高校生の頃からFXのバイナリーオプション取引を始め、大学休学中の今はエジプトで暮らしながら暗号資産の取引をしているよーぶん氏。「センスに関係なく適切な努力をすればトレードは勝てる」が持論で、トレードのスクールも開いている。
トレード手法を言語化して再現性を高めたいと話すよーぶん氏に、トレードを始めたきっかけやトレードに対する考え方などを聞いた。
インタビュー・編集:内田 誠也
執筆:山本 裕司
よーぶん氏 プロフィール
休学中の大学4年生。エジプト在住。高校生の頃にトレードをはじめ、現在は専業トレーダーとして活躍。トレーダー向けのスクール、訓練所を運営し、自らのトレードの再現性を追求。エジプトの投資用・住居用の不動産を2件所有。
Twitterアカウント:https://twitter.com/youbun_trader_
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「遊戯王」のカード取引がトレードの原点に
――今エジプトに住んでいらっしゃるんですね。
実はまだ大学4年生で、休学してエジプトに住んでいます。高校は海外の高校に行っていたので、海外生活も苦になりません。むしろ、海外で生活したいという気持ちがありました。
エジプトに住んでいるのは不動産を買ったからです。
今、エジプトでは首都移転のプロジェクトが進んでいて、新首都の建設が進んでいます。そこで不動産の先行販売があって、二件の不動産を買ったんです。
一件は住居用で、もう一件は投資用。このまま住み続けるかどうかは分かりませんが、しばらく街の発展を見たいと思っています。


――エジプトの物件を買うまで資産を大きくしたわけですが、トレードはいつ頃から始めたんですか。
トレードというか、資産を増やすことに興味を持ち始めたのは中学生の頃で、きっかけは遊戯王というカードゲームです。毎週末には大会に出場するくらいハマっていました。
大会で勝つには強いカードを集めるのなんて大前提なうえで、そこから練習していく必要があります。
パックを開けてカードを集めているとキリがないので中古カードショップなどで買うわけですが、中学生のお小遣いでは到底足りません。(大体1デッキ辺り3~5万円かかります。)
そこでカードの売買を始めたのがスタートですね。
――カードの売買で利益を得ていたのですか。
カードを売買する場所と言えば大きいチェーン店や個人店、メルカリなどが挙げられ、店によって買取価格や販売価格が異なる場合があります。買い取りキャンペーンなども存在しました。
そこで、薄利多売の個人店や流行に対する値付けの反応が遅いチェーン店で安く買ったカードを、メルカリや買い取りキャンペーン中の店で売るといったことをしてお金を稼いだんです。
まあ、アービトラージ取引のようなものですね。まだまだカードの中古市場が成熟していなかったので、そういった機会は沢山ありました。
――まさにトレードですね。
けれど、海外の高校に入学すると、外国にはカードショップなんてほとんどありませんから、売買ができなくなってしまいました。海外版のカードを買って日本で売るというようなこともしていたのですが、それほど儲かりませんでした。
その頃はカードの購入資金が目的ではなく、お金儲けそのものに興味が移っていたのもあり、ほかに何でお金儲けをしようかと考えた時に始めてみたのがFXです。高校2年の終わりくらいだった気がします。
Twitterでたまたま知ったバイナリーオプションで資産を増やす
――FXを始めてどうでしたか。
最初はさっぱりで私も養分トレーダーの1人でした。
そこで、TwitterでFXをやっている人を見ていて、最初に見つけた儲けている人がバイナリーオプションをしていたんです。それを見て単純に、ああ、これで勝てるんだ、と思ってバイナリーを始めました。
おそらくバイナリー界隈では一番有名なハイローオーストラリアというところを使っていて、勝ち始めたのは3,4ヶ月目くらいからです。
現在の投資の元手は、このバイナリーオプションで作りました。
――どうして勝てるようになったのですか。
自動売買のbotを作ったんです。自分でプログラムのコードを書き、バックテストをして結果が良かったものを実際にbot運用していました。
ところがハイローオーストラリアでは自動売買が禁止されていて、最後は規約違反でアカウントを凍結されてしまいました。しかし、この時バックテストに取り組んだのはとても良かったと思っています。
過去検証をして実際に勝つための方法を知ることができれば、メンタルがブレるなんてこともなくなりますし、それによって得た成功体験が今でもトレードに真摯に取り組む原動力となっています。
養分が養分から抜け出せないのは、成功体験がない故のメンタルコントロール不足も一因でしょう。
絶対に勝てるポイントを見つけ出す
――botを作るのにプログラムの知識はあったのですか。
それまで全くやったことがなくて、バイナリーのために初めて勉強しました。でも、バイナリーのバックテスト程度であればそれほど難しくはなくて、ローソク足を参照するくらいなんです。
2-3週間あれば余裕でできます。
――どんなペアで取り引きしていたのですか。
ハイローオーストラリアでは当時、17の通貨ペアがありました。すべて一通りやりましたね。ドル円やユーロ円はもちろん、豪ドル/ニュージーランドドル、スイスフラン/ドルなどもありました。
勝率が良かったのが、豪ドル/ニュージーランドドルでした。でも、今はそういった客側が勝ちやすいペアが扱われなくなったそうです。結局バイナリーは会社と顧客の勝負ですし、顧客側は常に不利です。
バイナリーには勝ちやすいロジックがたくさんあるんですけど、そういったポイントでは約定しにくいということもあります。私のときはそれほど多くなかったのですが、今もバイナリーをしている人によれば、以前に比べて勝つのが格段に難しくなっているそうです。
私はいい時期にやっていたのかもしれません。運が良かったんでしょうかね。
――botでやろうと思ったのもTwitterがきっかけなのでしょうか。
そうですね、偶然Twitterに流れてきたツイートを読んだのがきっかけでした。バックテストをして、勝てるポイントを探って勝負するというやり方に引かれたのは、遊戯王の転売をやっていたからかもしれません。
転売も、絶対に稼げる売買しかしないわけですから、どこか似ているような気もします。そう考えると、その経験は非常に大きかったのかもしれません。
まだ中古カード市場が未熟な頃に転売を始められたのも、Twitterでバイナリーやbotを知ったのも全て偶然です。本当に運が良かったですね。
底値で買ったビットコインの上昇で利益を得る
――バイナリーをやめた後、暗号資産の取引をどのように始めたのでしょうか。
バイナリーのアカウントを凍結された後、8カ月ほどはトレードをしていませんでした。なんか暇になったなあ、と思いながら、また何かやりたいなあ、とぼんやり考えていたという状態でした。
そこへ、またTwitterに「リップルすげえ」みたいなツイートが流れてきたんです。2019年初めくらいでしたね。さっそくリップルを買ってみました。
それで、いろいろ暗号資産について知るうちに、トレードができることも分かってビットコインのトレードを始めたという流れです。
――2019年というと、17年のバブルが終わって、暗号資産に対して悲観的な人も多かった頃だと思いますが。
私は17年のバブルを知らないからか、それほど悲観的には見ていなかったですね。
それで、最初はやはりbotでやってみようと思ってバックテストを始めたんですけど、全然勝てなくて。早々に切り上げました。
――FXと暗号資産では違ったということですか。
実はバイナリーで勝つロジックって、結構単純だったんです。何度も何度も検証して、ようやく見つけた「市場の穴」みたいな話ではなく、割と簡単に見つかるようなエッジだったんです。
しかも通常の売買では、たいして有効ではないけれど、0.1pipsの差でも勝ちは勝ちというバイナリーならでは勝てる裏技的な方法で、ビットコインでは全く通用しなかった。
2-3カ月ほど毎日検証してみましたが、全然だめでした。
ですから、今でもバックテストを取ることはありますが、基本的には裁量トレードがメインとなっています。
――すると、暗号資産の取り引きは最初はマイナスになったのですか。
それがそうではなくて、むしろ増えていったんです。
というのも、当時使っていた取引所はビットコインを証拠金で入れることになっていたんです。そこで、多少の日本円とリップルを除いて、投資資金のほとんどをビットコインにして証拠金にしていた。
それが19年2月の頃だったんですが、ビットコインの価格は40万円くらいで底値だったんです。その後、しばらくしてビットコインは反転して、2.5倍から3倍になった。
だからトレードで勝てなくても、自然とお金が増えていくという状態だったんです。
これも運がよかったですね。トレードについてじっくり考え、試行錯誤する余裕がありました。

暗号資産のトレードを始めて、トレードの難しさを肌で感じながらトレードに対する考え方を固めていったよーぶん氏。次回は、暗号資産のトレード手法や失敗談、トレードへの向き合い方などについて話を聞きます。
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