「年齢を重ねるにつれて負けを認めることができるようになり感情も安定し勝ちやすくなった」クリプトトレーダー・りゅうりゅう氏 後編

暗号資産トレーダーのりゅうりゅう氏に、取引する上で大事なことなどについて伺いました。

りゅうりゅう氏 プロフィール

便利屋を営みながら暗号資産の取引を行うトレーダー。株で破産、借金経験あり。

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トレンドラインや高値からの下落率を見て2023年1月にビットコインを買う

ーー2021年3月にXEMを売却したあとの取引について教えてください。

ビットコインとイーサリアムの現物に絞り、短期もしくは中期でトレードしていました。

2021年から2022年までは価格のボラティリティが大きく、ロングで入ることが多かったのですが、大きな損切りもあったもののXEMで得た資産を約3倍まで増やすことに成功しました。

以前の大失敗を教訓に、基本的にレバレッジはかけず、かけたとしても少額の資金で取引していました。

ーー2022年はLUNAショックやFTXショックなど大きなショックが二回もあり、暗号資産全体としては低成長な相場でした。この時期の取引について教えてください。

確かに2022年は2021年11月の高値から80%近くまで下落したつらい年でした。

私自身は短期の取引でショートを取りながら年間では運用資産の約10%のリターンでした。

2022年11月のFTXショック後はそれまでの取引スタイルを変え、2021年の高値を基準にトレンドラインで結び、価格の動向を見ていました。

2023年1月はFTXショック後に初めてトレンドラインから抜けましたし、前回のサイクルでも80%ほどの下落で反転したことを踏まえ、2023年1月の価格は底値の可能性が高く、買い場だと判断しビットコインを買い始めました。

ーー2023年1月頃はXでもまだ悲観的な意見が多かった時期です。よくこの時期に買うことができたと思います。

おっしゃるとおり、当時は、まだ下落する予測が多かった認識です。

2023年1月の時点でビットコインは200万円近くまで価格が下落していましたが、2017年12月の高値が約200万円だったということもあり、個人的には抵抗帯としては強いポイントだと見ていました。

また、高値からのトレンドラインを超えた時点でも2021年の高値から下落率80%だったため、「さらに10%下落したとしても、また資金を投入して買えば良い」と考え、私にとっては、この時点で現物を買うことは安心感がありました。

底値と判断する前の2022年12月のチャートで少し価格を戻したときもありましたが、その時点から少しずつ買い始め、価格が少し上昇したときにまた買って、その後も買い増していきました。

ただ、さすがに資産の30%程度しか買いませんでしたが。

▼2022年1月から2024年4月までのBTC/USDのチャート

底値から上昇するときは市場参加者はまだ疑いの目で見ているため売り買いが激しくなる傾向があ

ーー2023年はどのような取引でしたか。

ショートは取れませんでしたが、周期的な高値の予測はほとんど当たっていました。

特に、2023年3月のシリコンバレーバンク破綻から夏までの時期は、現物の売り買いにおいては、結構うまくいきました。

2023年8月は約390万円まで下落しましたが、「半減期も近づいてきており、現物で買うのはリスクが低い」と判断し、資産の80%をビットコインに換え、2024年3月現在まで保有し続けています。

ーー2023年の短期取引はどのような指標を参考にしていましたか。

指標を使いすぎると判断しづらくなるため、移動平均線やRCI、MACDの3つの指標から総合的に判断していました。

RCIは、対象期間内の時間と価格に順位をつけ、双方の関係性がどれだけあるのかを指標化したもので、売られすぎと買われすぎの転換部分を見抜くための指標です。

また、これまでの経験から、底値の付近では価格の上昇と下落が増えることはわかっていました。

底値から上昇するときは、往々にして、市場参加者はまだ疑いの目で見ているため売り買いが激しくなる傾向があり2023年はこのような傾向を参考に売買していましたね。

ーー現在、資産の80%が現物のビットコインということですが、今後の取引についてどのように考えていますか。

ビットコインの周期性から考えれば、これから1、2年で最低でも2,000万円までは上昇すると見ていて、2,000万円までは1枚も売らないと決めていますし、2,000万円を超えても売りのシグナルが出なければ売らないと思います。

ビットコインの価格は強く上昇しているが世間の反応は未だ冷ややか

ーーもし売りのシグナルが出たら全てのビットコインを日本円に換えますか。

今はそう考えていますね。

指標と目安価格に応じて全て日本円へ換えた後は、暗号資産だけでなく株などにも分散してポートフォリオを組む予定です。

ただ、今回はどこまで価格が上昇するか想定しにくいですね。

ETFの資金流入の動向だけでなく、香港でもおそらく1年以内にETFが承認される可能性があり、良いファンダメンタルズが続くと価格が予測できません。

2017年から暗号資産の取引を行っていますが、最近の上昇は良い意味で不気味だと感じています。

価格が著しく上昇している反面、バブル感が全く感じられません。

ーーたしかにビットコイナー以外の一般の方が熱中しているムードもありません。

全然ないですね。

2018年のバブルのときは、友人からビットコインについて聞かれることもありましたが、今は全くありません。

テレビを見ていても、以前は芸人がビットコインの話をして盛り上がっていましたが、今回はテレビ東京のWBSが多少取り上げた程度で、これだけ価格が高騰しているにも関わらず世間ではまだ静かで良い意味で不気味な印象を受けます。

本屋ですら暗号資産に関する本をあまり見かけませんね。

こういった状況を踏まえ、今後、一般の方々がビットコインを購入し始めるようになれば、3,000万円、4,000万円もあり得ると考えています。

ーー一般メディアの多くは最近では新NISAを取り上げていますが、新NISAのブームが終わったあとはビットコインに話題を切り替える可能性もありそうです。

そうですね。

ただ、米国ではETFが承認されたということで、米国では一般の方がビットコインを買っています。

残念なことに、日本の一般の方々にビットコインのブームが訪れる頃には、結果的に高値つかみになる可能性が高いです。

年齢を重ねるにつれて、負けを認めることができるようになり感情も安定し勝ちやすくなった

ーー現在までの投資経験から、投資やトレードをする上で大事なことは何だと思いますか。

私が株式の取引で負けた理由の一つが、メンタルが弱かったことでした。

若い頃は負けを認められず、損切りがうまくできなかったのですが、年齢を重ねるにつれて、負けを認めることができるようになり感情も安定し勝ちやすくなりました。

そういったメンタルは、なにか特訓や勉強をしたというよりは、何度も取引を重ねることで自然と身についてきた印象です。

感情的ではない人のほうが投資に向いていると思いますが、どんな人でも負ければ感情が揺さぶられます。場数を踏むことも大事だと思いますね。

ーー株式の取引で大きく失敗する前の自分にアドバイスをするとしたら何と伝えますか。

少額の取引からコツコツやれよ、と伝えたいですね。

当時は早く金持ちになりたい、早くお金を手に入れたいという欲望が強く、高いレバレッジをかけてギャンブルに近い取引を繰り返した結果、大失敗しメンタルも不安定になりました。

小さな取引からコツコツ積み重ねていけば、一時的にお金が減ることはあってもスキルは上がっていきますし、場数を踏む事で得る経験値が、最終的なリターンに繋がってくると思います。

これが一番の正攻法だと思います。

ーー先ほど、感情的ではない人のほうが投資に向いているとありましたが、他にはどのような人が投資に向いていますか。

本を読んで勉強したり、自分なりの分析を続ける事、一人で黙々と作業ができる職人肌の人が向いていると思いますね。

ーートレードで得た利益で買ったよかったものや使って良かったものについて教えてください。

旅行や食事、体験にお金を使うようにしていますね。

物欲はほぼないので、車や時計などには興味が無いです。少し良い服を買う程度かな。

都心ですが家だけは広めの家を借りています。家には多少お金をかけてるくらいです。

あと昔から何か新しいことを体験することが好きで、お金がないときから体験にはお金をかけています。

サイドFIREのおかげで子育てに専念でき、子供の成長を間近で見ることができる

ーー現在りゅうりゅうさんはサイドFIREであるとお聞きしました。FIREは退屈という意見がある反面、楽しんでいる方もいます。りゅうりゅうさんはいかがですか。

最近子供が生まれたのですが、サイドFIREしたことで子育てに専念でき、子供の成長をずっと間近で見られるのですごく幸せですね。この為にFIREしたんじゃないかと思うくらい幸せです。

趣味ではキックボクシングにハマっていて、アマチュアですが試合にも出ました。そこで出会った仲間もいて、それも自分の人生を豊かにしてくれてますね。これも時間があるから出来る事かなと思います。

便利屋の仕事は現在はほとんど現場のスタッフに任せていて、お客様とのメールのやりとりなどごく一部の1日30分程度の業務のみ私が担当していて、私の労働時間はゼロに近いです。

短期取引はある意味労働といえば労働ですが、好きでやっていることなので労働という感覚はありません。

ーー便利屋のお仕事について、いまは現場に任せているというお話でしたが、任せられるようになるまでについて教えてください。

最初の数年間はかなり大変で休日はほとんどありませんでしたが、スタッフが育ってくれたことで3年前から現場を任せられるようになり、私が現場に顔を出すことはほとんどなくなりました。

スタッフもそれぞれ別に本業があり、便利屋は副業として取り組んでくれていますが、良いスタッフに長く働いてもらうためにも給料は同業種のなかでも高く払ったり、誕生日や結婚の際にお祝いしたりと、スタッフを大事にするように意識はしていますね。

便利屋は手離れしにくい、させにくい事業

ーー今後は便利屋の事業を大きくしたり別の事業を始めたりなど考えていますか。

今は正直、全くないですね。

便利屋は手離れしにくいというか、させにくい事業なんです。

私自身、他人のことはコントロールしづらいというか、難しさを感じており、今働いてくれているスタッフは信用できますが、それ以上の範囲に及ぶと手に負えなくなるのではと考えています。

トレードは、自分のことさえ管理すればできる作業ですし、性に合っていると思います。これ以上楽しい事は見つかるかなと思いますね。

ーー起業に向いている人やおすすめのスモールビジネスがあれば教えてください。

おすすめは、利益率が高く固定費があまりかからない事業ですね。

また、起業に向いている人は、自分のことを自分で管理できる人、ストイックな人、仕事が好きな人などでしょうか。

誰かに管理されたがっている人や指示待ちの人は会社員の方が向いているでしょう。

自分のことを管理できない人は他人のことも管理できないと思います。

プロスポーツ選手の厳しさと比較すれば投資は夢がある

ーー最後に読者へのメッセージをお願いします。

私は3年前からキックボクシングに通っているのですが、スポーツの分野でプロ選手になれる人は本当にひと握りで、その中でもトップ中のトップでなければ何億円も稼げません。

そのような格闘技選手、スポーツ選手の厳しさに比べれば、投資はお金持ちになれる可能性やチャンスが多く、夢があると思います。学歴も無く、何も無い人間には持ってこいだと思います。

ただ、日々の勉強は必須なので前提としては好きじゃないと成果は出にくいかと思います。

事業も夢はありますが、人を使う度量や人格などが求められるので、個人的には事業より投資の方が簡単だと思いますね。成り上がるにはピッタリの職業かと思います。

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全二回のりゅうりゅう氏のインタビュー、前編はこちら

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