「短い時間軸で元手なく1億円を目指すなら投資よりも入金力を増やす方が現実的で確実性がある」Cygnos・三原 弘之氏

bitbank COOを経てCygnos Capitalを運営する三原 弘之氏に、氏が27歳に戻ってゼロから資産1億円を目指すとして、どのように目指すのかについて伺いました。

三原 弘之氏 プロフィール

早稲田大学を卒業後、楽天株式会社にエンジニアとして入社し、楽天市場の開発業務に従事。2014年、ビットバンク株式会社へ社員第一号として参画し、執行役員COOとして国内最大級の仮想通貨取引所へ成長させる。現在は海外クリプトヘッジファンドの戦略へ分散投資する日本初のファンド、Cygnos Crypto Fund を運営。Twitter:https://twitter.com/h3hara Cygnos:https://cygnos.capital/ https://overseas.cygnos.capital/

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取材実施日

2023年8月9日

少ない種銭・高リスクで1億円を目指すのではなく、まずは入金力を高め、種銭を増やすことを目指す

ーー27歳独身、資産ゼロの状態で資産1億円を目指す場合、三原さんならどのような手段をとりますか。

まず、1億円をどのくらいの期間で目指すかによって回答が異なります。

仮に20年を目安にするならば、1年ごとに5百万円貯蓄すればいいわけです。

それが大変だから皆困ってるわけですが、例えば年収1,000万円程度の職に就けば、税金などを差し引いても、節約すれば不可能ではありません。

もちろん、結婚や出産などのライフイベントがあるため、スムーズに計画が進行するとは限らないでしょう。

年収1,000万円の職にだれもが就けるわけでもありません。

しかしそれほど非現実的な数字ではないことも確かです。

ーー最初から投資に向かわず、まずは入金力を高めるということですね。

結局、多くの人が大きなリターンを求めて博打に手を出して失敗してしまうんですね。

それはなぜかというと元となる入金力が弱く、種銭が小さいからです。

種銭が3,000万円あれば税金を考慮しても5倍で約1億円になりますが、種銭が100万円では100倍以上を目指す必要があります。

だから、最初は事業やサラリーマンとしてしっかりと入金力を増やすほうがいい、というのが私の意見です。

月18万円を12ヶ月積み立てても年間216万円、このペースでは50年近くかかってしま

ーー理解しました。では年収が1,000万円と仮定し、その余剰のお金をどのように投資していきますか。

年収が1,000万円の場合、手取りはおおよそ700万円となり、毎月の手取りは約60万円となるでしょう。

参考:年収1,000万円稼ぐ人の割合は?職業や手取り、生活レベルを解説|三菱UFJニコス

60万円の3割、つまり18万円を投資に充てることを考えると、ビットコインや自身が興味を持つ株、またはレバレッジをかけて都心の中古マンションを購入するなど、資産を分散して投資するのが適切だと考えています。

ーーしかし月18万円を12ヶ月積み立てても216万円です。このペースでは50年近くかかってしまいます。

おっしゃるとおりです。

そのため、先ほど説明した中でも、特に高いリターンが期待できると自分が信じる投資先を選び、積極的に資産を増やす必要があるでしょう。

しかしそのように考えると、投資するよりも起業する方が資産形成は早いと感じますね。

年収が高い業界や会社への転職や副業を通して年収3,000万円を増やす

ーーどういうことでしょうか。

言ってしまえば、年収を3,000万円に引き上げればいいわけです。

もちろん、素養や相性もあるので27歳で誰もが起業できたり、高収入を得られるわけではないとは思います。

ですが、ブロガーやアフィリエイト、コンサルタントとしての副業で付加価値をつけて収入を増やすことも可能です。

自分の得意分野を活かして年収を上げるプロセスは、同時に副業で収入をアップさせる可能性をも広げます。

数字だけを見ると、1億円を達成するならシンプルに年収を増やす方針がよさそうだと感じます。

ーー高い年収を目指すことで年収が上がるだけでなく、年収を上げるプロセスで個人の市場価値やスキルも向上し、副業で稼ぐ機会も増え二重のメリットがある、ということですね。

その通りです。

ただ、注意すべき点として、インターネット上でよく目にする「簡単に稼げる副業」といった広告に誘われて、それがメインの活動となってしまうのは避けるべきです。

そういったものは単に時間の切り売りであることが多く、私はおすすめしません。

そうではなく、自分の仕事が認められるようなスキルを身につけることを目指すべきです。

例えば、特定の業界でトップクラスのエリートとなったとしても、その業界の平均年収が低ければ高い年収は期待できません。

一方で、金融業界や外資系企業などはベースとなる平均年収が高く、トップ層に入らずとも比較的高い年収が期待できます。

もし本当に1億円の資産形成だけを考えるのであれば、盲目的に業界や会社の年収だけ見て判断するのもありでしょう。

英語のスキルを磨く、金融業界などへの転職を検討する、などが有効だと思います。

ただ単に「頑張る」のではなく、私ならこういった方法を選ぶと思います。

ーー2023年現在で仮に三原さんが27歳だとして、資産1億円を形成するために転職する業界を選ぶとしたらどこに目を向けますか。

資産1億円だけを目指すのであれば、深く考えずにシンプルに年収が高いとこに行けばいいでしょう。

単純に平均年収が高い業界や企業をリストアップし、そこを目指すのが最も効率的です。

コンサル業界は人が増えすぎていると言われていますが、ニーズがあるから実際多いわけで、まだチャンスはあるのではないでしょうか。

私はコンサル業界に詳しいわけではありませんので、あくまで印象の話ですが。

起業は簡単ではないが一般的に想像されるほどの高いハードルはない

ーー三原さんがいま27歳だとして、また起業されますか。

いまは起業後の知識を持ってしまっているので、また起業する、が回答になります。

人によってはいきなり起業するのは不安があると思いますが、同じ年収1,000万円以上なら経費が使える分、起業した方が経済的なメリットは大きいです。

ーー起業する前と後で起業に対する認識にギャップはありましたか。

どうでしょう。

「起業は簡単だ」と言うつもりはありません。多くの困難に直面することもあります。

そのうえでですが、一般的に想像されるほどの高いハードルはないと感じています。

取り組む事業や個々人の能力によるとは思いますが、多くの人が想像しているほど難しくはないと思います。

もちろん、だからといって簡単であるとも言いません。

当たり前のことを当たり前にやる、堅い事業で儲けるという選択肢もある

ーー現在の知識と経験を持ち、27歳に戻ってCygnos以外で再度起業する場合、どの分野を選びますか。

二つの考えがあります。

まず一つ目は、特定の領域を起点として資金調達を考える方法です。

例えば、私はAIには一般の人が持っている以上の興味はありませんが、資金調達の観点から見れば、この領域は魅力的だと言えるでしょう。

二つ目は、そもそも起業時に必ずしも資金調達する必要はないかもしれない、ということです。

つまり事業領域について必ずしもその時ホットな成長領域で探さずとも、普通に当たり前のことを当たり前にやることで堅く儲けるという選択肢もあるということです。

アフィリエイトや営業代行、人材紹介などがそうです。

その方が安定した成果を上げやすいという印象があります。

ーーなぜそのような考えに至ったのですか。

資金調達は外部から見ればかっこいいですし、「スタートアップらしさ」があり、魅力的に映るかもしれません。

しかし、当然ハイリスクハイリターンなわけです。

手もとにお金がない状態で資金調達するわけですから。

そのため、起業した後にその業界自体が衰退したり、商品を作っては見たものの市場のニーズがなかったということになると、調達した資金を使い切ったのに価値がゼロ、という危険性もあります。

それでも資金調達したからにはやりきらなければならず、精神的にも辛い部分があります。

それに今回のテーマは「1億円を稼ぐ」なので、そういう意味でも資金調達の必要性は感じません。

「100億円を目指す」なら話は変わってきますが、目標が1億円なら投資をしなくてもいわゆる「スモールビジネス」に取り組むだけでも上手くいけば達成できるでしょう。

ーー近年、そのようなスモールビジネスの推奨をよく見かけます。

その通りです。

若い世代が起業するテーマが限られてきているからですね。

その流れは自然なものだと考えています。

ビットコインに価値を感じ期待する一方で、1億円を築くためならほかの資産へも分散を図る

ーー話を戻します。三原さんが2023年に27歳で転職などで年収3,000万円になったとして、その余剰資金をいまならどこに投資しますか。

本音を言うと、ビットコインに投資したいところですが、難しいですね。

投資スパンがどれくらいかにもよって、判断は異なるでしょう。

ーー三原さんならどれくらいのスパンで目指しますか。

さきほど話したとおり、私ならば投資よりも、より安定した事業を起こし、その会社の営業利益で数億円の達成を目指すでしょう。

ーーつまり、1億円なら投資ではなく事業のほうが確実であるというわけですね。

そうです。なおかつ、事業と投資を同時に進めるのは難しいです。

社長として投資などに脇目も振らず、その事業に全力で注力する方が成果が出やすいでしょう。

また、サラリーマンや副業を通じての収益増加を考える場面についてですが、周りを見ていると多くの人々が不動産投資を選んでいます。

日本だと、税制のメリットもありますし、銀行からの借り入れを通じてレバレッジを活用することもできますので。

もちろん、不動産市場が下落すればその分、影響を大きく受けます。

ーー不動産の話が出ましたが、単純に「ビットコインに投資する」という選択にならないのはなぜでしょうか。

確かに、私はビットコインに価値を感じていますし、将来性に期待しています。

しかし、1億円の資産形成が目的であることを考えると、ビットコインだけへの投資はリスクが高いと考えています。

ビットコインの価格上昇のタイミングなどを予測するのは難しいためです。

そのため、ビットコインに価値を感じ期待する一方で、1億円を築くためならほかの資産へも分散を図るでしょう。

短い時間軸で元手なく1億円を目指すなら、投資よりも入金力を増やす方が現実的で確実性がある

ーーなるほど、理解しました。

例えば300万円分のビットコインを購入した場合、それを1億円にするためには33倍のリターンが必要ですが、簡単ではないでしょう。

ビットコインに限らず、これは株でも同じです。

投資で大きく資産を増やすのは容易ではありません。

確実に少しずつ増やすことには投資は向いていると思いますが、10倍100倍のリターンというのは、よほどのエッジがない限りは大きなリスクをとる必要があります。

特に、時間軸を短くしたいのであれば尚更です。

当然ながら、5年で10倍と、30年での10倍では、難易度やとらなければならないリスクは同じではありません。

元々の問いからは外れてしまいますが、結局は、投資よりも入金力を増やす方法を考えるのが現実的で確実性があると感じています。

投資で0から1億円を稼ぐというのは非常に難しいです。

特に入金力が毎月10万円程度などの場合はそうです。

草コインに投資するというのも夢はありますが、普通に考えると0になる可能性の方が高いです。

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