3年後により重要になるのはビットコインかイーサリアムか 2/2

前提

この記事は、ビットコイナー反省会の動画を書き起こし・要約した記事です。掲載はビットコイナー反省会様に許可をいただいております。書き起こしについて快くご許可をいただきました運営様にこの場を借りて改めてお礼申し上げます。

ビットコイナー反省会とは

ビットコインを中心に、仮想通貨、ブロックチェーン関係の専門的なトピックを黎明期から多分日本では最も深く議論しているチャンネルです。 日本国内の黎明期からビットコイン、ブロックチェーン業界の豪華ゲストを呼びつつ、楽しく、真面目に話しています。

ホスト

Koji Higashi。ビットコインのポテンシャルに魅了され、2014年からフルタイムで関連事業に取り組む。日本のビットコイン業界の草分け的存在の一人。ビットコイン、ブロックチェーン業界においてプロダクトマネジャー、コンテンツクリエイター、マーケターなど多角的に活動しており、国内外で認知されている。Twitterアカウント: https://twitter.com/Coin_and_Peace

参照音声

https://twitter.com/i/spaces/1eaKbrebqNVKX?s=20

ビットコインのウォレットよりMetaMaskのウォレットが増えているので規制されたとしても使われるのはイーサリアム

みにこーへい氏 実際のユーザー数を考えても、増え方はユースケースとして規制されようがされまいが、MetaMaskのユーザーとか増えてると思うんですね。

実際ビットコインのウォレットよりMetaMaskのウォレットが増えていると考えると、実際規制されたとしても、使われるのはイーサリアムかなと思っています。

実際に使われてるものを規制するのってなかなか難しいと僕は思っていて、分散的に。

内田善彦氏 非常に面白いですね。

ウォレットの数はMetaMaskのほうが多いとおっしゃってるんですけども、逆に言うと時価総額は半分しかないのにウォレットの数でビットコインのウォレットの数を上回ってるんですか。

東晃慈氏 数え方の問題な気もしますけど、自分の理解する限りでも、MetaMaskのほうが多いというのはほぼ間違いなく事実だと思います。

ビットコインの保有者というのは、例えば取引所のユーザーとかもも含めてなんで。そういうのを含めるとビットコインのほうが多いんですけど。

内田善彦氏 私はそれも含めて別にカストディアルであってもウォレットはウォレットなので、結果としてどれだけのトークンを握ってるかの問題だと思うんですよ。

みにこーへい氏 頑強的なマネーでの利用用途という話をされたと思うんで、利用用途として外に出て行くためにはウォレットがないとと思ったんですよね。

なので、ウォレットとして取引所の中にある限りとしては取引所の中のマネーなので、使い道はSOVとしてはあると思うんですけど、それ以外にはなかなか持って行けないよねと。

今実際、ウォレットとして世界で一番使われてるのはMetaMaskで、そこにイーサリアムを送った後は基本使われてると思うと、さっきのビットコイン上のユーティリティという話含めて、そこの部分のロジックは通らないかなと思いました。

頑健だから使われているというのは実際には起きてなく、現状でいくと。

『持ってる』ことも『使われる』の一部では

内田善彦氏 結局、『使われる』というのはユーティリティのことというロジックですか。『持ってる』ことを『使う』ことの一部分として議論しないと、これはマネーの議論にならないと思うので。

もちろん、いろんな切り口があるとは思っているんですが、そこに関しては定義が違う。

みにこーへい氏 ユーティリティとしてそこの部分が存在するのかっていうのが聞きたかったことですね。実際それはマネーが頑健だからユーティリティがあるってわけじゃないのかなと思ったということです。

自分はコントラクトを起動して新しいユーティリティを生むし、それが例えばDeFiやNFTだったりに繋がってるよねと思ったので、そういうロジックで展開しました。

東晃慈氏 イーサリアムの人たちは『使う』というのはつまり、例えばDEXで取引をする、レンディングする、そういうのを含めて『使う』と言ってる気がするんですけど、ビットコインの『使う』の定義は必ずしもそういうものではない気がします。

そこは明確にしてほしいですね。

BCGチーム側は、イーサリアムを『使う』というのは、つまりいろんなアプリケーションを起動したり、サービスにアクセスすることこそがユーティリティであり、それが『使う』。

そしてイーサリアムはそういうユースケースが多いので、より重要である。

というのが基本的な主張だと思うんです。

それに対してROGAIチームが主張するビットコインの堅牢性というのは、一般の人からすると堅牢点て何に使ってんのと思ってる人も多い気がする。

『使う』というのはウォレットに入れて、コントラクトを起動して、送ったり、DEXで取引したり、NFTをmintしたりすること

teatwo氏 まだウォレットの数が多いことが何に効くかっていうのがモヤっとしているんですよね。

みにこーへい氏 今明らかにしたいのは、ウォレットの数というよりは、取引上のウォレットが多いじゃないですか。それを『持つ』ということが『使う』という話だったら、そうだなと思うんですね。

マネーの頑健性というところでロジックを展開されていたので。

我々としては『使う』というのは、ウォレットに入れて、コントラクトを起動して、送ったり、DEXで取引したり、NFTをmintしたり、そういうことだよね、と主張してます。

『使う』というのが、ROGAIチーム側では『持つ』ということなのか、それとも別の何かをするのかということを指しているのか、という話です。

さっきのロジックだと、今後ビットコインがDeFiなどのユースケースでイーサリアムに追いついていくという主張だったと思うんです。

しかし『使う』というのは、取引所に置いとくだけも含まれている。それはみんな動かさないじゃないですか。

その一例として、MetaMaskというものがすごい使われてると思うんですけど、ビットコインで一番使われてるウォレットを想起するのは難しいと思うんですね。

ただ『使う』という領域で、自分たちの定義する『使う』をやってるものがあるのか、そうじゃないならどういう定義ですか、を確認したいということですね。

DeFiの多くはマネーゲームになっていて、ゼロサムになっている

東晃慈氏 さらに突っ込むと、おそらく言いたいのは、いかに時価総額が大きくて、保有者数が多かったとしても、取引所に置いてる人たちがたくさん増えてるだけだと、それは何か使われてるのか、問題を解決したり、重要であると言えるのですか、そんな感じの質問ですかね。

みにこーへい氏 そういうことです。

内田善彦氏 言葉悪いですけど、パチンコ屋でパチンコをすることが経済活動にプラスになるかどうかということがあります。多くのDeFiというのは、事実上マネーゲームになっている。極端なゼロサムになってたりする。

それの所作として、これだけ多くのDeFiがあって、これだけ多くの取引があるのに、時価総額が全体として上がっていない、これ事実なんですね。

マネーゲームになっていて、ゼロサムになっている。

こういったところも含めて、MetaMaskで使う人が多ければ、それって本当に重要度が上がってるかっていうところに関しては、どうお考えですか。

東晃慈氏 そうですね、単純にアプリケーションの数が多ければユーティリティが高いとは言えないですね、僕もそれは真っ当な指摘だと思います。

BCGチーム側、この主張に対してどうでしょう。

新しい体験を生むこと自体は否定されるべきではない

上野広伸 それでいうと、我々はインターネット上にいる世界の人々にどれだけ使われているかところに重要度の尺度を置いている。

そうなると、ウォレットの数、実際にどういうふうに使われているかというユースケースの方が重要だと考えています。

みにこーへい氏 インターネットカジノであるところは否めない反面、例えばAxieを使って暮らせるようになりました、リッチになりましたという人たちがいるのも事実だと思う。

もちろん、その分誰かが損しているんですけど、そういう恩恵を受けている人がいるのは事実だと思っていて、そういう新しい体験を生むこと自体は否定されるべきではない。

内田善彦氏 今のAxieの話でも、金持ちになる人が100万人のうちの10人だったと。他の10人を除くみんなが少しずつ貧乏になったということに関して、それをファシリテートするツールは世の中にとって重要なんですか。

Axieてマクロで見るとほとんどの人が損してますよね。

東晃慈氏 STEPNとかも似たようなものです。例えばSTEPNを使った人はみんなお金を稼いだんですか、みたいな質問ですね。

内田善彦氏 極端なことを言うと、STEPNが使われてGDPは0.1%プラスになるんですか。

生産活動が発生しているので、AxieやSTEPNはGDPを上げている

上野広伸氏 様々なユースケースにトライする中で、どういう現象が起きるかというのは社会実験的な要素もあったりすると思うんですけど。

それで言うと逆にビットコインはGDPをどれだけ上げたんですかという話はありますね。

みにこーへい氏 重要ですかという問いに対して、GDPを上げているかどうかでいくと、生産活動が発生してるので上げてると思うんですね。

例えばゲーム内で配信をしたり、人を雇ったり、何らかの経済活動が発生しているのは間違いない。

内田善彦氏 そんなことはなくて、ゲームで使っている時間の浪費があるから、プラスのファクターとマイナスのファクターがある。

ああいった射幸心を煽るようなものは、基本的には時間を浪費してる分、そこに生産活動に投入される労力が減ってるので、多分マクロで見るとマイナスの可能性があるんですよ。

みにこーへい氏 その話をするとエンタメを否定するみたいな話になってくると思うんです。

楽しんでる人たちが一定いて、時価総額が1兆何千億円ついていて、何らかの経済活動が発生しているのは事実

内田善彦氏 そんなことはないです。エンタメというのは、投入する貨幣価値と満足を持つという意味でのサービス業ですから。Axieなどは射幸心を煽る形のギャンブルなんですね。

ほとんど全てのギャンブルが一定程度の規制の対象になってるのは、人間は射幸心が煽られると歯止めが利かなくなるからなんです。

そのためにそれをやってはいけない心理学的な結論として、ギャンブルは規制対象になっている。

みにこーへい氏 ギャンブルが経済活動じゃないという話よりは、配信して暮らしてる人がいるとします、それを見て楽しんでいる人がいますとなった場合に、それはYouTubeと変わらないじゃないですか。

YouTubeの活動は人の時間を奪ってるんで、それはマクロでマイナスですよね、という話であるならばとそうだと思いますけど。

そうじゃないのであれば、そこはエンタメの一環なので、搾取する、搾取されるという構造以外に、そこで楽しんでる人たちが100万人とか一定いて、時価総額が1兆何千億円ついていて、そこで何らかの経済活動が発生しているのは事実かなと思っています。

損した人がいるのは事実かもしれないですけど。

なので「AxieなどはGDPを上げたのですか」という問いに対しては、「上げたと思います」という回答です。

将来の革命的なユーティリティの芽になる可能性があるということに関しては同意

内田善彦氏 まず、特定のプロジェクトに関する時価総額といった場合には、取引されたクリプトの量が非常に少ない中で、それに枚数をかけてしまってるっていうのは、特定のプロジェクトに関する時価総額というのに関しては、時価総額の意味合いはネイティブな行為に対する時価総額の意味合いを少し変えた方がいいんじゃないかなと私自身は思ってます。

これは単に一つのコメントです。

そしてご指摘の通り、エンタメを否定するのかといったら、エンタメは消費するための経済活動なので、そこにプラスの効果があるんじゃないですかと言ったら、それはその通りだと思うんですよね。

一方で、ギャンブル性が高いところに人間のバイタリティの多くが注入されてしまっていることに関して、将来の革命的なユーティリティの芽になる可能性があるということに関しては私も同意します。

ただ、現状とこれから3年後で見た場合に、本当にこれってプラスで評価していいのかということに関しては、ROGAIの人間は「そういうとこじゃなくてさ・・」、と古い考えを持ってしまいますということですね。

みにこーへい氏 この短期間で、10も20もいろんなユースケースが出ているので、3年で起きるかもしれないし、起きないかもしれませんね、という話でしかない。

Axieなどを見て、既存の大手ゲーム事業者が本格的にいわゆるブロックチェーンに取り組み始めた

上野広伸氏 事業者観点で見ると、Axie、STEPNがプラスかマイナスかみたいな話は、いろんな観点があるとは思うんです。

ただ、そういうビジネス的な動きを見て、既存の大手ゲーム事業者が本格的にいわゆるブロックチェーンに取り組み始めたというのは事実なんですよね。

内田善彦氏 大手事業者が入ってきて取り組み始めたということと、それが将来3年後で評価されたときにすごく良いかどうかでいうと。

大手事業者こそ、こういった新しい分野で失敗してるケースも積み上げてるので、必ずしも大手事業者が入ってきたからといって3年後にプラスになるかどうかに関しては、相対的に見て良いのかなと。

逆に言うと大手事業者が入ってきたというのではなくて、大手事業者が何を見て、どう入ってきて、ここに関してどういうプラスの効果があるかっていうのをご説明いただけると、反論のきっかけをつかめるんですけど。

みにこーへい氏 そこの議論はあんまりする必要ないのかなと思っています。

どうしてかというと、元々のロジックはマネーが頑健であるいう話と、そのうちビットコインのユースケースがイーサリアムに追いつくって話があったと思うんですね。

今の議論はイーサリアム上で提供されるユースケースがたくさん増えていく中で、それがうまくいかないかもしれないという議論をしていて、元々僕らのロジックに対してあまり関係ない話をしてるかなと思う。

大手が入ってくることが3年後に必ずしもプラスの効果になるとは限らない

東晃慈氏 元々の主張はイーサリアムは開発者も多くて、アプリケーションの数も多い。ビットコインは今の状況が続いてどうやっていくのかって話があった。

それに対してROGAI側は、「そもそもアプリケーションがたくさんあればユーティリティがあるわけではないし、パチンコ的なサービスがほとんどだとしたらそれはそもそもゼロサムで、何も具体的な貢献になってないんじゃないか」という主張ですね。

みにこーへい氏 大手ゲーム会社について、それはパチンコ屋の提供じゃないかという主張をしたいということですか。

東晃慈氏 大手ではなく、例えばAxieだったりSTEPNだったり、そういうもの全般ですね。

みにこーへい氏 それに対しては上野さんが大手ゲーム会社が入ってきますという話をしたと思うんですね。

内田さんがそれに対して否定したってことは、大手ゲーム会社はパチンコ屋を提供することないんじゃないかって論理で合ってますか。

東晃慈氏 違います。大手が入ってくることが少なくとも3年後に必ずしもプラスの効果になるとは限らないって言っただけですね。

上野広伸氏 もちろんどういうふうにプラスになるかというのはわからないというのはそのとおりだとおもいますけど、トライしないと発展がない。

東晃慈氏 それに対して内田さんは、もう少し細かく、例えば大手が入ってきたらどういうふうにプラスになるのか教えてください、みたいなことをおっしゃってるわけです。

大手が入って正のループが生まれるということと、その正のループが重要であるという話は必ずしも一致していない

上野広伸氏 それもはっきりしていて、結果的にどういう成功になるか、プラスになるか、もしくはプラスにならなかったかっていう結果論はさておき、大きい会社が入ってくるとそこに対してユーザーもついてるし、いろんなユースケースが生まれると思うんです。

そういうふうに、トライすること自体に重要度を置いてるというのが我々の主張です。

東晃慈氏 確かに大手の参入というのは一般のユーザーにとってもシグナルになって、人がもっと入ってきて、そうすると開発者も増えて、さらに盛り上がって正のループが働くことはあると思います。

内田善彦氏 大手が入って正のループが生まれるということと、その正のループが重要であるという話は必ずしも一致していなくて。

もちろんビットコインの側から言うと、例えばエルサルバドルで法定通貨になったことは結果としてプラスかマイナスかでいうと微妙だねっていうのがありますよねと。

大手が入ったからといって必ずしもそれがイーサリアムの重要度を引き上げるという認識に繋がるかというと、微妙だなと。そのあたりはどうなんですかね。

上野広伸氏 それはその通りなんですけど、結局のところエルサルバドルだけの例を見てビットコインがどうという結論を出すべきじゃないと思うんですよ。

ただ、どういうトライアルをしたらどういう結果になるかを何度もトライしていくことが今のフェーズだと重要かなと思っています。トライする回数としてはイーサリアムの方が多いのではという主張です。

結果的にどうなるかっていうのはさておきなんですよね。これはもう仕方ないです。

ビットコインもカジノ的なもの以外のよさげなユースケースを、追いかける立場としてインポートしていく

内田善彦氏 ご指摘の通り結果はさておきということであると。我々としてはトライする回数ではなくて、ベースとなるマネーでの頑健性だって言い方に戻っちゃうんですよね。

ベースとなるマネーの頑健性があって、カジノ的な極端なものがあんまりないっていう状況から、カジノ的な極端なもの以外のよさげなユースケースを、追いかける立場としてインポートしていくことを考えた場合に、ビットコインも成長するんですと。

イーサリアムがもっと成長することも否定しません。

今はもう時価総額が1:0.5の比率になっているので、イーサリアムがどれだけ頑張っても3年後、ビットコインを上回る需要性を持たないんじゃないかってのが我々の論旨になります。

オルタナティブの資産としてビットコインは世界で認められている

東晃慈氏 元々BCGチームがROGAIチームに質問して、まだ回答されてないものがあると思っています。

イーサリアムに限らずですけど、スマートコントラクトチェーン上のDeFiなどのいろんなサービスがありますけど、ギャンブル的なものが多いという指摘で、言うほどユーティリティがないんじゃないかっていう指摘がありますと。

仮にそうだったとして、ビットコインは具体的に誰にどんなユーティリティを提供する、もしくはどういう形で経済発展させ、この3年で貢献できるのか、という問いに対して明確なシナリオだったりユースケースをROGAI側は示せますか。

内田善彦氏 これは重い質問ですね。

まず過去のことから将来のことを考えましょう、ということになると思います。

過去のことからいうと、先ほどからエンタメはプラスなんですか、マイナスなんですかって話もありますけども、言ってみれば資産の活用のポートフォリオの、オルタナティブの資産としてビットコインはもう世界で認められている。

オーストラリアだと現物のETFも認可されるようになったということで、資産のオルタナティブが1個増えたということは大きな貢献だと思っています。

編集者注:オーストラリアで個人投資家向けビットコイン現物ETF提供へ

私が知る限り、イーサリアムの現物のETFはまだないんですけども、ビットコインは現物ETFがあるということで完全にオルタナ資産として成立しています。これがまず一つ。

スマートコントラクトを使う使わないに関わらず、即時決済性が経済の摩擦を取り除く

内田善彦氏 将来に関して言うと、資産クラスの一つとしてあるというだけではなくて、様々なライトニングの導入があれば、即時決済のようなものがより先鋭化していきます。

なのでスマートコントラクトを使う使わないに関わらず、即時決済性というものが様々なところで経済の摩擦を取り除く。

そういった意味ではユーティリティの向上に貢献することは既に見えている。

これに加えて、どういうスマートコントラクトがセカンドレイヤーで実装されていけばさらにアップサイドがあるかということもイーサリアムのおかげで見えています。

そして、証券性で刺されることもほぼないと考えられるのはビットコインのみですから。ダウンサイドも抑えられているというふうに考えます。

イーサリアムのユースケースはハイリスクハイリターンのタイプが多く、幸せになる人だけじゃなく不幸になる人たちも同じように増えていってるはず

teatwo氏 あえて言うのであれば、これまでで見れば、イーサリアムの新しいユースケースは非常にハイリスクハイリターンのタイプが多かったです。

投機系のものが多かったので、この先3年でユーザー数や利用時間が増えていくとしても、幸せになる人だけじゃなく不幸になる人たちも同じように増えていってるはず。

それに対して現状のビットコインのユースケースは経済取引がメインなんですよね。通貨がアプリケーションのメインなので。

エルサルバドルは失敗しているが、それで不幸になった人はいない

teatwo氏 上野さんはエルサルバドルの例を出されても困るでしょと言われましたけど全然構わなくて。

なぜかというとエルサルバドルでBTCは確かに失敗してるんですよ。失敗してるんですけど、それで不幸になってる人はそんなにいないんですよね。

単にBTCが使われなかった、ビットコインが悲しいことになっちゃっただけ。エルサルバドルの住民はビットコインを使わないでドルにしちゃいました。それだけの話なんですよね。

もちろんトレードしている人にとっては勝ち負けありますが、通貨としての取引だけで見れば、そんなに不幸になる人はいなくって、便利になりました、政府に自己主権確立したマネーが手に入ってハッピーになりました、などが積み重なっていく方が大きいかなと思います。

上野広伸氏 ちなみにエルサルバドルの件だけを見てどうのこうのっていう話はちょっと違う。結論を出すのは次期尚早ですよねという話でした。

ビットコインでイーサリアムのような投機のユースケースが少ないのは、単にユースケースがないから

みにこーへい氏 幸せになる云々の話になると元々の議論とずれるので何か揃えたいなと思うんですけど。

今、質問としては内田先生に対してそういうビットコイン上のユースケースってあるんですかと質問したときにライトニングで決済という回答をもらったと思うんですが、合ってますか。

内田善彦氏 オルタナティブの資産クラスとして成立したってことは結構重要じゃないですか。

上野広伸氏 それはもう重要ですね。

ちなみに途中で述べられていた、今後イーサリアムのユースケースをビットコインにも持ってくることもできるよという話に関しては、ビットコインの方に持ってきたら、結局イーサリアムで起きた、ギャンブル性の高い話も一緒に来てしまう。

ビットコインがなぜイーサリアムのように投機のユースケースが少ない状態になっているかというと、単にユースケースがないからであるという主張と同義なんですね。

なのでイーサリアムで起きたことをそのままユースケースとしてビットコインのL2に持ってくると同じ結果になります。

内田善彦氏 そこはちょっと違うのかなと思います。

ビットコインのL2のスマートコントラクトはイーサリアムでやろうとしていることとちょっと方向性が違う。

どちらかというとマネーとしての機能を中心とした中でのスマートコントラクトなので。もちろんDEXみたいなものは出てくると思うんですけども、GameFiみたいなものがどうなるのかというのは私はよくわかってないです。

上野広伸氏 おそらく出てくると思いますね。

通貨の用途は価値の保存と決済、決済はライトニングネットワークがこれから伸びる

みにこーへい氏 中心としての論理は、ライトニングネットワークの決済ということで合っていますか。資産クラスが作られたということと決済で合っていますか。

teatwo氏 通貨としての用途がメインだと主張しています。

通貨の用途がなにかと言ったら、価値の保存と決済です。そして決済で使う具体的な技術として、ライトニングネットワークがこれから伸びていくという話です。

東晃慈氏 さらに付け加えると、teatwoさんが言っていた不幸になってる人はいないと。単純に決済とかだけの話なので。ビットコインになってるわけですね。ビットコインとビットコインになってます。

上野広伸氏 幸せな人の多さ、不幸になった人の多さもユースケースと使ってるユーザー数が増えてるからそうなってるんですよね。なので結局のところ、そこの評価は使ってる人とユースケースが多いっていうことの証拠でもあります。

teatwo氏 イーサリアムが積み重ねていく大きさと、ビットコインが積み重ねていく大きさの、どっちの幅が大きいかって話なんだとは思うんです。

東晃慈氏 あとBCG側の主張としては、ROGAI側は「イーサリアムはユーティリティがギャンブル性の高いものが多い」という話があったんですけど、ただそんなことはないと。

そうじゃないアプリケーションやサービスもあるし、トライもされてるし、新しい芽が今後のために出てきて、次の3年間でまた伸びていくんじゃないかという主張ですよね。

BCGチーム側の主張のまとめ

上野広伸氏 ここ3年という意味では、ビットコインにしろイーサリアムにしろ、全然マスアダプションしてなくて、みんなに使われてない状態を抜け出していかないといけないと考えていて、それこそが重要であると考えています。

そのために様々なユースケースにトライする、いろんな人に使ってもらう、UXを良くしていくといったことにチャレンジしなければいけないフェーズがこの3年だと思っています。

そういう意味で言うと、イーサリアムの方が重要なんじゃないかと思う。

みにこーへい氏 ビットコインは基本的に取引所に置かれているものという認識の中でいくと、その中で本当に使われるようになるのかということがROGAI側から示されるものはなかったです。

そして、通貨の決済性があるって話があったときに、それがステーブルコインに勝るというふうに思わなかったので、ユーティリティの証拠にはなってないのかなと思いました。

ROGAIチーム側の主張のまとめ

内田善彦 何をもってユーティリティと思うかということが、ビットコインとイーサリアムは立っている位置が違うので、そこで定義がずれちゃっているとすごく思いました。

比較可能性があるとすれば時価総額がわかりやすいんじゃないですかと。

時価総額は比較可能性はないという話であれば、少なくともビットコインというのは、一つの資産クラスとして金融業界全体から認識された事実が、G7の国の一つであるオーストラリアからもう提示されている。

一方で、イーサリアムは大国である米国からまだ証券性の観点を含めても、成立した資産クラスである可能性が疑われるケースも出てきている。

その中で、BCGチームが主張するようなユーティリティとされるものがいろいろ出てきてるんですけども、もし革命的なユーティリティが出てきてるんだとすると、ビットコインよりもずっと多くの資産がイーサリアムに魅力を持って集まってもいいんじゃないかと思っている。

しかし今のところそういう状況にはまだなっていないと。

今後3年間、それがひっくり返るかというとそうでもないのかなと思ったときに、やはり国家とか特定の大企業に依存することなく、自分の資産を保全するという機能というのは非常にコアなところであるんじゃないかなと思っています。

そのコアなところを大切にしているビットコインと、そうではなくて様々な使い方でトライアンドエラーを重ねているイーサリアムの特徴の違いがある。

今のところ、様々な使い方の中で、ビットコインの時価総額を超えるようなムーブメントを起こしきれてはいないという意味で、過去のトラックレコードを見てこれから3年間を展望しつつ、ビットコインの優位性は揺るがないではないのかもしれないですけども、維持されるのではないかと思います。

teatwo氏 私達の主張としては、イーサリアムが新しいフロンティアを築いて伸びていくよりも、ビットコインがこれまでのユースケースを取り込んで追いついていく方が確実だし上乗せもある。

もしかしたら間は縮まらないかもしれないですけど、それはそれで3年後では逆転しないって話になるので、基本的にビットコインの方が手堅いんじゃないかなと思ってます。

結果:ROGAIチームが優勝

101票なんですけど、ROGAIチームが74.3%、BCGが25.7%ということでROGAIチームが優勝ということになりました。おめでとうございます。

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