仮想通貨を取引する方法には、現物取引以外に「レバレッジ取引」も可能です。
レバレッジ取引とは、自身が持つ資産の倍以上の取引が可能となるため資産の拡大を短期化できます。
今回は、仮想通貨のレバレッジ取引のメリット・デメリットや、仮想通貨のレバレッジ取引ができるおすすめの取引所について解説します。
プロトレーダーの経験から学ぶ仮想通貨のレバレッジ取引のコツについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
仮想通貨レバレッジ取引とは
仮想通貨におけるレバレッジ取引は、日本国内では現物取引を上回って取引されているほどメジャーな取引方法です。
レバレッジ取引とは
そもそもレバレッジ取引とは、自身の資産を担保(=証拠金)にして「資産の倍以上の取引をする」ことです。
例えば、レバレッジが2倍の場合、10万円預けた場合に20万円の取引が可能です。
また、もう一つの特徴として「空売り」ができます。
空売りとは、注文した価格から下がった場合にその差額が利益になります。
下がったときも利益はレバレッジの倍数だけ大きくなります。
仮想通貨におけるレバレッジ取引とは
仮想通貨は、株式や債権などと比べてボラティリティが高いため短期で価格が大きく変動する商品です。
暗号資産の中でもアルトコインはボラティリティが高く、1日で2倍以上になるなど激しい値動きをします。
そのため、レバレッジをかけた場合に短期で大きな利益を得る可能性が秘められています。
仮想通貨におけるレバレッジ取引のメリット
仮想通貨でレバレッジ取引をするメリットは4つあります。
暗号資産を有効活用できる
仮想通貨取引所によっては暗号資産を証拠金として利用できるため、長期積立目的で仮想通貨を保有している方にとって資産を有効活用できる点が魅力です。
資金以上の取引ができる
通常、現物取引では値が上がった差額分しか利益は得られませんが、仮想通貨のレバレッジ取引では同じ差額でも倍の利益を得ることができます。
例えば、10万円を保有していたとして現物取引とレバレッジ取引の利益の違いを見てみましょう。
現物取引 | レバレッジ取引(2倍) | |
10%の利益 | 10,000円 | 20,000円 |
50%の利益 | 50,000円 | 100,000円 |
※国内の取引所では最大レバレッジは2倍までとなっています。
※手数料は各社別途かかります。
保有する金額が同じでも、利益に大きな差が出ているのがわかります。
下落相場でも利益を狙える
仮想通貨のレバレッジ取引では、売り注文から取引が可能なため、下落相場でも利益を獲得することが可能です。
現在仮想通貨市場が下落局面を迎えていますが(2022年9月時点)、長期保有している仮想通貨が値下がりしていたとしても、売り注文でヘッジすることで値下がりの損失をカバーできます。
24時間取引できる
仮想通貨のレバレッジ取引は、24時間365日稼働しています。
株式においてもレバレッジ取引が出来ますが、平日の市場が空いている時間帯しか行えません。
仮想通貨のレバレッジ取引は時間に制限がないため、忙しい方でも夜や休日に取引できます。
仮想通貨におけるレバレッジ取引のデメリット
仮想通貨のレバレッジ取引はメリットが多く魅力的ですが、デメリットもあります。
リスクをきちんと学べば、健全なトレードができるようになるのでここで覚えておきましょう。
損失額が大きくなる可能性がある
仮想通貨のレバレッジ取引は、持っている資金以上の取引ができるため利益は数倍になります。
しかしその一方で、損失額が数倍になる可能性があります。
通常マーケットは「上昇スピードはゆっくり、下落スピードは急激」と言われており、ボラティリティ(値動き)が激しい仮想通貨は、より注意する必要があると言えます。
追証のリスクがある
仮想通貨のレバレッジ取引で大きなリスクと言えるのは、追証が発生する可能性があることです。
「追証(おいしょう)」とは、追加の証拠金を支払う義務のことを言います。
通常、一定額以上に損失が拡大すると強制的に決済されるシステムである「ロストカット」が執行されます。
ロストカットレベルは各取引所によって違いますが、損失が出た場合でも口座資金内の損失で済みます。
しかし、価格の急変動が起きた場合に、ロストカットが作動せずに追証が発生する場合があります。
ボラティリティ(値動き)の高い仮想通貨では他の市場よりも価格の急落の可能性が高いため、追証のリスクが高いと言えます。
レバレッジ取引ができる仮想通貨取引所の選び方
数ある取引所の中で、仮想通貨でレバレッジ取引をする際にチェックしたいポイントは3つあります。
取り扱いしている銘柄の数
仮想通貨取引所を選ぶポイントは、取り扱いのある銘柄数を確認することです。
取り扱いのある銘柄が多いほど、分散投資でチャンスが広がるのでレバレッジ取引のできる銘柄が多い取引所を選ぶと良いでしょう。
一番多い取引所はDMM Bitcoinの22種類ですが、ATOMやLINKなどGMOコインしか扱っていない銘柄が数種類あるので、併せて開設することで取扱数が増えるのでおすすめです。
コインチェックは、2020年の3月にレバレッジ取引の取扱を終了しています。
ビットバンクは、今後レバレッジ取引を導入予定です。
ティザーサイトを提供しているのでチェックしておくと良いでしょう。
取引所 | Coincheck | bitbank | GMOコイン | bitFlyer | DMM Bitcoin |
レバレッジ取引 | 2020年3月取扱終了 | 今後取扱予定 | 取扱あり | 取扱あり | 取扱あり |
取扱銘柄 | なし | なし | 10種類 | 1種類(ビットコイン) | 22種類 |
レバレッジの最大倍数
国内のレバレッジの最大倍数は、規制により最大2倍となっています。
倍数が高いほど利益を狙えることができますが、初心者は取引に慣れてからレバレッジを高めていく方が良いでしょう。
ロストカットレベル
仮想通貨取引所を選ぶポイントの1つは、ロストカットレベルを把握することです。
ロストカットレベルとは、ロストカット(強制的に損切りされること)するあらかじめ定められた水準のことを言います。
この水準は証拠金維持率が何%まで下がったかによって判断されます。
各社のロストカットレベルは以下の通りです。
取引所 | ロストカットレベル |
GMOコイン | 75% |
bitFlyer | 50% |
DMM Bitcoin | 50% |
ロストカットレベルが低いほどロストカットされにくいため、今回のポイントではbitFlyerかDMM Bitcoinのどちらかが良いと言えます。
おすすめの仮想通貨レバレッジ取引所3選
仮想通貨のレバレッジ取引をする際におすすめの取引所を3社ご紹介します。
GMOコイン
GMOコインは、GMOコイン株式会社が運営する取引所です。
暗号資産FXと取引所(レバレッジ取引)の2箇所でレバレッジ取引ができます。
取り扱いのある暗号資産の種類は10種類です。
暗号資産FXでは、「買うことができる価格」と「売ることができる価格」を同時に提示する2wayプライスを採用しているので、注文しやすく分かりやすい取引画面です。
取引所(レバレッジ取引)では、注文が全て板情報として表示されるので売買の需要を読み取りながらトレードできる自由度の高い取引ができます。
bitFlyer
ビットフライヤーは、株式会社bitFlyerが運営する取引所です。
レバレッジで取引できる暗号資産はビットコインの1種類のみですが、同社の高機能ツールであるbitFlyer Lightningでは、仮想通貨の現物・FX・先物取引に対応しています。
最小発注数量が0.01BTCであるため、レバレッジ2倍の場合は証拠金約15,000円から取引ができます。(1BTC=3,000,000円の場合)
DMM Bitcoin
DMM Bitboin は株式会社DMM FXホールディングスが運営する取引所です。
取り扱いのある暗号資産は22種類と豊富です。
暗号資産によって値動きが異なるので、種類が豊富であると投資リスクを分散させられます。
また、オリジナルの注文方法としてBitMatch注文を提供しています。
BitMatch注文は、発注から30秒は「買いたい」と「売りたい」のミッド(仲値)で取引が成立するため、実質的にスプレッド手数料を抑えられるメリットがあります。
おすすめの仮想通貨取引所2選【初心者は現物取引から慣れよう】
仮想通貨のレバレッジ取引をしたことがない方は、現物取引に慣れてから行うと良いでしょう。
仮想通貨の現物取引でおすすめの取引所を2社ご紹介します。
Coincheck
コインチェックはコインチェック株式会社が運営する日本の大手暗号資産の取引所です。
大手国内証券会社「マネックスグループ」が親会社であり、安心して取引ができます。
また、コインチェックのスマホアプリは使いやすく、初心者でも気軽に取引できるのも魅力です。
bitbank
ビットバンクは、ビットバンク株式会社が運営する取引所です。
第三者機関によるセキュリティ認証を取得しているため、安全性の高い取引所と言えます。
また、ビットバンクは60種類以上のテクニカル分析が可能で、本格的なトレードをしたい方にもおすすめです。
レバレッジ取引を今後取扱予定であるため、いち早く情報をキャッチするために開設しておくのも良いでしょう。
仮想通貨レバレッジ取引のコツ《プロトレーダーに学ぶ》
ここで、プロトレーダーに学ぶ仮想通貨取引のコツについて3つ紹介します。
取引の目的を明確にする
日本のビットコイン業界の草分け的存在の一人である東晃慈(ひがしこうじ)氏は、仮想通貨投資は何にかけているか明確にすることで稼げるようになると言っています。
例えば「バージョンアップの期待感から値が上がるかもしれない」「影響力のある個人や団体の動きに賭ける」など、ただ何となく資金を入れるのではなく「なぜ自身はそれに賭けているのか」明確にしましょう。
動機が明確になることで、損切りや撤退、利確の基準も明確になるのです。
▼参考記事
取引結果を振り返り自分の勝ちパターンを見つける
暗号資産だけでなく株式や為替など幅広くトレードする個人投資家の平田氏は、「投資というのは自分が勝てるパターンを見つけて、それだけをやっていく。そして勝てるパターンを増やしていくゲーム」だと言います。
そのために平田氏は、1日の終わりに2~3時間かけて振り返りをしています。
勝った時だけではなく負けたときも、どんなトレードをしたから損失を出したかデータを集めることが大切です。
▼参考記事
仮想通貨のファンダメンタルを分析する
暗号資産だけでなく株式や為替など幅広くトレードする個人投資家の平田氏は、「仮想通貨を選ぶときにファンダメンタルズは重要だ」と言います。
プロジェクトが破綻してしまうと、急落はまだしも一切価値がなくなってしまいます。
・運営に名の通った企業が参画している
・著名人がかかわっている
・オーナーメンバーがどのような経歴を持つ人物か
このようなことはきちんと調べましょう。
実際平田氏は、ファンダメンタルズ的に一番いいと感じていたXRP(リップル)をコロナ禍の暴落局面で数百万円分購入し、大きなパフォーマンスを上げました。
まとめ
仮想通貨のレバレッジ取引は、資金の数倍の取引が可能となり短期的に利益を拡大できるトレード方法です。
その反面、損失も数倍となるなどリスクがあるためレバレッジ取引をする前にきちんとデメリットを理解してからトレードすることが大切です。
仮想通貨の取引において、プロトレーダーから学ぶ3つのコツについてもご紹介しました。
ぜひ参考にしていただき、仮想通貨のレバレッジ取引に役立ててください。