LUNA-USTショック時に$LUNAのロングで40万ドルを損切り トレーダー・ツァビ氏 2/3

クリプトトレーダーのツァビ氏に、失敗した取引などについて伺いました。

ツァビ氏 プロフィール

2017年5月から取引を始めたクリプトトレーダー。本業は広告、マーケティングの会社を経営。ビットコインの現物を積み立てつつ、ビットコインの価格と連動せず、価格変動率が高いアルトコインをFRやOIなどを見ながら取引。

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取材実施日

2024年2月14日

自分のメンタル的な特徴と取引手法がマッチしていなければならない

ーー「ビットコインの価格に比較的連動しない、独自の値動きをする、非常にボラティリティーが高いアルトコインを取引する」など、独自の取引手法を見つけ勝てるようになったとのことですが、自分に合った取引手法を見つけるためには何が必要だと思いますか。

私の場合、狙っていまの手法にたどり着いたというよりは、色んなことを試した結果、結果的に今の手法にたどり着いたんですね。

アルトコインの長期保有やスイングでの取引、手動でのアビトラやハイレバなどさまざまな手法を試していく中で、たまたま、今の手法を試した時にすごく勝てるようになった。

そういった私の事例から考えれば、自分に合った取引手法を身につけるためには、とにかく色々な取引を試してみることが大事だと思います。

また、トレードはどうしてもメンタルの要素が強く関わってきますので、自分のメンタル的な特徴とその取引手法がマッチしているかも重要でしょう。

素晴らしい手法を見つけても自分のメンタル的な特徴とマッチしなければうまくいきません。

負けても「勝つための必要な経費」「負けても楽しい」

ーーツァビさんはご自身のメンタルについてどのように見ていますか。

私はメンタルは強い方だと思いますね。

私は主にFRやOIを見て取引していますが、これらの指標は何も珍しいものではなく、少し暗号資産のトレードを齧っている人なら誰でも見ているような指標です。

実際、Xを見ていても、「FRがマイナスに振れてOIが増えているからロング有利」などと解説している人も多くいますが、実際にそれを活用して本当に勝てている人というのはあまりいない印象です。

FRやOIに限らず、指標を適切に見れているのに勝てない人の多くは、目線は合っていても早く利確してしまう、もしくは予想と逆に振れた際の損切りがうまくできていない、ということだと思うんです。

ーーではツァビさんはなぜ損切りがうまくできていると思いますか。

「ここで負けても積み増ししたビットコインがある」と開き直れているから躊躇なく適切なタイミングで損切りできているというのは大きいと思います。

負けても「勝つための必要な経費」だと考えていますし、「負けても楽しい」くらいトレードが好きで落ち込みませんし、その点が他トレーダーと比較して優位な点だと思います。

ーーメンタルは以前から強かったのでしょうか。

メンタルが強いから負けても平気というか、以前からギャンブルのようなお金を賭けて何かを得る行為が好きで、負けても楽しいと思ってしまうんですよね。

なのでトレードで大きく負けることもありますが、だからといってやめようと思ったことは一度もありません。

LUNA-USTショック時にLUNAをロングしていて一晩で40万ドルを溶かす

ーー印象的なうまくいった取引について教えてください。

このインタビューで話した2022年の$GMTや$APEの取引以外では、2023年8月に$YGGの価格が突然上昇し、ロングとショートを全部取って2日で2,000万円勝ったのは印象に残っていますね。

▼インタビュー実施後の2024年3月16日に$BOMEの取引で3,000万円ほどの利益を出している

ーー$GMTや$APEだけでないとのことで、再現性が高いですね。

そうはいっても、月単位では負けないようにしていますが、日単位では負け越すことも珍しくなく、一日で1,000万円負ける日も全然ありますね。

ーー印象的な失敗した取引についてはいかがでしょうか。

2022年5月のLUNA-USTショック時にLUNAをロングしていて、一晩で40万ドル程負けたというのがあります。

2022年3月から寝る時間を削って$GMTや$APEを取引していたのですが、トレーダーズハイのような状態になってしまい、心身ともに限界を迎えていました。

また、その当時もファンダメンタルズを一切見ずに取引していたため、アルゴリズム型ステーブルコイン(UST)がディペグした際、価格維持のためにLUNAが永遠に発行されるという、極端にインフレが起きる状態を理解していなかったのです。

仕組みを知っていれば当然、暴落を予測できたのですが、FRとOIしか見ていなかったため本来なら入るべきでないタイミングで100万ドルのロングポジションを作ってしまいました。

かつ、その時期は寝る時間を削ってトレードしていた時期で、寝落ちしてしまい、いつもならやらないポジションの持ち越しをしてしまいました。それで朝起きたところ、LUNAのロングは40万ドルの含み損になっていたんですね。

LUNAショックと寝落ちという二つの偶然が重なっての出来事ではありますが、トレードで追い込みすぎて規律も緩んでいましたし、ある意味必然的な出来事だったかなとは思っています。

ただ、負けても、熱くなってトレードしなければそれ以上は負けないので、結果的に勝ちは増えていきますね。

▼ツァビ氏の当時のXへの投稿

ーー損切りが多く発生する取引手法だと思うのですが、勝率はおおよそどの程度でしょうか。

勝率はおよそ50数%だと思います。

40万ドルを損切りした一時間後に10万ドルを取り返す

ーーLUNAで40万ドルほど損失を出したあともトレードをされていますが、どのように気持ちを切り替えましたか。

LUNAショックで40万ドルの損失を出した際はさすがに寝起きで天井を見上げたまま固まりましたが、すぐにファンダメンタルを調べて仕組みを理解し、気持ちを切り替えてショートで入って1時間後には10万ドルを取り返しました。

メンタル的に復活が早い方というのもあるかもしれませんが、それ以前に$GMTや$APEでかなりリターンを得ていたため、それで余裕があったというのはあるかもしれません。

ーーLUNA以外での印象的な失敗はありますか。

印象的な失敗というものではありませんが、自分の手法に則った取引をしつつも、うまく損切りできないときがあります。

取引自体は朝から晩まで行っているものの、常に画面に張り付いているわけではなく、ストップロスも入れていないので、気がついたら損切りできないラインまで逆に動いているというのはたまにあります。

しかしこういった失敗は受け入れていますし、仕方ないとは思っていますね。

損切りよりもドテンすることのほうが多い

ーー日をまたがない時間軸のトレードで勝率50数%で利益を出すためには損切りとうまく向き合う必要があると思います。損切りが上手くなるためのコツや考え方があれば教えてください。

損切りというより、逆にポジションを取ることが多いです。

例えば、FRやOIを見てポジションを持って、その1時間後にFRやOI、価格が自分の見立てとは逆に動いているというのはよくあることだと思います。

そのような際にはもちろん損切りしないといけませんが、私の場合は逆に見えているのであれば逆にポジションを取り直します。

ーー損切りで終わるときもあるのでしょうか。

「分からなくなってきたし、寝るか」というときは、ドテンせず損切りで終わりますね。

基本的にはFRやOI、現物と先物の乖離を見て、その環境が自分のポジションに対して反対でなければ損切りせず保有します。

利確も損切りも価格では決めていませんね。

価格やチャートを見なくても目線さえあっていれば大きな利益が得られる

ーー価格では利確も損切りも判断していないというのは珍しい印象です。

価格が1日に40%から200%動くようなボラティリティーの大きいアルトコインを私は取引していますが、価格やチャートを見なくても、目線さえあっていれば、大きな利益が得られますね。

おそらく、普通のトレーダーの方は、ロングなら「価格が20%上昇したら利確」といった取引をされていると思いますが、私はFRやOI、現物と先物の乖離がまだロングを示唆しているのであれば価格が数十%上昇しても利確しません。

なので必然的に、小さい利益をコツコツ積み上げていくというよりは、一つの取引あたりの利益をどんどん伸ばしていく取引スタイルになっています。

負けたことでその取引ではうまくいかないことが証明されたわけで破産さえしなければ問題ない

ーー理解しました。損切りや利確をうまく行えているゆえに勝てているのだと思いますが、損切りや利確には何が重要だと思いますか。

自分で様々な方法を試すことで自分なりの答えややり方に辿り着けるはずで、それが最も近道だと思います。

その過程で最初は損を出しますし、実際、私も2018年と2019年には多くの損失を出しましたが、負けたことでその取引ではうまくいかないということが証明されたわけで、破産さえしなければ問題ありません。

暗号資産は、総合格闘技のように収益を上げるための手法は様々なので、自分に合った、自分なりのスタイルに辿り着くことが重要だと思います。

例えば、私は損失に対する許容度が大きいので現在のような取引でもうまくいっていますが、損失を許容できない性格の人はアービトラージがおすすめでしょう。

その人の性格や私生活によるので、「うまくいくためには自分に合ったトレードスタイルを探してください」としか言えないですね。

ーーツァビさんのスタイルを真似できない方も多いと感じます。

私は損をしても大きな利益を求める取引スタイルですし、ロングしながら価格が数十%下がっても見ている指標がロングを示唆しているならポジションを切りません。

かなり大きな含み損を抱えたまま、外出したり、子どもと遊んだり、見ている指標がショートを示唆するなら躊躇なくドテンする、というのが日常茶飯事です。

エンタメの一環で、2023年にBinanceでポジションを公開していたのですが、そのポジションを監視していた方からはミラトレできないと言われました。

損切りならまだしも、ドテンで失敗するというのは最悪ですが、私は平気で日々そういった取引ばかりしているので、やはりその人それぞれに合ったトレードがあるのだと感じます。

ーー例えばロングで大きく含み損が出ても指標がロングを示すならば損切りもドテンもせずひたすら耐えるスタイルなのですね。

はい、そのとおりです。

ただ、ボラティリティーが大きいトークンを取引しているので、天井だと思っても更に突き抜けることもありますし、良い環境で入れたと思っても反対に行くこともありますし、損切り、ドテンも結構やっていますね。

ポジションを持っているからこそ指標を真剣に見れるしポジションを持っている人の気持ちも考えられるようになる

ーーツァビさんの取引手法はツァビさんの性格に大きく影響している印象です。

含み損や確定の損失をあまり気にしないメンタルというのは前提にあると思いますが、朝起きて夜寝る寸前まで常にポジションをとって取引しているので、他の人より圧倒的に試行回数が大きいというのはあると思います。

ポジションを持っているからこそ、指標の推移を真剣に見れますし、ポジションを持っている人の気持ちになったり、逆のポジションを持っている人のことを考えられるようになるわけです。

その上で、ポジションの積み増しやドテンの判断ができるわけで、とにかくポジションを取り続けるというのは大事だと思います。

「休むも相場」とは言いますが、休んだりノーポジで相場を見ていても上手くはならないでしょう。

私の場合、朝起きて指標を見て、確信はなくてもロングかショートか無理やり考えて必ずどちらかポジションを取ります。

ポジションを取ることで、負けたくないのでFRやOIなどの推移を真剣にチェックするようになりますし、損切りやドテンなどの行動も迅速にできていると思います。

試行回数が多いと取引の精度が上がっていく実感もあるので、常にポジションをとってマーケットに参加するようにしています。

ーーそのスタイルを2018年以降、失敗しながらも継続してきたからこそ、いまエッジが見つけられているということですね。

そうですね。

もちろん、常にポジションを取ってきた分、他の人よりも失敗や損はたくさんしてきましたが、様々なポジションを取ってきたことで見えてきたこともあります。

説明しづらいのですが、見ている指標が、FRやOI、現物と先物の乖離のみであっても、結局はその組み合わせになるため、需給の雰囲気をうまく感じ取りながらトレードしている印象ですね。

言ってしまえば、単にポジポジ病なだけという見方もありますが、トレードが好きであるというのは大きな強みだとと思います。

自分が取ったポジションに対して、損をしたり、利益が出ることそれ自体が楽しい。

楽しいから試行回数が増えるし、真剣に考えるので、それが私の中でうまく循環しているのでしょう。

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全三回のツァビ氏のインタビュー、最後の三記事目に続きます

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