「ビットコインETFは否認されても長期ではポジティブ材料」「虹彩は指紋よりも信頼性が高い情報、日本人は自分の指紋を7,500円で差し出すのか」Cygnos・三原 弘之氏

bitbank COOを経てCygnos Capitalを運営する三原 弘之氏に、ビットコインのETFとWorldcoinについてどのように見ているのか伺いました。

三原 弘之氏 プロフィール

早稲田大学を卒業後、楽天株式会社にエンジニアとして入社し、楽天市場の開発業務に従事。2014年、ビットバンク株式会社へ社員第一号として参画し、執行役員COOとして国内最大級の仮想通貨取引所へ成長させる。現在は海外クリプトヘッジファンドの戦略へ分散投資する日本初のファンド、Cygnos Crypto Fund を運営。Twitter:https://twitter.com/h3hara Cygnos:https://cygnos.capital/ https://overseas.cygnos.capital/

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取材実施日

2023年8月9日

ビットコインETFの承認可能性は不明、否認されてもポジティブ材料ではある

ーービットコインのETFに関してはどのように考えていますか。

正直なところ具体的な最新情報は持っておらず、実現可能性がどれぐらいあるのかわかっていません。

持っている情報も特別なものはなく、おそらくこの記事の読者と差がないでしょう。

市場の中でさまざまな意見や情報が飛び交っていますが、ポジショントークも多い気がしていて、その中でどれが真実であるのかは不明です。

申請している側は承認された方が得なので、承認される可能性が高いと言うでしょう。

ただ、仮に今回承認されなかったとしても、またビットコインのETF神話が継続することになり、それはそれでいいのかなと考えています。

またどこかで上がる可能性が出てくるわけなので。

逆に承認されたら値段がどうなるのかというと、下がると言っている人も一部にはいるんですよね。

▼金のUSDのチャート。ETF承認直後は上昇しているが、2004年12月から2005年5月までは価格を下げている。

ーーETF承認については上がる可能性についての言及が多いので、貴重な意見だと思います。

ただ、万が一、ETF承認後に価格が下がったとしても、ビットコインのETFが承認されることによってブラックロックのような大手金融機関がビットコインを購入することになり、業界全体で資金が流入し、ポジティブな影響をもたらすでしょう。

日本のマーケットにとってはネガティブであると見ている人もいますが、金融庁がすぐにビットコインのETFの取り扱いを認めることはないと考えており、そうなると買うことができないので影響はないと考えています。

また、海外でETFとして承認されることで日本人の印象もポジティブに傾く中でETFが日本の証券会社では取り扱われないため、日本ではビットコインの現物が買われることに繋がると考えられます。

虹彩データは海外では入国手続きやATMでも利用される機密性の高い情報である

ーーWorldcoinについてどのように見ているかを教えてください。登録はされましたか。

私は登録していません。

プライバシーの問題から、少しのお金をもらった程度では登録する気になれません。

虹彩データについてはそれほど詳しくありませんが、シンガポールやマレーシアの入国手続きで使用されていることは知っています。

アメリカでもサービスによっては利用されていると聞きます。

実際、一部の国ではATMなどでも虹彩データが活用されており、ある程度機密性の高い情報であると考えています。

参考:生体認証による入国審査システムの試験運用開始(シンガポール)|ジェトロ

彼らがデータを保管しないと主張しているものの、真実かどうかは不明です。

彼らだから信用しないというわけではなく、そういった主張をする人全般を信用していません。

絶対に登録しないと死ぬという極端な状況なら仕方なく登録しますが、そうでない限りはあまり関与したくありません。

そして、そもそもWorldcoinが具体的に何に使えるのかよくわかっていません。

サム・アルトマンが関与しているからという理由だけで登録、投資している人もいるようですが、彼の名前がなければ関心を持たない人も多いと考えています。

ーー一部ではFTXのサムに類似しているとも言われています。

名前が似て想起しやすいからであり、さすがにそこまでではないと私は見ています。

しかし、仮に全く異なるものであっても、取り組み自体は絵に描いた餅であり、現状で信用する必要があるとは考えていません。

みんな考えることは一緒だと思いますが、おそらくするなら自分でやるより、発展途上国などで安い値段で集めて売った方が儲かると考えています。

しかし、その方法は非常に非人道的だと感じられますよね。

この発言、わざと言ったんですけど、違和感は多分そこなんですよ。

要は、アフリカの貧しい国に行って1人50円の報酬で並んでもらって、虹彩データを100人分、1000人分ぐらい集めて、中抜きしたらめちゃくちゃ悪いやつだなと感じませんか。

多分、そこが違和感の一つなのではないかと考えています。

私はそのようなことをするつもりはありませんが、実際にそうしている人もいると考えています。

虹彩データは指紋よりも信頼性が高い、日本人は自分の指紋を7,500円で差し出すのか

ーー日本では虹彩データを利用する機会が少ないためか、多くの人がデータの重要性を認識せずリワード目的で登録している印象があります。

虹彩登録によってWorldcoinから付与されるイニシャルのリワードは7,500円相当とのことですが、自分の指紋を7,500円で差し出しますか、という話だと思うんです。

指紋でも日本人は登録するのでしょうか。

ーー指紋だと日本人は抵抗を持ちそうです。

私も同じ印象です。

ただ、原理的には指紋と虹彩データはあまり変わらないと考えています。

事実、虹彩認証は100万分の1の誤差率を持つなど、指紋認証や顔認証よりも高い精度を誇ります。

そのため、虹彩データは指紋よりも信頼性が高いと言えます。

参考:『虹彩認証』時代、始まる! 意外と知らない虹彩認証のスゴさとは?|KDDI トビラ

そういったセンシティブなデータを7,500円のリワードで登録している行為を改めて考えた方がいいです。

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今回取材にご協力いただいた、Cygnos・三原氏が提供するクリプト移住・海外法人設立サービスはこちら

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