前提
この記事は、ビットコイナー反省会の動画を書き起こし・要約した記事です。掲載はビットコイナー反省会様に許可をいただいております。書き起こしについて快くご許可をいただきました運営様にこの場を借りて改めてお礼申し上げます。
ビットコイナー反省会とは
ビットコインを中心に、仮想通貨、ブロックチェーン関係の専門的なトピックを黎明期から多分日本では最も深く議論しているチャンネルです。 日本国内の黎明期からビットコイン、ブロックチェーン業界の豪華ゲストを呼びつつ、楽しく、真面目に話しています。ホストである東晃慈氏のXアカウント:https://twitter.com/Coin_and_Peace
参照動画
参照動画元のスポンサー
- ジパングコイン https://www.zipangcoin.com/
- OKCoinJapan https://www.okcoin.jp/
ディベート参加者
司会
- 東晃慈 ビットコイナー反省会主宰&Diamond Handsの共同創業者。ビットコインやライトニングの事業開発が専門
Toxicチーム
BCGチーム
- みにこーへい TokenPocket創業者。ブロックチェーンゲームやDeFiなど積極的に扱い幅広い知見を持つ
- 上野広伸 double jump.tokyo株式会社代表 ブロックチェーンゲームの開発やNFTサービスに携わる
イーサリアムETFが来ても規模的にビットコインより小さい説
ーー二つのチームにビットコインもしくはイーサリアムどっちの方が価格が上がるのかというポジションでやってもらおうと思います。当然ですがToxicチームがビットコインがより上がる、BCGチームがイーサリアムの方がより上がるというポジションです。
では、Toxicチーム先行お願いします。
加藤氏 2025年末ということは結構近いので、現行のテーマの話が重要になってくると思っていて、完全に流れがビットコイン側に来ています。
ETFもそうですし、例えばビットコインのLayer2が盛り上がっている。
他にもソラナとかが盛り上がっちゃってて、イーサリアムが中途半端なポジションになっているとかで、完全に今ビットコイン流れが来ていて、それが1年ちょっと続いても全然おかしくないなと思っていて、その辺が第1の理由です。
一応予想される反撃を1個だけかわしたいのが、イーサリアムETFが来るというのがあるんですけど、たとえ来ても、スケール規模的にビットコインより小さいという説が結構あります。
さっき調べた数字なんですけど、今、グレースケールのイーサリアムトラストが大体9ミリオンドルぐらいの資産を管理していて、同じくグレースケールのGBTCビットコイントラストはETFになってから半分ぐらい流出してるんですけど、それでもまだ20ミリオン以上ある。
という元々の規模に換算すると4倍以上の差がある状況で、果たしてイーサリアムETFができたところでビットコインと同じほどのインパクトがあるかというのも不透明なんじゃないかなという部分も含めて、ビットコインの方がポテンシャルが高いんじゃないかなと思っています。
イーサリアムETFが認められるのか疑問
ーージョーさん補足もしくは違う視点から「ビットコインの価格が2025年末までにイーサリアムより上がる」という根拠を教えてください。
宮本氏 補足するなら、イーサリアムETFだけを特別視する理由がわからなくて。
つまりイーサリアムのETFが認められることと、その他のソラナとかが認められずにイーサリアムだけ認められるという根拠が僕は薄いと思うので、認められない可能性も結構高いんじゃないかと思うんですよね。
一つ認めてしまうと次のやつもどんどん認めるみたいな話になってくるので、だからビットコインは認められましたけど、そこで止まる可能性も全然あるんじゃないかなと思っていて。
そういうことを考慮するとやっぱりどうしてもイーサリアムは、他のチェーンとの競争にさらされてしまうので、特別感を出すのが難しいんじゃないかと思います。
ーー二人ともETFに関するコメントをもらったんですけど、それ以外の切り口というか、例えば技術面で比較したときにこうだからみたいなのはありますか。
加藤氏 正直技術とか関係ないなというのが、この業界にいて実感としてあるから、あんまないです。
ーーETFが価格を決める上で今一番重要な側面でそこの差という意見ですか。
加藤氏 ETF以外でもナラティブ的な流れもビットコインに来てるんじゃないかという、ビットコインの重要性が見直されている業界内でも、というのがあるかなと思います。
宮本氏 僕も全く同意見なんですけど付け加えると、技術的なことと価格に関係がないというのは全くその通りで、それはイーサリアムにとって向かい風の話なんですよね。
なぜかというとビットコインに比べてアップデートが頻繁にあるじゃないですか、先日も大規模なアップデートがありましたし。
ということと価格は関係ないんだよ、ということは保守的であるビットコインにとって追い風だと思うんですよね。
過去、ビットコインの半減期後はイーサリアムがビットコインを上回っている
ーーBCGチームお願いします。
みにこーへい氏 まず前提としてですけど、2030年とかの大局的に行くと、やっぱETFが決まってビットコインが上がってくる可能性はすごいあるなと思っています。
そこに対してイーサリアムは勝てないよね、というのは何となく僕もそう思うんですけど、2025年末というポイントだけならいけるかなという点があります。
ETFの話はジョーさんとかキシンさんが言っている通りで、正直同じ量のお金は入ってくるのかな、みたいな話があって、その通りだなと思うんですけど。
半減期後のバブルの話で、これまで2017年、2021年で、2017年の時は対ビットコインの価格が0.011から0.14まで上がったりとか、2021年も0.02だった数字が0.06まで上がったというのがあって。
いわゆる半減期後のバブルがあるとするならば、ちょうど2025年がその期間に当たって、イーサリアムがビットコインをアウトパフォームする可能性は過去2回そうなっているのですごく高いと思っています。
この要因は、要はビットコインの方が時価総額が大きいことからきていて、ビットコインがまず動きますと。
その後連想ゲームでイーサリアムが上がるんですけど、時価総額が小さいイーサリアムの方が単純にボラティリティが大きくなって上がるということが今回も起きるんじゃないかなと思っています。
ETFとか技術的な側面とかは、正直イーサリアムもビットコインも同じようにくるし、こないかもしれないしというのはあるんですけど。
単純に構造の話としてビットコインにバブルが来る場合、その後の1年に非常に大きい波がイーサリアムに来ているというのは間違いないので、そこについては今回2025年末という観点でちょうどアウトパフォームする可能性があるんじゃないかなと思っています。
ーー上野さんはどうでしょう。
上野氏 大前提としてそもそも価格が上がるというのをどう定義するかはあると思うんですよね。
例えば時価総額でと言われると、既にビットコインとイーサリアムで相当な時価総額の開きがあるので、結構アンフェアな議論の気はしているんですよ。
そうすると、現時点の価格からの伸び率で計測するのが正しかろう、と僕は思っているんですけど、この認識で正しいですかね。
ーー価格なので時価総額ではないです。
上野氏 現時点でビットコインとイーサリアムの1ビットコインと1イーサリアムみたいな価格で比べると、非常に大きな開きがあるので、何%上がるか下がるかみたいな、今の価格を基準とした伸び率ということで合ってますかね。
イーサリアムの方が伸び率は高い
ーーそうですね。例えば今のイーサリアム価格が0.1BTCだったときに、2025年末に0.1BTC以上か未満か、そういう話ですね。
上野氏 そうなると現時点でビットコインの方が結果的に時価総額とか1ビットコインあたりの価格が高いことは割と自明かなというふうに思っているんですけど。
ただそれはもう既にビットコインETFが承認されていて、ちなみに今日ちょうど香港でビットコインとイーサリアムのETFどちらも承認されたみたいな、誤報じゃなければそういう話も入っていて。
イーサリアムのETFを認めるかどうかという話は一旦香港では認められたらしいというのはあったりするんですけど。
ビットコインは既にETFがもう承認されていて、実際に機関投資家からのお金も流れてきてというのが一段落した段階と、それに対してイーサリアムは、アメリカで認められるかどうかはわかんないんですけど、ETFが認められたらしいというところからのスタートなので、普通に考えると、2025年末だけで考えると伸び率という意味ではイーサリアムの方が分があるのかなと思いますね。
2025年末までにバブルが来るのか
ーー一応補足しておくと、香港のETFが、ビットコインETFとイーサリアムETFがついに認められるというニュースが出ていて、今日の価格を見ているとビットコインは大体24時間で3%ぐらい上がってて、対してイーサリアムは7%上がっています。これはETFが要因かどうかわからないですけど、市場では今日イーサリアムの方が価格の伸びが高いという現象は確かにありますね。では、Toxicチーム、反論お願いします。
宮本氏 全体的におっしゃっていることには全く賛成で、イーサリアムの方が時価総額の絶対値が少ないからボラが高くて割合としては上がりやすいんじゃないか、というのは全くその通りだと思うんですけれど。
疑問だったのが、もちろん上がる可能性もあったら下がる可能性もあって、それ自体は単にボラが高いということを言っているに過ぎないわけじゃないですか。
バブルが来たらBTC建てのイーサリアムの価格はプラスになるはずだ、という理屈はその通りだと思うんですけれど、なぜバブルが2025年末に来るのかという根拠がお話の中になかったような気がするんですよね。
そこまで述べないと理論は成り立たないんじゃないかと私は思うんですけれど。
ーーそれはこーへいさんが半減期後の相場はイーサリアムの方が上がることが多いという発言があったので基本的には半減期を意識しているんじゃないですか。
宮本氏 でも半減期後の相場は1年以上先まで織り込まれるものなんですかね。
加藤氏 半減期自体はもうみんな知っていることだから今回もそうである保証は全然ない。
宮本氏 そうなんですよね。半減期の後に上がるみたいなのは完全な経験則だと思うので、理論としては弱いと思うんですよね。
みにこーへい氏 経験則だとしたときに、ビットコインが上がったとして、それに対してイーサリアムがどう上がりやすくなるか、というのはいろいろ説明できたと思いますので、そういうロジックと取っていただければいいかなと思っています。
来年何も起きなかったときにじゃあどうなるんだ、というのは、あんまりこの場で話しても仕方がないかなと思っています。
下落相場ならビットコインが有利
ーーBCG側の意見にちょっと近いと思うんですけど、Toxic側はETFが来て価格が上がるみたいなこと言っていたので価格が上がるのは結構前提として話していたような印象があるんですけどそうでもないんですか。
加藤氏 逆にマイナスだったとしてもビットコインの方がマイナス幅が小さかったら、勝ちですよね。
最近ミームコインとか草っぽいやつが結構下がっているらしくて、ビットコインだけ見ている分にはまだほぼ最高値付近じゃんと思うけど。
イーサリアムも割と健闘しているけど、どんどんリスキーな方に行くにつれて、ソラナとか半分ぐらいになってたりして、下落する相場だとビットコインが結構耐えるのは、経験則としてあって、下落する相場だともうこれはビットコインの勝ちだろうと思っているので上がるときの話をしています。
ーー議論を整理するために、知らない人ももしかしたらいるかもしれないんですけど、今ビットコイン価格がドル建てで上がっているじゃないですか。そうすると通常だとイーサリアムの方がビットコインより上がる可能性が過去だと高い、そういうパターンが多かったって話があったんですけど、実はこの1年とかBTC建てでイーサリアムは下がってるんですよね。だから、多分それを前提として話してるかもしれないですけど、イーサリアムのBTC建ての価格がしばらくずっと下がっている傾向で、Toxic側は基本的にはETFとかもあってこれが続いていくだろうというようなことを言っているという認識ですね自分は。例えばこの3ヶ月とかビットコイン価格がまた上がって、イーサリアムがビットコインよりアウトパフォームしていたら、イーサリアムの方が上がるという理論も確かに強いと思うんですけど、今は必ずしもそうでもないと。将来的にどうなるかはまた違う話ですが。
ETFを買っているのは個人投資家が主体
加藤氏 自分から上野さんのポイントに反論したいところが一つだけあります。
機関投資家がETFでビットコインに入ってきて、その需要がある程度もう吸収されているから、これからはまだそれが全く吸収されてないイーサリアムの方が伸び率が期待できるみたいなことをおっしゃっていたかと思うんですけど。
一応米国のビットコインETFというか米国の金融商品を米国の機関投資家が保有してるときに、四半期ごとにSECにこれ持っていますと報告書を提出しないといけなくて。
最近、第1四半期の報告書が出始めたけど、軒並み誰もビットコインETFを1ミリオンドル分も持っていないみたいな。
今のところビットコインETFを買っているのは結局個人だという全体像が、うっすらと見えてきている状況です。
だから機関投資家の需要が一巡したということも間違っているというか、まだまだそこまで達してないことと、意外とETFが登場してから機関投資家がくるまで時間がかかるのかなという部分があって。
2025年末というタイムリミットがあるとすれば、3ヶ月経って機関投資家の資金がそんなに入っていないということは、もうそろそろイーサリアムETFが承認されないとそのタイミングには間に合わないんじゃないかなという、それが反論としてあります。
個人投資家の買いでイーサリアムは上がる可能性がある
ーー25年末と決めたときに、イーサリアムETFがもしかしたらまだ全然承認されていないとか、されていたとしても価格への影響は限定的かもしれないということですね。BCG側どうでしょう。
上野氏 そのご意見には一理あるなと思っていて。
機関投資家も一気に買うわけじゃなくて、例えばドルコスト平均法を機関投資家がやるわけではないんですけど、それに近しいような、毎月これぐらいを購入するみたいなことを機関投資家がやることは考えられて。
ETFが承認されてから2025年末までの期間で、流入金額は変わってくるので、ETFの承認期間が長ければ長いほど得なのではという意見は、確かにその通りだなと思います。
ただ、機関投資家の資金が入っていなくて個人の資金が結構入っていることを是とすると、逆に言うと、ビットコインの今の価格は、ETFだけじゃないと思いますけど、そういう将来への期待を込めて、個人投資家がビットコインの価格を押し上げていると考えられて、それはイーサリアムにも言えることかなと。
イーサリアムもETF承認されるかどうかわからないところはありますけど、香港でETFが承認されて、実際に取引され始めてるのかわかんないんですけど、ということがあると、米国もしくは他の国でもイーサリアムのETFが承認される可能性があって。
ビットコインの価格は今高くなっているから、イーサリアムの方も買っといた方がいいんじゃないか、というETFになる期間じゃなくて、個人が今買うというところが2025年末までの価格を押し上げる要因になるのかな、今の意見だとそうですね。
ーー確かビットコインでも同じことありましたね。ETFの承認があったのは今年の1月だったと思うんですが、その前の数ヶ月ぐらいかなり強く動いていたんですよね。だからイーサリアムでもそういうことが起き得ると。ETFが来年のどっかに入るとしてもその前に価格が上がるのは始まっているんじゃないか、ということですね。
上野氏 個人投資家の方が力が強いのであればそういう結論になりますね。
ーーこーへいさんはどうですか。ETFの話でもいいですけど、例えば技術的な話というか、イーサリアムだと最近Layer2の手数料を下げるためのアップデートみたいなのがあったり、そこら辺とかも含めて。
みにこーへい氏 キシンさんが最初に言ったやつの反論で言いたいんですけど、ビットコインは最近勢いがあるというのは認めます。
価格の面では劣っているかもしれないんですけど、イーサリアムのデンクンのアップデートを経て、例えばzkのLayer2とかは1手数料0.1円とか0.2円とかモノによっては下がってきていますので。
そういう意味でいわゆる手数料が低いチェーンだから、イーサリアム厳しいよねという意見は、今の技術的なアップデートの中でほとんどなくなってきたと思っています。
そういう意味で1位ビットコイン、2位イーサリアムという流れは、当面変わらないので、シンプルにイーサリアム対ビットコインで考えれば、一番目が上がった後に2番目が上がるというのはあまり変わらない構造なのかなと思っています。
ビットコインが上がれば本当にほかの暗号資産も上がるのか
ーー前回の放送でイーサリアムLayer2が盛り上がっていけば他の大部分のスマートコントラクトチェーンは不必要になるかという質問があったんですが、それに近いような話でイーサリアムのLayer2が強いので他のスマートコントラクトチェーンとの競争には巻き込まれないんじゃないかみたいな、意訳しましたけどそういうような感じですかね。Toxicチーム側、反論があればお願いします。
宮本氏 純粋に教えてほしいことがあるんですがそれでもいいですか。
ビットコインが上がったらその後にイーサリアムが上がるみたいな話があったじゃないですか。
確かに僕もいろんなところで聞いたことがあるんですけど、経験則以上の説明ができる理由が知りたいんですよね。
いろんなとこで言われてることなのかもしれないですけど、僕あんまり詳しくなくて。
ーー事実として過去のトレンドを見るとそれは事実で、ビットコインが上がるとイーサリアムとか他も上がっています。
宮本氏 でも、経験則で判断するのは危ないです、ロジックがないと。
みにこーへい氏 経験則というよりもどっちかというと希少性の観点というか、認知率、利用率の数字の話だなと思っていて、ビットコインを今使っている人たちは10%です、という中で、バブルが起きてクリプトに対する認知率が全体的に上がりました。
ビットコインもそうですけどイーサリアムも基本的に数はそんなに増えないので、利用者が増えれば価格が上がる構造になっているのかなと思います。
それ以外のミームコインとかはどうなのというと不明な点がありますけど、イーサリアムとかビットコインぐらいまでのクラスアセットになったら、ボラティリティは結局認知率だったりとか、利用者が増えれば価格が上がっていきますよねという、そういう話なのかなというふうに思っています。
宮本氏 つまり価格が上がることによって認知度が上がって、それによってさらに価格が上がるみたいな構造があるためなんですか。
みにこーへい氏 ビットコインの価格が上がるイコール何らかのビットコインのイベントが起きていて、利用率や認知率が上がっているというふうに捉えることができると思います。
結果的にクリプト全体の認知率とか利用率が上がると思います。
それは次はこのチェーンじゃないか、という話が出たりとかは、これは経験則というか事実として発生していると思うんです。
それは過去2回起きてるし、3回目も起きるんじゃないかと思っています。
Layer2が盛り上がればイーサリアムの価格は上がるのか
加藤氏 Layer2が盛り上がるから、イーサリアムも結構ユーザー増えたりするんじゃないかみたいな話だったと思うんですけど、Layer2のユーザーの経済活動はどれぐらいイーサリアム自体を利するのかなというところに、若干疑問があって。
例えばLayer2内でステーブルコインとミームコインを取引しました、めっちゃ安い手数料で。
という活動が1個めちゃくちゃ流行ったLayer2があったとして、そこでいっぱい取引があったとしても、意外とイーサリアム自体にとってのメリットや開発力はそんなに大きくないんじゃないかな、と思うところがあります。
ネイティブアセット自体への需要とはまたちょっと違う話なのかなという反論です。
ーーイーサリアムのLayer2が盛り上がったからといって必ずしもイーサリアムの価格は上がるわけではないということですね。
上野氏 これについてはイーサリアムの価格は理論的には上がるんですよ。
何でかと言うと、イーサリアムに限らないけど、51%攻撃があるので、イーサリアム上で取り扱われる資産の価値が増えていけばいくほど、51%攻撃分の価値も上がっていくんですよね。
だからLayer2はイーサリアムをベースとした取引もしくはデータ保持の仕組みですけど、その価値が上がっていけばいくほど、51%分の攻撃時の価値が上がっていくので、理論的には上がります。
理論通りになってるかどうかはまた別ですよ。
加藤氏 プルーフ・オブ・ステークだからということですか。
上野氏 そうです。価値総量なので。
みにこーへい氏 実際デンクンアップデートで書き込みのガス量とか減ったんで、L2がめちゃめちゃ盛んになったとして、需要変わらなくね、というのはそれはそうかなという気もしなくもないんですけど。
利用者が増えれば、基本的にエコシステムの参加者も増えて、さっき言った通り認知率とか利用率も増えてくるので、全体としてネガティブな影響はあんまりないかな、少なくともプラスにはなっているんじゃないかなというふうに思いますね。
元々の論点は他のチェーンに負けるんだっけという話だったんで、それでいくと手数料の観点ではもう負けませんというところが、一歩大きな進歩なのかなと思います。
イーサリアムのL2がビットコインのL2より盛り上がるのか
ーー最後にコメントとか補足があればお願いします。
宮本氏 今回の議論の趣旨から考えるとイーサリアムのLayer2の盛り上がりがビットコインのLayer2の盛り上がりを上回らなければならないと思うんですよね、最後の観点から言うと。
ただ、そこを議論すると時間がなくなりそうなので、ビットコインのLayer2は本当のLayer2ですよ。ライトニングとかのことです。
それを議論してると時間がなさそうなので、それだけ言って終わりにします。
ーーイーサリアムLayer2が盛り上がってそれがイーサリアムの価格に好影響を与える可能性があるという話が出たけど、ビットコインのLayer2の盛り上がりもあるから、必ずしもイーサリアムがビットコインを上回るとは限らないという意見ですね。
上野氏 それも2025年末までにその効果がどこまで発揮できるかという議論ではあるので。
僕もビットコインのLayer2の効果を認めているというか、非常に価値が高いと思っています。
2025年末という話になると、果たしてイーサリアムのLayer2が既に結構いろいろ研究されて実績とかも出ている中での話と比べると、ちょっと弱いかもしれないなとは思います。
ーーここまでにしようと思います。両サイドの意見が結構出て良かったんじゃないかなと個人的には思います。では今見ている人たちで、ディベートに勝ったのがどっちのチームか教えてください。辰巳さんコメントお願いします。
辰巳氏 難しいですね、1回目と毛色が違いすぎて。前回は感情論的な部分がありましたが、それに比べてすごく大人な議論で、どちらが良い悪いという話では一切ないです。
価値総量が増えればイーサリアムの価格は上がる
ーーヨーロピアンさんコメントお願いします。
ヨーロピアン氏 確かに大人な議論でよかったですね。
最後の質問で出てた、イーサリアム上に乗っかってくるアセットの価値の総量が増えることによって、PoSのコンセンサスアルゴリズムの問題で価値が上がってくるというロジックがちょっとわからなかったんですけど、僕が不勉強で追加で教えていただけたらありがたいです。
上野氏 これは理論的な話ではあるんですけど、数あるLayer2とかが出てきたときに結局価値のセキュリティ部分も結構イーサリアムに頼っているので。
結構イーサリアムのセキュリティに頼る部分をより効率よくするために、アイゲンレイヤーという考え方も出てきているんですけど、結局セキュリティのベースとなる部分をイーサリアムに頼っていたりするので、イーサリアムの価値に頼るとしたらステーキングしてくださいねみたいな、そういうような仕組みがどんどん出てくると思うんですよね。
その仕組みによって結果的にイーサリアムの価値が押し出されるような形になると思います。
理論的に51%分だからどれぐらいの価格になるんだろうなとか、そういう感じではないと思うんすけど、結果的にイーサリアムのセキュリティを利用するような仕組みが多々出てくるので、結果そうなるという感じですね。
ヨーロピアン氏 リステーキングの話ですよね。
上野氏 リステーキングに限らずリステーキングは一つのあり方という感じですね。
ヨーロピアン氏 なるほど。L1のチェーン上に、例えばステーブルコインとかがいっぱい発行されているじゃないですか。
定義がこれで正しいのかって確認なんですけど、ステーブルコインの発行残高が増加することによって、例えばUSDTがイーサリアムのオンチェーン上でいっぱい発行されていると、その価値が発行残高が増えていくことによって、どんどん増えていくじゃないですか。
それで、イーサリアムのチェーンとしての価値が高まるという認識でいいんですかね。
それを裏付けるロジックが、PoSを効率化するため、攻撃によって手に入る価値が上がるからということですかね。
攻撃者はイーサリアムを買い占めないといけないからということですよね。
みにこーへい氏 理論的にはそうなんですよ、理論的にはいわゆる攻撃価値というので決まってくると思うんですけど、ただ実際にはそう単純ではないと思うんですよね。
単純ではないんですけど、理論的にイーサリアムの価値がセキュリティに繋がってくるというような考え方なので、アイゲンレイヤーみたいな仕組み、よりイーサリアムをステーキングすることで価値を担保するみたいな仕組みというのが、今アイゲンレイヤーが流行っておりますけど、そういう仕組みが次々と出てくるので結果的にイーサリアムの価格に反映されていくものだというふうに考えています。
ヨーロピアン氏 つまり攻撃価値の話はあるけれど、それだけではなくてイーサリアム上に乗っている価値がいっぱいあることによって、リステーキングを含めたL2、あるいはその他のエコシステム等の開発が進むから、イーサリアムの価値が上がるという話が平行している感じですかね。
みにこーへい氏 そうです。結果的に平行する感じになると思いますね。
びっとぶりっと氏 ヨーロピアンさんのTwitterじゃないんですけど、世の中には長期投資とかを宗教のように崇めてる人がいるわけです。
長期投資だったら絶対儲かるみたいな、僕は今のナスダックとか高すぎだろうと思っていて、金利とかとの兼ね合いも考えて、ナスダックをCFDでめちゃくちゃショートしてるんですよ。
めちゃくちゃ担がれて含み損がたまっているんですよ。
何が言いたいかというと、要はそんな感じで値段が決まるような中で、皆さんがいかにもすごいインテリジェンスな議論を繰り広げてるわけですよ。
世の中の実際とその議論の対比がすごい面白いなと思ったわけですよ。
それだけです。
ーー一旦ここまでにしようと思います。一番回答が多かったドローにします。どっちの主張も通っている部分があったと思うので、見ている方も白黒つけにくい感じだったのかなという印象です。
上野氏 本質的にはロジックそのものというよりも、みんなの心の中ではビットコインもイーサリアムも2025年末までだったら、甲乙つけがたい感じになるんじゃない、と思っているんでしょうね。
────────────────────
この記事を読んだ方はこちらの記事もおすすめです