3年後により重要になるのはビットコインかイーサリアムか 1/2

前提

この記事は、ビットコイナー反省会の動画を書き起こし・要約した記事です。掲載はビットコイナー反省会様に許可をいただいております。書き起こしについて快くご許可をいただきました運営様にこの場を借りて改めてお礼申し上げます。

ビットコイナー反省会とは

ビットコインを中心に、仮想通貨、ブロックチェーン関係の専門的なトピックを黎明期から多分日本では最も深く議論しているチャンネルです。 日本国内の黎明期からビットコイン、ブロックチェーン業界の豪華ゲストを呼びつつ、楽しく、真面目に話しています。

ホスト

Koji Higashi。ビットコインのポテンシャルに魅了され、2014年からフルタイムで関連事業に取り組む。日本のビットコイン業界の草分け的存在の一人。ビットコイン、ブロックチェーン業界においてプロダクトマネジャー、コンテンツクリエイター、マーケターなど多角的に活動しており、国内外で認知されている。Twitterアカウント: https://twitter.com/Coin_and_Peace

参照音声

https://twitter.com/i/spaces/1eaKbrebqNVKX?s=20

イーサリアムの方が開発者が多く、新しいユーティリティを作っていく

東晃慈氏 BCGチームが『3年後により重要になるのはイーサリアム』を主張、ROGAIチームが『3年後により重要になるのはBitcoin』を主張、こちらでディベートしていただきます。ではまず、BCGチームからお願いします。

みにこーへい氏 まず前提として、「3年後」「より重要」の2つの定義がすごい大事だと思っています。

そこで「より重要」については、「より多くの人に新しいユーティリティを提供することができている状態が重要」というふうに捉えたいと思っています。

その場合、イーサリアムのプロジェクトはビットコインに比べて開発者の人数が圧倒的に多い。多分20倍とか40倍。

それと、NFTやブロックチェーンゲームというのは、全部イーサリアムを通じて一般化している。NFTみたいなものはビットコインでもあったんですけど、直近で一般的になったのはイーサリアムを通じてだったのかなと思っています。

そしてもう一つ、今回の設問で一番大事なことは「3年」の部分だと思うんですが、僕もビットコインはすごいものだと思っている。何がすごいかというと、「変わらない」「既に完全である」ということだと思っています。

なので20年後とかだったらビットコインが重要かなと思うんです。

最近のインフレなどを加味しても、直近3年間はイーサリアムの方が開発者が多くて、新しいユーティリティをどんどん作っていって、ビットコインに負けないのかなと思っています。

ビットコインは完成された美しさがあるが、イーサリアムは発展性がある

上野広伸氏 僕もビットコインは完成された美しさがあると間違いなく思うんです。仕様から文化、ビジョンまで含めてめちゃめちゃ完成されている。

一方でイーサリアムは違う魅力がある。成長していく期待感がある。

イーサリアムはいろんなユースケースに使えるという発展性がある。ZK Rollupはさらに使いやすく、かつみんなが使いやすいユースケースに合わせて技術的にもまだまだ発展すると思う。

その発展性こそが非常に魅力だと思っていて、3年というスパンだと、一般の人へのユースケースという意味ではイーサリアムの方に分があるのかなというふうに思っています。

仮にこの3年間の中で、ビットコインの方がやっぱり重要だったねとなることがあるとしたら、第三次世界大戦が起きて、全ての国家もしくは経済が非常に危機的な状況になったとき。

そういうときはビットコインの方が重要になる未来はあり得ると思います。その未来は想像したくないですけど。

東晃慈氏 つまり世界を巻き込む戦争とかそういうレベルの話がない限りは、イーサリアムがこの3年間成長を続けて、3年後により重要なものになっているのではないかと思っている、そういう主張だということですね。

ではROGAIチーム、今の意見も参考にしつつ、ビットコインの方が3年後により重要なプラットフォームである、もしくはより重要なものであると考える理由をお願いします。

これからの3年間は、ビットコインのL2にこれまでのイーサリアムのユースケースが吸収されていく

teatwo氏 聞いてて思ったんですが、ビットコインのことをあまりご存知ない気がしました。もしくはわざとかな、Layer1しか見てない話をされています。ビットコインもLayer2は今すごい盛んなんですよね。

確かにこれまでのユースケースは、イーサリアムで新しい実験が進んできたなと思う。

これまでビットコインであったのはLiquidとかですけど、最近盛り上がっているのはよりL1に対してトラストレス性を高めたTaroやRGB。これらはこれまでのサイドチェーンに比べればずいぶんトラストレス性が強くなるんですよ。

金融商品を使ってる限り、最終的に強いのはネイティブ通貨に対しての強さだと思うんですね。購買力の強さ。通貨としての信頼の強さ。

ユースケースの話がありましたがそれはビットコインも非常に盛んで、機能が同じであれば通貨として強い方が最終的には選ばれるのかなと。

なのでこれからの3年間は、ビットコインのL2にこれまでのイーサリアムのユースケースが吸収されていくんじゃないかなと思っています。

ちょっとこれはずるいかなと思ってますけど、他のL1チェーン、例えばICPのようなものまでビットコインのL2と考えるのも一つの手かなと思っています。

ICPまで含めるとすると、DeFiとか幾らでもチューリング完全のコントラクトアプリケーションができますし、DeFiでもNFTでもなんでも含めて考えちゃえば、そう遠くないタイミングでそういった動きも起こると見込んでますね。

東晃慈氏 まとめると、機能みたいなものはこれから3年間でビットコインにもL2などで入っていく。そうすると通貨、貨幣としての信頼が強いビットコインの方が重要であると。

それに加えてICPだったりにビットコインがどんどん使われて、そうすると、ビットコインの方が重要になってくるんじゃないか、そういう感じですかね。

イーサリアムはビットコインの時価総額を追い越せない

内田善彦氏 teatwoさんがすごいtoxicでいいなと思って聞いておりました。ただ我々老害なんで、老害らしくいきたいなと思ってます。

まず何が重要かというので、一番形式的な重要性を考えるんだったら時価総額なのかなと思います。

今ビットコインの時価総額が324ビリオンぐらい、それに対してイーサリアムは155ビリオンぐらい。

オールタイムハイで見たところでビットコインが1.2テラ、イーサリアムが560ビリオンぐらい。

そうすると、長いところで見ても、今の足元でも見ても、ビットコインはイーサリアムの倍の時価総額。

仮にこれからイーサリアムがさらに成長したとしても、ビットコインより重要と言われるようになるためにはせめてビットコインと同等の規模にならないと、一般的な同意は得られないんじゃないかなと思う。時価総額は今半分しかないので。

これから冬の時代を迎えるのにビットコインの時価総額を追い越すことは簡単じゃなくて、なかなか考えづらいのかなというのがまず1点目です。

イーサリアムにはビットコインにないダウンサイドがある

内田善彦氏 2点目は、イーサリアムにはビットコインにない通貨としてのダウンサイドがあるのかなと思っています。

それは何かというと証券性に関する議論ですね。米国では証券認定される可能性がまだ残ってると思っています。

特にProof-of-stakeに移行してさまざまなディベートがはじまったばかりですし、昨日のニュースだとSECの高官がHoweyテストは暗号資産の証券性を評価することの限界っていうので、Howeyテストの限界みたいなことをインタビューで語っていた。

※編集者注:ブロックチェーン上のトークンは「証券」なのか、最新の米判決にみる日米の違い

さらに言えば、SECがビットコインとイーサリアムが十分に分散化しているため証券ではないって言ったのが2018年だったと思います。

しかしこれはHoweyテストとは全然関係ない切り口です。分散化というのはHoweyテストじゃない話になっていて、実は未登録証券である可能性がイーサリアムには残っている。

仮にアメリカで証券認定されてしまったら、イーサリアムは、今までのトラックレコードよりもかなり厳しいトラックレコードをこれから刻んでいかなくちゃいけない可能性があると思っています。

トータルで言うと、ビットコインのトラックレコードとイーサリアムのトラックレコードを比較して、今までで見ても、短期・長期いずれで見ても、ビットコインに優位があると思います。

それ以外で不確実性のことを考えても、イーサリアム側に、ビットコイン側にない不確実性があるんじゃないかなと思っている。 

まとめると、こういった数字、様々な当局の発言などを積み重ねていくと、さきほどのユーティリティの件が相対化されるとすれば、ビットコインの重要性という部分に関しては対イーサリアムに関しては揺らがないのかなと。

開発者の多さがこれから3年の新しいフロンティアの発見に本当に繋がっていくのか

みにこーへい氏 teatwoさんがおっしゃっていた、ビットコイン側の進化を知らないんじゃないかという話でいくと、結構知っていて、ライトニングネットワークとかDeFiも載せようとしてるとかって話があると思うんです。

ただ、その観点は、結局開発者の数が多い方がたくさん作られるよねという論理に関しては否定されていない気がするんです。

そこについてどう思いますか。

東晃慈氏 イーサリアム側は、開発者の数も多いし盛り上がっていると。それに対してROGAIチームのteatwoさんは、この次の3年でL2など中心にビットコインにもそれらの機能が入ってくるんじゃないかという主張があった。

BCGチーム側の主張で、開発者の数だったりを加味してないんじゃないか、そんな簡単な話ではないんじゃないか、そういう指摘、質問ですね。

teatwo氏 イーサリアムの開発者の裾野が増えているのはおっしゃる通りです。

ビットコインのL2の状況を考えても、開発者としての敷居、学習コスト高いので、ビットコインとイーサリアムで開発者の差分はそれほど埋まらないかなと思います。

しかし、開発者の多さが、本当に、これから3年のまだ開拓されてない、新しいフロンティアの発見に繋がっていくかどうかはまた別の話かなと思う。

特に今は縮小相場でどんどん資金を引き揚げてるような状況。さらにDeFi、NFTなど2021年に盛り上がったものも引き続き使えるかどうか怪しいものも多いと思う。

GameFiとかもトークンエコノミクスとかも、考え直さないとだめだと思うんですよね。

ビットコインがやろうとしてるのってイーサリアムでうまくいってるものだけ引っ張ると言う話になるので。(編集者注:音声が聞き取れなかったので編集者の予測で記載)

スマートコントラクトでアセットの流通量、データの流通量で一番アダプションしたのはステーブルコインだと思うんですよね。

ステーブルコインの流通量が一番多くて、ERC20アプリケーションが最大のマーケットフィットしているものだと思うんですけど。そのステーブルコインが、ビットコインにも今後入ってくるはずですと。

そうすると、現状見えている価値、ユースケース、かつ今後もリスクなくそのまま使えるようになりそうなユースケースに対してとかをちゃんと押さえるのであれば、そんなに開発者の数は関係ないかなと思う。

直近3年間でイーサリアムでユースケースが増えたのは開発者の数が多いから

みにこーへい氏 いまの話だと二つ論理的な話があるなと思っています。

1つ目が、自分の主張としては開発者が多い方がユーテリティをたくさん作れるんじゃないかというところだと思うんですね。

そこについては、開発者の質がビットコインのほうが高いとおっしゃっていますか。それとも今後はイーサリアムで新しいユースケースは作られないということを言っていますか。

teatwo氏 開発者の多さと新しいユースケースの発見の多さが必ずしも比例しないんじゃないかと思ってます。

みにこーへい氏 ここ3年間くらいで、ブロックチェーンゲーム、DeFi、NFTだったりのユースケースが生まれたことについてはどう捉えてらっしゃいますか。

それは偶然というふうに捉えていますか。

僕はそれが開発者の多さによって出ているのかなと。

teatwo氏 過去はその通りだと思っています。

みにこーへい氏 未来が変わるというのはなにか背景がありますか。

バブルが起ころうか開発者が多いのはずっとイーサリアムのはずだと思うんですよ。

そう考えたときに、開発者が多いと新しいユーティリティが生まれるってところはそれでいいのかなというふうに思ったんですけど、そうじゃないですかね。

ユースケース生まれないかもしれない可能性ありますよねは、そうかもしれないなと思いました。

イーサリアムが新たに開拓できるフロンティアは狭まっているのか

teatwo氏 いろいろ喋っちゃったのでまとめちゃいますけど、イーサリアムのほうがユースケースの発見が多い可能性は高いでしょう。なぜなら母数が多いから。

とはいえこれからさらに、新しいフロンティアがあるかというとどんどん少なくなっていくほうがあると思います。だいぶ枯れてるから。

かつビットコインが後ろから追いかけていくので、お互いの差は縮まっていくんじゃないかと。新しいユースケースは頭打ちになるし、勝ち残ったものはビットコインが取り込んでいくので、お互いの差は詰まっていくんじゃないかと思ってます。

みにこーへい氏 それは証拠とかありますか。ネットワークの外部性で開発者はより開発者が多い方に集まってより差が広がっていくのかなと思うんですけど。

そうじゃなくてユースケースが発見される確率がビットコインと縮まるは何か根拠がありますか。

内田善彦氏 すごいロジックだと思うんですけども、フロンティアが狭まってる可能性に対してどう思われますか。フロンティアは無限なんですか。

みにこーへい氏 フロンティアに関しては狭まってる可能性もあるんですけど、狭まってない可能性もあると思っていて、それはあまり議論しても答えが出ない類のものだと思っています。

例えばスマートフォン上のアプリケーションでなにが生まれますかと言った時に、スナップチャットを想像した人はいないでしょう、ということを考えると、何が生まれるかを予想するのは正直むずかしいんじゃないかと思ってます。そこをあまり論点にしたくない。

なので発生確率とかそのあたりで、どうして差が縮まるってことがあるんだろうと思った。

フロンティアを開拓するよりもフォロワーで攻める方が楽で早い

内田善彦氏 逆に、そのフロンティアを定めるか定めないかがディベートの一番のポイントだと思っています。

基本的にクリプトの世界というのは、チェーン上に書かれている、またはインターネット上に置かれている情報以外は価値に換えられないというのがクリプトの最大の長所であり欠点である。

というところを考えてみたときに、もうインターネット上の情報をどう使うかという部分に関して言うと、もちろんAIも進化してますし、IOT的なものもどんどん進化しているというのはある。

けれども、人間の脳みそというのは無限には賢くなれないということを考えた場合に。ある程度のサチュレーションというのは一定程度想定した方がいいんじゃないかなというのを私は思っている。

もっと言うと、フロンティアを開拓するよりもフォロワーで攻める方が楽で早いんですね。これは重要な話で、雪道をラッセルするのと同じで、先頭でラッセルする人と、後からついて行く人では楽さが全然違う。

ビットコインはずっと保守的な開発を続けたこともあって、今までイーサリアムがスマートコントラクトでやってきたことをビットコイン上ではできてなかった。

しかしこれからビットコイン上でも同様に対応できるようになった場合に、ビットコインはその部分に関してはフォロワーなので、イーサリアムよりも速くキャッチアップしていく可能性がある。

もちろんスマートコントラクト実装の仕方も質の違いもありますから、全部できると言うつもりはないです。

それを考えると、開発者の数ではなく、開発が今置かれてる状況も勘案した上で議論するっていうのがいいのかなと思っています。

もっというと、開発者の数といった場合に、裾野の開発者って新しいユーティリティを本当に確率的に新しいユーテリティに貢献できるかっていうと、ERC20でたくさんコインを作るということがユーティリティの発明に寄与しているとあまり思わない。

なので、やはりイーサリアムの今までの貢献というのは非常に貴重でエポックメイキングだったのはたくさんあると思ってるんですけども。

これから3年てことを考えたときには、そういった部分でのイーサリアムの優位よりも、ビットコインがさらに新しくなっていくということと、ビットコインがハードマネーとしての非常に強い立ち位置を持っているということを合わせて考えると、3年後により重要になるのはビットコインかなと。

重要なのはマネーとしての立ち位置の頑健性

東晃慈氏 みにこーへいさんの主張は、イーサリアムのほうが開発者の数が多くて、開発者の優位性は縮まらないんじゃないか。

それに対しての反応は実は内田さんが既にコメントしてたんじゃないかなってまして。証券性の話、規制の話でカバーしてると思うんですね。

そこについてはどうでしょう。

上野広伸氏 結局のところROGAIチームは、イーサリアムがここ3年ぐらいで培ってきたユースケースは非常に重要なことだと思っているので追いつきたい、そう言っているように聞こえるんですね。

そうなってくると、あの今後3年間の重要性というのは、さらにユースケースが増えるかどうかっていう議論になると思ってます。

内田善彦氏 そこはそんな単純なものではなくて、確かにイーサリアムが開拓したユーティリティのエリアの拡大というのは重要だと思うんです。

けど、もっと重要なのはマネーとしての立ち位置の頑健性です

ここがあるからビットコインの将来性に期待するという論理を作っているので。

一番重要なのはビットコインのマネーとしての頑健性にある、とご理解ください。

時価総額は重要度の尺度の一つである

上野広伸氏 長期的な話はそうでしょうね。3年後という意味で、ビットコインのほうが優位性があると思うのが内田先生の主張も含めて考えると2つで。

3年以内に第二次世界大戦が起きる、もしくは米国でイーサリアムが証券として認められる、これらが3年以内に起こると思うのであれば、ビットコインの方が重要であるという結論になりますね。

内田善彦氏 私が数字で示したように、ビットコインの時価総額はイーサリアムの倍を超えてるんですね。ヒストリカルにほとんど例外なくそういったサイズになっている。そこはどうお考えですか。

上野広伸氏 つまり内田先生の主張されたいことは「時価総額が重要度の尺度である」で合ってますか。

内田善彦氏 「時価総額は重要度の尺度の一つである」と言ってます。

上野広伸氏 なので、さまざまある重要度の尺度のうちの一つという意味ではビットコインの方に分があると思うし、僕もビットコインの資産としての価値は非常に大きいものだと考えています。

内田善彦氏 我々は、マネーとしての頑健性に立脚した論拠を示しているので。時価総額は倍です。倍は小さい差ではないですよね。

上野広伸氏 重要度の一つの指標としての時価総額があり、ビットコインはイーサリアムの倍であることは確かにそうですね。

時価総額はビットコインに分があるが、その他はイーサリアムの方がユーティリティを提供したり新しいユースケースを開拓している

みにこーへい氏 僕も今の段階で時価総額が2倍あるというのはその通りだと思っていて、それを重要度の指標とするのはそうだと思うんですけど。

その場合、ビットコインのドミナンスは66%くらいあったのがいま42%まで下がってきている。これについてはどうお考えですか。

内田善彦氏 シェアを落としているというのはイーサリアム以外にもさまざまなアルトコインがあるということと、イーサリアムも頑張ってるってことも含めてだったと思うんですけれども。

みにこーへい氏 4年前などに比べてビットコインとイーサリアムの時価総額は傾向としてはどんどん近づいていると思うんですけれど、3年以内にはフリップされないだろうというお話ですか。

内田善彦氏 時価総額のシェアの場合、一番気を付けて考えないといけないのは、ステーブルコインの時価総額が入っちゃってるってことなんですよね。

結果としてステーブルコインが拡大すればシェアは落ちていくんですよ。

だけどステーブルコインでここの議論の時価総額のシェアで換算しない方がいい。そういったことを考えた場合に、わかりやすさとして、私はビットコインとイーサリアムの絶対額で見ている。

イーサリアムの市場規模というのはビットコインの半分しかない。

そこのところはどうお考えですか。

みにこーへい氏 事実でしょうね。そして時価総額ていうのは重要な一つの指標であるっていうことを認めます。うん、そうですね。

東晃慈氏 ここの件は多分もうお互い納得してるので。内田さんもそれは一つですと言っていて。

要はBCG側の主張としては、時価総額についてはビットコインに分がある可能性はあるとしても、その他はイーサリアムの方がユーティリティを提供したり新しいユースケースを開拓しているので重要である、と。

これらについて、ROGAI側なんか反応ありますか。

これから新しいユースケースがイーサリアムで積み上がる可能性よりも、ステーブルコインをビットコインが取り込んで伸びる確率が大きい

東晃慈氏 ROGAIチームは、次の3年間もイーサリアムがこれからやっていくであろう実験だったりユースケースの開拓より、マネーとしての頑健性を持つビットコインの方がこの3年間もずっと重要であるっていう主張なんですか。

teatwo氏 対立構造を整理すると、新しいユースケースをイーサリアムが開拓してアップサイドを作るのと、ビットコインが既存のユースケースを取り込んで追いついていくのは、どっちの幅の方が大きいのという話かなと。

我々としてはこれから新しいユースケースがイーサリアムで積み上がる可能性よりも、一番大きいステーブルコインをビットコインが取り込んで伸びる確率が大きいと思ってます。

もし時価総額の話と、このユースケースの発掘度を何かしらの定量尺度しようとして、そこで時価総額を用いるとすると、今50%です。

3年後に時価総額が逆転しているとするなら、イーサリアムの時価総額は2倍になる必要がある。けど、イーサリアムだけが伸びていくはずはないく、ビットコインの時価総額も同時に伸びていくわけです。

そう考えるとイーサリアムの時価総額がビットコインに追いつくのはまだ無理なんじゃないかなと。

みにこーへい氏 重要な尺度を時価総額だけにしたらそうだと思うんですけど、そうじゃないのかなと思いました。

クリプトはまだマスアダプションしていないし、これからいろんなことにトライアルしていかなければいけない

上野広伸氏 「ユースケースはシュリンクしていくから、ビットコインはイーサリアムが築き上げたようなユースケースを追従していけばいい、そのときは開発の数が少なくてもいいし、なんならそのビットコインの頑健性も足元にあった方がいい」てのは、確かにそう。

ですけど、正直それ考えにくいですよね。

なぜなら今クリプトは非常に伸び盛りの業界であり、新しいインターネットでのユースケースだと思うんですけど、全然マスアダプションしてないんですよね。

なぜかというと、国においてはどういうふうにアカウンティング、リーガルを捉えればいいのかがまだまだ定まってない。

ユーザーにとってのUXはまだまだ悪いし、みんながクリプトを使っていく未来に対してはまだまだ全然リーチできてない。なのでどれが答えかわからないけれども、いろんなことにトライアルしていかなければいけないんですよね。

3年どころか、まだまだここ10年ぐらいはそうだと思うんですよね。

マスアダプションした後はより頑健な方、より技術的に安定な方っていうのが考えられるんですけど、ここ3年という意味ではトライアルし続けた方がクリプトが本当にみんなに受け入れられるためには非常に重要なことだと私は思っています。

既にフォームが見えているイーサリアムが勝つ

みにこーへい氏 ちなみにteatwoさんの発言で面白いと思ったのは、ステーブルコインがビットコインに入ることによって云々という話があったと思うんですね。

ステーブルコインはまだプログラマブルマネーとしての役割はまだほとんど作られていないじゃないですか。

例えばこの間VISAが発表しましたけど、定期的に支払う機能を作るとかって、今まさに発表されてると思うんですね。

そういうのって本当に今おっしゃったユースケースの一つだと思っていて、それがビットコインに先に作られるか、イーサリアムで先に作られるかというと、イーサリアムで先に出てくるのかなと思います。

なのでこの3年間でどっちだっけっていうと、既にそのフォームが見えているものと、今追いつこうとしているビットコインで考えると、3年後にどっちが重要かというと、イーサリアムが勝ってるんじゃないかと思います。

第三次世界大戦や証券判定の話がなければ。

東晃慈氏 確かにビットコイン上のステーブルコインて今ほとんど存在してないものなので、真っ当な指摘だなと思いますね。

軸足がよりはっきりしているマネーの上に立ったツールのユーティリティの価値は軽視されがち

内田善彦氏 いま存在していないことに関して主張するということになると、今後のユーティリティの拡大というのも、どのユーティリティが拡大するかという部分に関して、開発者の数で確率的に発生するということであるとすると。

逆に言うと我々としてはその確率というのが同じ確率分布ではなくて、今までと将来は違うんじゃないかという言い方をしている。

それだけでなくて、実はビットコインの方がいいかどうかということに関して、マネーの頑健性でも堅牢性でも堅牢性でもいいんですけれども、そこにかなり立脚してるところがあって。

軸足がよりはっきりしているマネーの上に立ったツールのユーティリティの価値は、今の議論だと軽視されがちなので、私はそこのところは強調しておきたいなと思ってます。

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