるか。

リスクをとるか取らないかは読者さん自身です。

S&P500の銘柄見直しは四半期に1度実施されます。

3の倍数月の上旬に対象銘柄が発表されることが多いです。6月頭にS&P500採用となれば、株価は反転するでしょうし、そうでなければしばしは低迷するかもしれません。

筆者は含み損ですがとりあえずホールドしています。

連動資金買いが想定されるときのおせちーずのアクション

S&P500の新規採用であれば、サプライズで採用されることもあり、そのようなときには大きく株価が上昇することがままあるので、一部利益確定の場とすることが多いです。

TOPIXの浮動株比率上昇も似たようなことをすることがあります。短い期間でのトレードはあまりしませんが、わかっていればこういうこともできるということでしょうか。

一方、連動資金が買うときは、売られる銘柄もあります。

そのような銘柄がどういうものになるのかは指数のルールを知っておく必要があります。

また、除外される銘柄であれば連動資金が持つポジションのすべてが売りの対象になるので、株価が大きく下落する傾向があります。

指数のルールを知っていることで得られるアドバンテージがあることを知っていただけたら幸いです。

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