「米国の利上げが落ち着けばDeFiの運用はまた魅力的な手段になる」ニュース振り返りと今後のDeFi相場 2/2

前提

この記事は、Burry Market ResearchのYouTube配信を書き起こし・要約した記事です。(書き起こしの元となった配信は近日YouTubeに公開予定)

ホスト

内田 誠也。2017年から暗号資産の取引を開始。マクロの金融情勢や暗号資産市場の大勢を見て取引をするのが得意。数社でのIT企業勤務を経て、投資・トレードメディアのBurry Market Research を運営。好きな書籍は『マーケットの魔術師』。

出演者

日向理彦氏
東京大学理学部物理学科、同大大学院総合文化研究科修士課程修了 (物理学)。2013年末頃からビットコインの技術に興味を持ち始め、暗号資産 (仮想通貨) に関連したウェブサービスを多数開発。過去にはハードウェアウォレットの輸入販売も手掛けた。多額の個人資産をDeFiで運用しており、経済的自立 (部分的なFIRE) を達成している。Mt.Gox債権者。Twitterアカウントは https://twitter.com/visvirial

島倉徹氏
早稲田大学基幹理工学部数学科、同大大学院基幹理工学研究科数学応用数理専攻修士課程修了 (数学)。中学・高校の教員免許 (数学、専修) を持つ。合同会社代表。DeFIREの最高責任者。日本最大級の英語辞書サイトでの経験を活かし、マーケット分析とエンジニアリングの両刀遣いとして活躍中。ほぼ全資産をGameFi系のアルトコインに突っ込みガチホ中。セルフGox経験者。難しいことを誰にでも分かるように噛み砕くのが得意。 Twitterアカウントは https://twitter.com/malaychan_1_

ハッキングが多発、DeFiは技術的な成熟を待つ時期

内田 誠也 次は注目ニュース4をお願いします。

日向理彦氏 注目ニュース4はDeFiプラットフォームのハッキングですね。昔からたくさんあるんですけど今年は何十億円、何百億円とか、巨額のハッキング事件が多かったですね。

DeFiが出てきたのは2018年でまだ4年しか経ってないので、コントラクトにバグがあったりとか、管理キーと言ってDeFiを管理するための鍵が盗られちゃったりとかいろんな原因があるんですけど、そういう攻撃をされてハッキングされてしまうという事件がたくさんあった。

本当に多いときは毎日のようにハッキングがある日もあって、すごいハッキングされてました。

やっぱりもう少し技術的に成熟してこないと、ハッキングが少なくなってくるっていうのはなかなか難しいのかなというふうには思ったりはします。

内田 誠也 去年、一昨年とかと比較してもハッキングが多かったなっていう印象ですか。

日向 理彦氏 去年とか一昨年もたくさんありましたけど、今年は金額が大きいのと、件数も多かった気はしますね。ちゃんと正確にカウントできてないですけど。

去年の末ぐらいが預かり残高がピークになって、今年は相場の低迷で減ってはきてるんですけども、預かり残高がでかい分、ハッキングされると取られるお金も大きくなるのでその分金額が多かった。

あとこれは微妙な話ですけど、相場が低迷してて普通に資産運用してても儲からないのでハッキングして金を稼ごうと思ってしまう人が多い多く出たんじゃないかなと勝手に思ってます。

普通に運用しても最近だと年利が3%とか5%ぐらいしかもらえなかったりするので。去年は20%とかもらえるのが普通だった。

そうなってくるとハッキングして儲けてやろうかみたいな人が増えたんじゃないかなっていうのを勝手に想像してます。

内田 誠也 こういう種類のハッキングが多かったとかってあったりするんですか。

日向理彦氏 いろいろありますね。秘密鍵を取られてしまうっていうのが1番よくあるというか単純な例ですね。あとは不正操作であったりとか。本当にいろんなパターンがあると思います。

DeFIREではハッキングのニュースも取り上げてますので、そこで個別のニュースを見てもらえるとこういうことでハッキングされることあるんだなっていうのがよくわかると思うのでぜひ読んでもらって理解を含め深めてもらえると嬉しいなと思います。

DeFIREがマイナビニュースに取り上げられる

内田 誠也 では注目ニュース5をお願いします。

日向 理彦氏 これはDeFiの話題じゃなくて自分たちのニュースなんですけどDeFIREがマイナビニュースさんに取材を受けて記事になったというのが我々的には結構大きいニュースでした。取り上げていただいてすごい嬉しかったですね。

参照:中立公平かつ高度なDeFi情報を取得するならDeFIREで(前編)

結構初期の頃に取材していただいたんですけれども、その時はライターさんが全然いなくて、多分僕1人で全部書いてた。

いまはアクティブなライターさんが2人3人ぐらいいるので、取材していただいたときよりもかなりコンテンツ増えてると思うので、ぜひ見てみてください。

DeFiでFIREを目指すオンラインサロン DeFIRE

株式や債券と並んでDeFiの利用が普及する未来

内田 誠也 全体のまとめをお願いします。

日向 理彦氏 既存金融の資産運用としては株式、債券、国債とかあると思うんですけど、次世代の投資手法としてDeFiというのが今後広まっていくと思っているんですね。

それにはまだ多分5年10年かかると思うんですけど、きっとDeFiを使って資産運用をしようっていうのが当たり前になる世界が来ると思っていて。

我々はそういう時代が来たときのために備えておこうということでいまのうちから情報提供するサロンをやっています。

なんですけど、やっぱりDeFiはまだ法整備が全然できてなくて。

ハイリスクな投資商品もたくさんあったりとか、運営が全然しっかりしてなくて資金を持ち逃げされるとか、リスクの高いものもたくさんあって有象無象なんですよね。

一部の人からDeFiは魔界だっていうふうに言われていて。

安全なところもあるんですけど本当に新しく出てきた新興のDeFiとか本当にやばいところも結構ある。そういう中で、ちゃんとリスクとリターンを理解して、正しく安全に投資できる、そういう環境を作っていきたいと思っています。

いろいろ情報提供させていただくことでDeFiについて皆さんにしっかり理解してもらって、リスクとリターンを理解した上で投資できる、そういう環境を作っていきたいですね。

DeFiは金融・技術・情報科学を知らなければ理解が難しい

内田 誠也 DeFiはゼロベースで調べようとすると難しかったり、逆に一般向けのクリプトメディアだと深いところが書いてなかったりするので自分で調べるのは難しいですよね。

日向 理彦氏 そうですね。

DeFiを調べて理解するためには、金融も知らないといけないし、技術も知らないといけないし、情報科学も知らないといけない。

普通の投資家は技術知らないですし、技術者は投資のことがわからない。

そのあたり両方知ってる人じゃないとこの世界は入ってこれないっていうところがあって、そこの障壁を取り払いたいなと思ってるんですよね。

それでDeFIREというサービスをやらせていただいて、頑張って初心者の方でもわかるように記事書いてるつもりなんですけど、なかなか難しいって言われちゃうことも多くてそこは苦労しています。

DeFiプラットフォームの使い方みたいな動画コンテンツも既にあるんですけど、一般の方が見ても面白いと思えて、DeFiに対して興味を持ってDeFiに投資してみようって思ってくれる人が増えるような、そういうコンテンツも今後作っていきたいなというふうに思ってます。

島倉 徹氏 インターネットは出てから20年経った今はみんなインターネットのすごさはわかってるわけじゃないですか。

AIもchatGPTみたいな具体的にAIのすごさがわかるようになってきてるじゃないですか。

DeFiはそういうインターネットとかAIとかみたいなわかりやすさってまだないんだけど、あと5年後とかになったらそういうすごいことだったんだとなると思うんですよね。

今の早いうちにDeFiに興味を持ってくださる方というのは、すごいアドバンテージを持っていると私は思ってます。

DeFi運用の利率は下がり、落ち着いてきている

内田 誠也 ありがとうございます。ちなみに今相場が低迷しているので、DeFiも年利が下がったりしてるんですか。

島倉 徹氏 これはDeFIREの有料会員向けに出してる記事ではあるんですが、年利は下がってきてはいるけど落ち着いた感じはありますね。

出典:APY・TVL推移 統計データ – DeFIRE

内田 誠也 いま運用から得られる年利は下がってきてはいるんですけど、DeFi自体は今後数年とか10年20年で見るともっと成長したり広がっていくものなので、今のうちから勉強しておくのもすごい重要っていうことですかね。

日向 理彦氏 そうですね。民主的にお金というものが広がっていってる様子ってすごい面白いなって、そういう渦中にいる。

ハッキングとか怖いこともありますけど、次から次へと新しいことが起きて、一定駄目なものは淘汰されていって、残ったものが力強いものになっていく、そういうのを見つけるのがすごい楽しいですよね。

単純な値上がりで儲かったもあのポスターとかっていうそういう部分もありますけど。

技術的な面とか政治的な面の話で、いろんな会社と競争している様子とかそういうのを見るの楽しいですね。

米国の利上げが落ち着いてくればDeFiの運用はまた魅力的な手段になる

内田 誠也 最後に話しておきたいことなどありますか。

日向 理彦氏 今アメリカが利上げしてて、国債を買うだけで年利4%もらえるという時代になってしまってますけど、これからインフレ率が収まってくると米ドル自体の金利も下がってくると思うんですね。

今後アメリカの金利がどんどん下がって昔の基準に落ち着いていくと、DeFiでの運用も一般の方の選択肢に入ってくるんじゃないかなと思っています。

内田 誠也 さっきEthereumのステーキングの利率とDeFiの利率の比較をしましたけど、そもそも今利上げしてるんでドルの利率とも競合しますもんね。

日向 理彦氏 そうなんですよね。

なのでいまDeFiで運用する魅力が正直ないんですけど、米国の利上げが落ち着いてくればまた魅力的な手段にはなると思ってます。

島倉 徹氏 理解するまでに時間かかるし、やり方を覚えるのも慣れないといけないのですが、相場が悪いうちにやり方だけ覚えておくとか、理解はしておくみたいなのがいいと思うんです。

DeFiの学習はまず少額で運用してみることからはじめる

内田 誠也 DeFiどう調べていくのがいいんですかね。

島倉 徹氏 とにかくまず1万円用意してやってみる、動かしてみるのが一番わかりやすいと思うんですよね。それから個別の記事を見ていただいて、意味がわかってくると応用ができるようなる。

するといろいろ触るようになって、それぞれの特徴の違いがわかってくる。

自転車乗るときってとりあえず乗るじゃないですか。

最初失敗するんだけど、数日とか1週間やってれば乗れるようになるじゃないですか。そういう話だと思うんですよね。

内田 誠也 なるほど。最初から大きい金額を入れるのではなく、1万円とか少額で触りながらわからないとこが出てきたら1個1個解消していくといいんじゃないかってことですね。

島倉 徹氏 そうですね、最初から一攫千金で大儲けしてやろうみたいなことを考えると、すごく危ないと思います。失ってもいいぐらいの金額で実験するところからはじめるのがおすすめですね。

内田 誠也 2022年は価格も下がってますし、いろんな事件もあって厳しい年だったんですけど、来年は盛り上がると思いますか。

日向 理彦氏 正直わかんないですね。ビットコインの価格次第なところもあると思いますし、ビットコインもアメリカの利上げがどこで止まるか次第なところで、結局アメリカしたいかなと思っていて、どうなるかわからないですね。

ただ何だろう、相場が低迷している状態がずっと続くとは思ってないので、いつか上がると思ってます。

そういうときに向けて、今から知識的な準備をしておいて、相場が良くなってきたら自信を持って資産運用できるように知識をつけておくっていうのが重要だと思います。

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書き起こしの前編はこちら。