「風が吹けば桶屋が儲かる」のように、ある程度パターン化された事象は存在する。そのようなパターンをいくつか知っておくことで、効率よく資産を増やすことができるかもしれない。
今回のテーマは「防衛関連銘柄」だ。2022年2月に端を発したロシアのウクライナ侵攻や、8月の中国による台湾近海でのミサイル演習。そして、度々日本近海にミサイルを落としてくる北朝鮮。近隣国に有事があったときに、上がるのはどんな銘柄だろうか。
防衛関連銘柄の上昇タイミングはわかりやすい
今回ご紹介する防衛関連銘柄は、軍事兵器などを開発する企業だ。これらの銘柄が上がるタイミングは非常にわかりやすい。
例えば、ロシアのウクライナ侵攻においては、「ジャベリン」や「スティンガー」などの携帯式防空ミサイルがウクライナ軍の水際作戦のかなめとなった。今回初めてその存在を知った人も多いだろう。
ジャベリンの生産を行うのは、アメリカの防衛・航空宇宙関連機器メーカーであるレイセオン・テクノロジーズ(銘柄コード:RTX)とロッキード・マーチン(LMT)の合弁会社であるJAVELIN社である。スティンガーもまたアメリカの軍事用重機メーカー・ゼネラル・ダイナミクス(GD)によって開発・生産されている。
これら3銘柄ともウクライナ戦役が拡大した2022年2月末頃から大きく株価を伸ばした。
ジャベリン、スティンガー共に生産工場は今やフル稼働中だという。2022年8月にはレイセオン・テクノロジーズの事業部門の一つであるレイセオン・ミサイルズ&ディフェンスがAMRAAMミサイルのアップグレードバージョンを米国空軍・米国海軍、その他米国同盟国に提供する契約を9億7200万ドルで受注するなど、事業は好調のようだ。
関連ニュース:レイセオン・ミサイルズ&ディフェンス、米空軍よりアップグレードされたAMRAAMを提供する契約を9億7200万ドルで受注
日本における防衛関連銘柄の動きも、ウクライナと無関係ではない。これからご紹介する防衛関連銘柄は、いずれも2022年2月のウクライナ危機においては一時的とはいえ大幅な株価上昇を見せている。戦争など国際的な有事を金儲けのきっかけにするのは不謹慎ではあるが、なんといっても大ニュースであるし、資金が流れ込みやすい。「国際的な有事」に対して防衛関連銘柄は大きく、かつ敏感に反応しやすいのだ。
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日本の防衛関連株は今が仕込み時か
ウクライナ情勢は泥沼の様相を見せていることから、新局面を迎えるまでは日本の防衛銘柄が大きく反応することはなさそうだ。となると、やはり押さえておくべきはアジアの有事だろう。幸運にも大多数の国民が戦争とは無関係の暮らしをしている我が国だが、近年周辺国の動きは少々きな臭い。
例えば、北朝鮮は1993年から断続的に弾道ミサイル発射実験を行っており、近年その頻度は増している(宇宙開発のための人口衛生の発射であると主張しているものもあるが、国際的には軍事的行動だと見なされている)。
定番の石川製作所(6208)と細谷火工(4274)
「北朝鮮 ミサイル」と来れば、本能的に買いにいく投資家の諸兄姉も多いかもしれない。
防衛機器メーカーである石川製作所(6208)と細谷火工(4274)だ。両銘柄は北朝鮮が日本海に向けてミサイルを打つと株価が上がることで有名だ。石川製作所と細谷火工が有事の際に真っ先に物色されるのは定番、もはやお約束ごとになっており、防衛関連銘柄のシンボルといって良いだろう。
三菱重工業(7011)
戦闘機、潜水艦、戦車の製造を行うのが三菱重工業(7011)だ。軍事関連事業以外にも上昇材料があるため、2021年末と比較して2倍以上の株価になっている。中国と台湾の対立による防衛費の増大など、好材料はしばらく続くとみられる。
豊和工業(6203)
豊和工業(6203)は、工作機械や電子機械のメーカーだが、防衛省・自衛隊向けに火器や装備品も製造している。同社が製造するライフル銃(豊和M1500)がウクライナ軍に導入されたことでも注目を浴びた。
防衛関連の出遅れ銘柄をチェックしておこう
ここまで紹介した銘柄は、チャートをみても分かるとおり、有事に対しての株価の反応が早い。ただし、「いつもの」北朝鮮のミサイル程度では急落も早いだろう。そこで、国際的な有事を見越した本気の仕込み株を紹介したい。
帝国繊維(3302)
帝国繊維(3302)は、消防用防火服や放射能防護服の他に、テロ対策として生物化学兵器検知器や特殊車両も手掛けている。また、子会社のテイセン産業は防衛省向けの大型天幕やトラックの幌(ほろ)を製造しており、有事の際は大いに力を発揮する企業だ。
2022年のチャートを見る限り、その事業内容にも関わらず、ウクライナにも北朝鮮にもあまり顕著に反応していない。ただし、戦争の脅威はミサイルだけでなく、サリンなどの生物兵器や毒ガスにも及ぶ。出遅れ感のある重要銘柄としてチェックしておくと良いだろう。
旭精機工業(6111)
旭精機工業(6111)は、防衛省向けに小口径銃弾を製造する国内唯一のメーカーだ。
防衛関連銘柄の中でも企業規模が小さめで、株価上昇のポテンシャルがあるといえる。名証2部銘柄のため、短期売買の際はアップダウンの激しさに注意しよう。
興研(7963)
2022年4月、ウクライナ政府からの要請を踏まえ、日本は防護マスクと防護服、ドローンを提供することを発表した。これら殺傷能力のない装備品は「武器輸出三原則」の例外であるという位置付けである。
興研(7963)は防塵・防毒マスクの製造事業に強みを持つ。自衛隊の正式装備として調達されていることから、今回ウクライナに送られたマスクにも興研製のものが含まれると考えられる。コロナ禍のマスク需要で高騰した後、長らく低迷が続いていたが、防衛関連銘柄の一角としても注目しておくべきかもしれない。
関連ニュース:自衛隊保有の防護マスクやドローン ウクライナに提供へ 防衛相
「防衛」という単純明快なキーワードを活用しよう
株式投資における、いわゆる「投資格言」は数多く存在するが、さまざまな要素が交錯する株価の行方を予言することは困難だ。しかし、過去に起こった事象や類似の状況を分析することで、予言的中の「勝率」を上げることはできる。特に防衛関連銘柄は、「〇〇だから△△になった」の方程式が立てやすく、わかりやすいトレードができると考えてよさそうだ。
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