インフレや円安が進む中、現預金を保有していることに疑問を抱く人は少なくないでしょう。
株式投資や外貨預金などしているが、仮想通貨をポートフォリオに加えることに躊躇していませんか?
今回は、仮想通貨をポートフォリオに加える必要性と自身のポートフォリオに加えるべき暗号資産の見極め方について、ベテラントレーダーの意見を交えて解説します。
仮想通貨をポートフォリオに入れるメリット・デメリットやポートフォリオの割合、おすすめの取引所についても紹介しているので、ぜひ参考にして下さい。
ポートフォリオとは
そもそもポートフォリオとは「金融資産の組み合わせや比率」のことを指します。
銘柄や商品のバランスを考えることで、自身のリスク許容度に合った分散投資が可能です。
例えば、自身の投資スタイルがハイリスク・ハイリターンなのであれば、個別株や仮想通貨などボラティリティの高い商品の比率を高めます。
逆にローリスク・ローリターンの投資スタイルであれば、現預金や債権の比率を高めることになります。
ポートフォリオの一部に仮想通貨を組み込む場合、どの仮想通貨をもつべきかも重要です。
仮想通貨の組み合わせを「仮想通貨ポートフォリオ」と言い、この仮想通貨ポートフォリオについてもしっかりと考えていきましょう。
ポートフォリオの必要性
私たちの生活を直撃しているインフレと急速な円安が進む中、もはや現金を保有しているだけでは資産は目減りする一方です。
計画的なポートフォリオを組むことで、資産形成を有利に進めることが期待できるでしょう。
時間軸で分ける《基本は長期投資で》
ポートフォリオは、金融資産の組み合わせを考えるだけでなく時間軸で分ける必要があります。
つまり、老後資金としての長期投資、短期的な利益を求めた短期投資に分けることです。
基本的には長期投資をメインとしてさまざまな金融商品に分散させることで、リスクが少なく危機に強いポートフォリオを作ってください。
例えば、株式だけでなく国債やコモディティ、仮想通貨などに分散させましょう。また先進国・途上国や、ドル建て・円建てなどの分散も意識するとより多様化できます。
長期投資では、ドル・コスト平均法が有効であるため一定額積み立てる「積立投資」をすると良いでしょう。
毎月の給料から天引きするように自動化できれば、いちいち相場に振り回されることもありません。
自動化できない場合は、「月末に積み立てる」とカレンダーにリマインドしておくことで忘れることがなく積み立て投資ができるのでおすすめです。
短期投資も必要《資産の増加を加速させる》
ただし、長期投資だけではリスクもあります。
なぜならコロナショックのような世界的な危機が起きたときは、どの銘柄も下がってしまうからです。
そういう時に、短期投資でショートをするなどして資産を守ることも可能になります。
また、自身の積み立ての予算にもよりますが、早期リタイアを計画している方は目標額に到達するためには長期投資だけでは時間がかかるため、短期投資も必須であると言えます。
長期投資と短期投資の割合
では、自身の資産のうち長期投資と短期投資に充てる割合はどの程度が良いのでしょうか。
ベテラントレーダーである平田氏は、「長期が7割から6割、短期が3割から4割というのが基本」だそうです。
例えば、下落局面ではCFDで売りをいれてヘッジをするなどして利益を回収するタイミングをバラバラにすれば、長期がダメな時でも最悪でも損失面をカバーすることができます。
結果、運用利回りを確保でき相場の回復を待てるのです。
また、株式投資などではノックイン債などさまざまなものを組み合わせてリスク回避をしていると言います。
平田氏のように、不測の事態に耐えられるようなポートフォリオを作る必要があるでしょう。
▼参考記事
仮想通貨をポートフォリオに入れるメリット
実際に自身のポートフォリオを組む場合、仮想通貨をぜひとも取り入れましょう。
理由は以下の3点が上げられます。
コモディティの多様化になる
仮想通貨は「通貨」と称していますが、通貨よりもコモディティの側面が強いと言えます。
仮想通貨の中でもビットコインは発行上限が2,100万BTCとあらかじめ定められていて、金や銀といったコモディティも、地球上で採掘される量は決まっている点が類似しています。
ビットコインが「デジタルゴールド」と言われるのもその所以です。
コモディティの多様化において、ビットコインをはじめとする仮想通貨を組み入れることは今後必要性が増すと考えられます。
インフレヘッジになる
仮想通貨をポートフォリオに組み入れるメリットとして最近注目を浴びている理由は、インフレヘッジになるためです。
新型コロナウイルスの流行やウクライナ戦争などの原材料やエネルギー価格の高騰により、物の価格は上昇し日本で長らく続いたデフレから、インフレに転換しました。
経済活動が未だ鈍化した日本でインフレになることは、現金の価値が下落することとイコールです。
長らくデフレが続いた日本では、現金を貯金することが当たり前でしたが資産を守るためには他の物に変える必要があります。
ビットコインの希少価値だけでなく仮想通貨全体の将来性が高いため、インフレヘッジとして仮想通貨をポートフォリオに入れる動きが増えているのです。
仮想通貨の将来性について、仮想通貨を中心に数々の投資に携わるsugumatu氏は「仮想通貨はあと20年ぐらいすると成熟し、より主要な資産クラスに進化する」と話します。
仮想通貨の時価総額は2017年から5年と数ヶ月で50倍以上になってきていて、企業も個人も無視できない成長率と規模になってきています。
近年のメタバースの構築が急速に進むなかで、DeFiやGameFi、NFT、DAOなどの全く新しい活用方法が生まれ、仮想通貨の普及は現実世界だけでなく仮想世界と相互に広がっていくでしょう。
▼参考記事
長期投資と短期投資どちらにも向いている
仮想通貨は、長期でも短期でもどちらもポートフォリオに入れるメリットがあります。
長期投資をする場合は、キャピタルゲインだけでなくインカムゲインも狙いましょう。
仮想通貨でインカムゲインを得られる仕組みは「レンディングサービス」や「ステーキングサービス」です。
【レンディングサービス】
保有している仮想通貨を貸し付け、金利を得ること
【ステーキングサービス】
仮想通貨を保有することで、報酬を得ること
どちらも年間数%の報酬が得られるので、仮想通貨を長期投資する場合はぜひ利用したいサービスです。
後述するおすすめの仮想通貨取引所であるコインチェックとbitbankは、レンディングサービスが利用できる取引所となっています。
短期投資においても、仮想通貨をポートフォリオに取り入れるメリットがあります。
長期投資だけでは、積立資金が低い場合は目標額を達成するのに長い時間がかかります。
短期投資を組み合わせることで資産の増加を加速させる必要があります。
24時間トレード可能な仮想通貨取引は、休日を活かすことができるので副業として活用することができるでしょう。
ハイリスクハイリターンな仮想通貨であるからこそ、資産の最大化が期待されます。
ただし、生活防衛資金は確保したうえで取引するようにしましょう。
仮想通貨をポートフォリオに入れるデメリット
仮想通貨のデメリットは2点挙げられます。
税制度に注意が必要
仮想通貨は今のところ雑所得に分類されるので、他の投資に比べて不利であると言えます。
雑所得は給与などの所得と合計して、金額が大きいほど税率が高くなる累進課税です。
最高税率は55%であり、株式やFXなどで利益を得た場合の一律「20.315%」の課税と大きく変わります。
ただし、保有している仮想通貨を売却しない限り所得税を払う必要がありません。
また、仮想通貨の税制度を株式と同様の分離課税にする動きもあるので今後の動きに注目しましょう。
ボラティリティが高い《リスク許容範囲内の投資で》
先述したように仮想通貨は、ボラティリティ(値動きの変動)が高いがゆえに大きなリターンが期待されます。
同時に下落した場合のリスクも大きくなるため、自身のリスク許容度の範囲内で投資をすることが前提です。
仮想通貨をポートフォリオに入れる割合と銘柄の選び方
仮想通貨をポートフォリオに加える場合には、どのようにしたら良いのでしょうか。
ポイントは「割合」と「銘柄選び」です。
割合の決定《資産の5%前後》
自身が所有している全ての資産の、何%に仮想通貨を割り当てるか考えます。
仮想通貨に投資する場合、ポートフォリオの5%前後が一般的です。
仮に仮想通貨が暴落し、価値が無くなったとしても全体からみたダメージは小さく、他の投資でカバーできるでしょう。
もちろん、仮想通貨のポートフォリオの割合は最終的には自身で判断するのですが、暗号資産はボラティリティが高いため精神的にストレスを感じやすい方は、少なめに設定するのも良いでしょう。
銘柄を選ぶ《ユースケースのある仮想通貨を選ぶ》
一口に仮想通貨と言ってもビットコイン以外にイーサリアムを筆頭とした無数のアルトコインが存在します。
知名度がある仮想通貨もあれば聞いたことのないような草コインもあり、何を選べば良いのか悩みますよね。
仮想通貨を中心に不動産、株式等の投資に携わるsugumatu氏は、「ユースケースのある仮想通貨をポートフォリオに組み込むのが大切だ」と言います。
具体的には、「明確なユースケース」があって、需要が供給より大きくなりそうなもの、そして潜在市場があって需要が大きくなりそうなもの、希釈されにくいもの、希少性があるものを選ぶのが長い目で見たときの正解だと言うことです。
実際、sugumatu氏が「ユースケース」と「潜在需要」重視で選んだECOMIとCEEKはそれぞれ2021年と2022年で全アルトコイン中でNo1パフォーマンスを叩きだしたことがあります。
▼参考記事
https://burry.co.jp/articles/sugumatu-4/
仮想通貨投資でおすすめの取引所
仮想通貨をポートフォリオに入れる際におすすめの取引所を2つご紹介します。
Coinchek(コインチェック)
コインチェックは、2014年に設立したコインチェック株式会社が運営する日本の大手暗号資産の取引所です。
国内取引所の中では取引量が上位であり、取扱通貨数は17種類と豊富です。
スマホアプリの操作性に定評があり、気軽に取引できるのも魅力。
またコインチェックはレンディングサービスを提供しています。
コインチェックが扱う全ての暗号資産に対応していて、最大年率5%で暗号資産が増えていきます。
bitbank(ビットバンク)
ビットバンクは、2014年に設立したビットバンク株式会社が運営する取引所です。
取引所でアルトコインを売買できることから、手数料を抑えられるのが魅力です。
さらに、仮想通貨取引所として国内初の情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得しています。
インターネットとは完全に分離したコールドウォレットを使用して仮想通貨を管理しているため、高セキュリティで安心して取引できます。
また、ビットバンクでもレンディングサービスを提供しています。ビットバンクが扱う全ての暗号資産に対応していて、最大年率3%で暗号資産が増えていきます。
コインチェックでは取り扱いのない通貨である、シンボル(XYM)やチェーンリンク(LINK)などもあるので、コインチェックと併せて利用するのも良いでしょう。
GMOコイン
GMOコインは、2016年に設立したGMOコイン株式会社が運営する取引所です。
取り扱いのある通貨数は22種類と豊富にあるため、選択肢が多数あることが魅力です。
レンディングサービスを提供しているのはもちろんのこと、ステーキングサービスも提供しています。
ステーキングサービスで提供しているアルトコインは3種類あります。
・テゾス(年率2.1%~4.3%)
・シンボル(年率3.2%~4.5%)
・カルダノ(年率3.3%~4.7%%)
3種類のステーキングが出来る日本の暗号資産取引所は、GMOコインだけになります。
長期保有をするならぜひ活用したい取引所です。
また、レバレッジ取引(最大2倍)も扱っているので短期で効率よく資産を増やしたい方にもご活用いただけます。
bitFlyer(ビットフライヤー)
ビットフライヤーは2014年に設立した株式会社bitFlyerが運営する取引所です。
取扱通貨数は全17種と豊富です。
もっとも特徴的なのは、ビットコイン取引量6年連続1位※であることです。
※ Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における 2016年-2021 年の年間出来高(差金決済/先物取引を含む)
取引量が多いほど自身が希望する価格での取引が成立し易くなるため、安定した取引ができます。
また、ビットフライヤーはセキュリティーが高い点も評価できるでしょう。
大手金融機関よりも強度のある暗号化技術を通信に採用しているため、安心して取引できます。
さらに、ビットフライヤーはレバレッジ取引(最大2倍)を取り扱っています。
レバレッジ取引を扱う国内取引所は数少なく、その中でビットコインの取扱量国内最大※であるビットフライヤーは、ビットコインを効率よく増やしたい方におすすめです。
※ Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における 2021 年の年間出来高(差金決済/先物取引を含む)
まとめ
世界的なインフレや円安が進む中、資産を守るためにポートフォリオを作ることは大切です。
株式や外貨預金だけでなく、仮想通貨をポートフォリオに組み入れることで長期・短期のどちらの投資においても大きなメリットを得られるでしょう。
仮想通貨は今後メタバースなどの技術の発達により、現実世界だけでなく仮想世界へと広がる将来性があるため、長期的に見て無視できない存在です。
仮想通貨の中でも「ユースケースのある仮想通貨」を見極め、需要が大きくなるものに投資するのが正解です。
今回ご紹介した4つの取引所は、レンディングサービスやステーキングサービスを行っている他、レバレッジ取引を利用できる取引所もあります.。
仮想通貨を長期投資・短期投資する場合には、各取引所の特徴を活用して組み合わせることをおすすめします。
複数の選択肢を持つことでリスクを分散し、効果的な資産の最大化を目指して下さい。