インデックス投資とは?メリット・デメリット・失敗談を解説

この記事では、投資初心者の方のために、インデックス投資の概要とメリット・デメリット、インデックス投資における失敗談について紹介します。

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インデックス投資とは

インデックス投資とは、市場全体の動きを示す指数(インデックス)の値動きに連動した投資成果を目指す手法です。例えば、日経平均株価や、NYダウ(ダウ工業株30種平均)などが代表的なインデックスです。特定のインデックスを基準として、それと連動する成果を目指すのがインデックス投資です。

例えば、日経平均株価に連動するインデックスファンドを購入すれば、日本の名だたる企業225社に分散して投資することができます。

インデックス投資と良く比較される投資手法として、アクティブ投資があります。アクティブ投資は、ベンチマークしている指数を上回ることを目標とする投資手法です。

インデックス投資は投資商品の中でもコストが低く、様々な銘柄に分散投資できることから、初心者に人気の投資商品です。

参考:インデックス投資で失敗しないための7つの注意点

インデックス投資のメリット・デメリット

メリット

・比較的安定した値動きをしている

・小額(100円~)で、広範囲に投資できる

・長期保有が前提の為、運用の手間がかからない

・信託報酬など、運用にかかるコストがアクティブ投資より低い

・つみたてNISAやiDeCoなどの優遇税制の対象となる場合がある

デメリット

・元本割れする可能性がある

・信託報酬など、運用コストが高い

・値動きが小さいため、短期間では十分なリターンが得られない可能性がある

・市場が下落すると、資産も一緒に下落してしまう

インデックス投資の失敗談

インデックス投資は初心者向けの投資手法ですが、あくまで投資である以上、一定の知識は必要です。ここでは、インデックス投資で起きがちな失敗談をご紹介します。

①取引コストを見込んでいなかった

投資信託にかかるコスト

投資信託のコストは、大きく分けて下記の3種類があります。

・購入手数料…購入時にかかるコスト

・信託財産留保額…売却時にかかるコスト

・信託報酬…保有している間中負担するコスト

インデックス投資においては、購入手数料と信託財産留保額については無料(ノーロード)となっているものが多いため、主に確認が必要なのは、信託報酬です。

信託報酬は、投資信託を保有している間中かかるコストです。「総資産額の○%」という形で、毎日引かれることになります。

信託報酬が高すぎると投資元本を圧迫してしまうので注意

2022年8月時点で、インデックスファンドの信託報酬は0.0638%~1.8150%となっています。下の表は信託報酬0.0638%と1.8150%のファンドにそれぞれ100万円を投資した場合、資産額が30年でどのように変化するかを示しています。

信託報酬率1.815%0.0638%
1年¥981,850¥999,362
5年¥912,485¥996,814
10年¥832,629¥993,638
20年¥693,271¥987,317
29年¥587,908¥981,662
30年¥577,237¥981,036
(参照)価格.com 投資信託検索

信託報酬1.850%のファンドに投資した100万円は、30年後には4割以上も減少しています。一方、信託報酬が0.0638%のファンドは、30年後の減少額がずっと少なくて済みます。この差は1年間では1万7000円程度ですが、30年後には40万円にもなります。

そのため、長期保有が前提のインデックス投資においては、この信託報酬は非常に大きな影響があります。必ず精査してから購入するようにしましょう。

②短期間で売買を繰り返してしまった

インデックス投資は、長期で保有することによって利益を安定させ、複利の効果で利益を拡大させていく手法です。株式指数が乱高下することは少ないので、短期間で成果を得られる可能性は低い投資方法です。

指数が下落したからといってすぐに売却したり、商品を変更したりと短期売買を繰り返すと、その都度取引コストがかさみ、結果的に利益を圧迫することになってしまいます。

暴落に動じないために、投資は必ず余剰金で

投資初心者にありがちな失敗として、少しでも損をすると怖くなって売ってしまうというパターンがあります。

30年間に12倍以上に成長しているS&P500指数も、細かく見ると上がったり下がったり、暴落したりを繰り返しながら、右肩上がりの成長続けています。特にリーマンショックの際は最大50%も下落しましたが、2022年現在では過去最高数値を更新しています。株やFXと違い、インデックス投資は長いスパンで見ることが大切です。

1998年~2022年のS&P500のチャート。(出典)tradingview.com/

感情的に売買を繰り返さないために、たとえ損をしたとしても冷静でいられる金額かつ生活資金とは別の余剰資金で投資を始めるようにしましょう。月々の生活費を把握し、生活防衛資金を貯めたうえで投資に回す金額を決めるのがおすすめです。

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高値掴みを避けるにはドルコスト平均法がおすすめ

投資を行う際、銘柄を分散してリスクを下げる以外にも、購入するタイミングをずらしてリスクを下げる方法があります。

常に一定額を定期的に購入する方法を、ドルコスト平均法といいます。例えば、毎月5万円ずつ同じファンドを買い増すようなイメージです。こうすると、株価が高いときは少量購入し、株価が安いときは多く購入ができます。ドルコスト平均法によって資産の平均取得額を平準化し、有利に資産を集めることができます。

特に投資初心者については、株価が上がれば「以前にもっと買っておけばよかった」株価が下がれば「買わないようにしよう」と感情に左右されてしまいがちです。高値掴みを避けるために、淡々と機械的にドルコスト平均法で積み立てていくことがおすすめです。

③ファンドの中身をきちんと調べずに購入してしまった

テーマ型ファンドは要注意

最近増えてきている「テーマ型インデックス投資信託」では、NYダウや日経平均株価など市場全体の値動きではなく、AI・カーボンニュートラル、宇宙開発、DX(デジタル・トランスフォーメーション)などのテーマに沿った指数を運営会社が作り、その指数に沿って運用します。

指数に連動していると言う点で確かにインデックス投資なのですが、その指数自体が特殊で限定されているため、幅広い投資対象に分散しづらいという特徴があり、インデックス投資のメリットが活かされません。また、あるテーマがニュースで取り上げられ話題になっている時点で、株価も既に上がってしまっている可能性が高く、テーマ型のファンドが販売されたときにはすでに対象の銘柄が高値になってしまっている可能性が高いです。

過去の実績を見ると、テーマ型ファンドの多くは失敗に終わっています。購入の際は良く調べて検討することが大切です。投資初心者の方は避けた方が無難です。

分散投資をしたつもりができていない場合も

インデックスファンドには様々な種類がありますが、中身の投資対象をきちんと確認しておかないと、知らないうちに一極集中投資になってしまっている可能性があります。

例えば人気の「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」と「eMAXIS Slim 米国株式」ですが、それぞれ50%ずつ保有して、全世界と米国に分散投資することを目指している方がいるとします。しかしながら、2022年7月時点で、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」の国別構成比は下記のとおりです。

現在、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」では、米国株式の占める割合が7割弱となっています。つまり全世界株式と米国株式で分散投資をしているつもりが、中身としては米国一点集中投資に限りなく近くなってしまっているのです。

このように、銘柄の名称だけでファンドを選んでしまうのではなく、必ずその中身を確認してから選択するようにしましょう。

④分配金の方針を理解していなかった

インデックス投資の分配金の受け取り方法には「受取型」「再投資型」の2つがあります。それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

注意しておきたいのは、分配金受取型の投資信託の分配金は、頻度や金額が保証されているものではないということです。また、毎月など分配金の頻度が高いファンドでは、元本を取り崩して分配金が支払われるケースがあり、結果的に資産を減らしてしまうことになりかねません。

上記のメリット・デメリットを踏まえて、長期保有を前提と考えるインデックス投資においては、基本的に再投資型のファンドを選択するのがベターです。もし分配金受取型を選択する場合は、下記のようなランキングを利用し、分配金の健全度を把握しておきましょう。

(参考)日本経済新聞 分配金利回りランキング

まとめ

インデックス投資は小額・分散投資が可能なため、安全性が高く初心者の方が始めやすい投資方法です。初めての投資で失敗しないために、インデックス投資の特徴やかかるコスト、分配金についてしっかりと学んでから始めるようにしましょう。

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