「面倒くさがりで自動化の考えが働く人はbotterに向いている」botter・BBB氏 1/3

botterのBBB氏に、最初の取引やbotterに向いている人などについて伺いました。

BBB氏 プロフィール

2017年から暗号資産に参入。主体となる戦略はトレンドフォローと恐怖への逆張り。ドローダウン多めのスイングトレーダー。取引自体はBotで運用。 2022年にクリプトユーザー向けのリアルスペース、Barの「CryptoBar P2P」をオープン。株式会社0xP2P代表取締役。

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取材実施日

2023年6月19日

人生最初の取引は、はなまるうどんで貯めたバイト代のユーグレナへの投資

ーー最初の取引について教えてください。

大学生の時にはなまるうどんでバイトしていたのですが、そこで貯めたお金で初めて買った株がユーグレナでした。

ちょうどバイオ株バブルの時期でしたね。

ーー当時のユーグレナについて教えてください。

そのときのユーグレナはミドリムシを使ったジェット燃料の開発で一番盛り上がっていた頃でした。

私は東大生ではありませんでしたが、ユーグレナに投資する前に、東大で行われた出雲さんの公開講演も聞きに行きましたね。

講演の内容は面白くて、カンボジアでの原体験のお話などをされていました。

長く保有して少しプラスぐらいでしたが、一喜一憂した心労に比べるとプラマイゼロでしたね。

ーーユーグレナへの投資以降について教えてください。

とりあえず全銘柄を見てみようと思って、日本取引所グループ発行のETN・ETF名鑑を見ながらVIXのオプションやETNなどを触っていました。

バルチック海運指数などとにかくいろんな数字を見ていましたね。

東証公式 ETF・ETN名鑑

出典:東証公式 ETF・ETN名鑑

今にして思うとすごく危ない橋を渡っていたと思います。

利益も少し出たくらいでしたね。

クリプトを触りはじめた2017年は雑な取引で失敗

ーークリプトに興味を持ったのはいつからでしょうか。

2017年の6月頃で、ビットコインが30万円ほどのときでした。

ビットコインのチャート

サトシのホワイトペーパーを読んで、性悪説で全部成り立っているという点がわかりやすくて、強く興味を持ちました。

神の見えざる手のように誰かが悪いことをしようとしてもできない仕組みがプロトコル上に実現されていて、綺麗だなと。

ーー2017年にはじめた取引はうまくいきましたか。

最初はコインチェックにリストされている全銘柄をとりあえず買うという雑な取引と、2018年1月の暴落をフルに受けて散々な結果でしたね。

ーーでは安定して利益が出るようになったのはいつからでしょうか。

2018年の1月以降は株式よりもクリプトが楽しくなって取引も増え、徐々に安定した利益が出るようになりました。

ストラテジーの構築やバックテストのしやすさにも魅力を感じ、botの運用を開始

ーーなぜクリプトの取引が楽しくなってきたのでしょうか。

クリプトは株式と比較するとアクセスできる情報の量も多く、市場も閉まりません。

その上でボラティリティも高いなど、アクティブトレードという観点では非常に魅力があり面白いなと思ったんですね。

そして取引所でAPIも公開されており、それを叩けば24時間365日いつでもトレードできる。

ストラテジーの構築やバックテストのしやすさにも魅力を感じ、botの運用も開始しました。

ーーbotの運用をはじめた経緯について詳しく教えてください。

当時は価格のボラティリティが大きく、値動きが非常にわかりやすかったんです。

それで、これならルールベースで取引できる、botで取引できると思ったんですね。

かつ、私は反射神経が弱く、スキャルピングは得意ではありません。

夜も寝たいし、長時間取引することによるストレスも避けたい。

クリプトの特徴的にも自分の志向や性格的にも、botの運用がマッチしていると思ったんです。

「値動きが非常にわかりやすかった」とはどういうことなのか

ーー「値動きが非常にわかりやすかった」とはどういうことでしょうか。

2018年ごろはマーケット参加者のほとんどが個人トレーダーだったため、個人の動きだけで値動きが決まっていました。

そのため、不確定要素が少なく価格決定に関する変数も少なかったため、非常にわかりやすい動きをしていたんです。

例えば「ニューヨーク時間には値上がりしやすい、あるいは値下がりしやすい」といった繰り返し起こる傾向があります。

それを時間で区切って統計的に分析し、結果を数値ベースで得ることができたんですね。

そこから「Xのときには80%の確率で値上がりする」などの定量的なデータを集めて、botに活かしました。

ーーbotは自分でコードを書いて開発していたのでしょうか。

はい。ただ、環境自体はサードパーティーのものを気にせず使っていました。

高頻度売買など0.01秒を争う取引ではもっと細かくコードを書く必要があります。

しかし私の場合は「毎朝9時のタイミングで成行きで売ったり買ったりする」といった、非常に単純な注文の執行でした。

そのため、botというと難しく聞こえますが、扱っている技術の難易度は非常に低いものなんです。

エンジニアのバックボーンがなくてもbotの運用は可能

ーーバックボーンはエンジニアでしょうか。

いいえ、私は元々はエンジニアではありません。

ーー統計的な分析を用いているとのことですが取引のために学習したのでしょうか。

統計的な分析は本当に簡単なもので、大学一年生の時に統計学を学んだ程度の知識で十分だったんですね。

エクセルを使って分析するレベルで、理系文系も関係ないと思います。

ーー2018年からbotの運用を始め、その後いかがですか。

この頃は短くて二日、長くて二週間から一ヶ月と比較的長めにポジションを持っていました。

それで月単位でのマイナスはありましたが、年間のトータルではしっかりとプラスになりましたね。

ーーそのような時間軸でbotの運用を行う場合、どの程度の頻度で結果のチェックを行うのでしょうか。

ポジションのずれを確認するための毎朝のチェックと、売買の通知が来た時のチェックで結構頻繁に見ていましたね。

怠けるためにはじめたbotの運用ですが、結局、相場からは離れずにいましたね。

ーー2018、2019年はどの程度トレードに時間を使っていたのでしょうか。

ほぼ専業トレーダーのような時間の使い方をしていましたね。

リターンを生む特定のアルゴリズムを一つ作れても、改良を重ねたり新しいアルファを探したりとやることは無限にあります。

データ収集や新しい通貨に対する準備などが実際の取引と同じくらい重要なので。

botterに向いているのは、データを見て分析するのが苦にならない人

ーーbotterに向いている人、向いていない人はどのような人だと思いますか。

まず前提として、botterにも様々な人がいて、MEVや自分でサンドイッチ攻撃を行うような人、ノードを自分で立てる人など様々です。

そして技術力ももちろんそうですが、素振りの回数や効率的にbotを作る能力なども重要です。

その上でですが、botterが向いている人は、データを見て分析するのが苦にならない人、これは絶対的な条件だと思います。

エンジニアリング的なスキルももちろん必要ですが、数値的な根拠をもとに定量的な分析を行うことが苦にならないことが重要です。

反対に向いていない人はそれが苦手な人、反復的な作業が苦手な人です。

仕事ができる人の方が向いていると思います。

ーー「仕事ができる」についてもっと具体的に教えてください。

ここで言う「仕事ができる」は、自分で設定したタスクを設計通りに実行することを指します。

そしてそれに加えて、結果が出たらダメだった部分を改善して次に活かせる、いわゆる自分でPDCAサイクルをきちんと回せる人ってことですね。

面倒くさがりで自動化の考えが働く人はbotterに向いている

ーー「データ分析が苦にならない人がbotterに向いている」とのことですが、バックボーンや性格における共通点はありますか。

当然ですがエンジニア経験のある人が多いです。

性格的には、面倒くさがりの人が向いていると思います。

例えば、「エクセルで同じ作業を繰り返すのが死ぬほど面倒くさいから自動化する」とか、そういう考えが自然と働く人はbotterに向いていると思います。

同じルールで売買するだけだから自動化して二度寝したい、とか。

わざわざ朝早く起きて価格をチェックする、そういうのが馬鹿らしい、面倒くさいから自動化する、そういう思考の人はbotterに向いていると思います。

ーー裁量トレーダーについてはどのように見ていますか。

純粋にそのバイタリティがすごいと感じます。

チャートに向かって長時間取引するような人もいますが、私には耐えられません。

眠くなってしまいますし、何をやっているんだろうと思ってしまいますね。

さまざまなデータを見ながらあれこれ考えるのは飽きませんが、同じようなチャートの赤と白のろうそくを長く見ていると飽きてしまいます。

裁量トレーダーの方々がどのように飽きずに長く長期間取り組んでいるのか、純粋に感心します。

突出した成果を出すbotterは他のbotterと何が違うの

ーー稼いでいるbotterの中でも突出した成果を出すbotterは何が違うのでしょうか。

領域によりますが、DeFi系のbotterは技術力の差が大きいでしょう。

例えば、「第三者の注文を検知してその注文より先に自身のトランザクションを成立させる」といった取引は、高い技術力があるからこそできることです。

そしてクリプトでは、ライバルのトランザクションの履歴も全て公開されています。

なので、他者の取引を分析しそれを上回る運用をぶつけるという技術力の殴り合いが、日々市場を通じて行われているわけです。

これは完全なゼロサムゲームで、このチェーンで一番強いのはこのアドレスの人、と世界ナンバーワンが可視化されています。

これらの人たちは、それぞれのナンバーワンであり、誰もが認めるナンバーワンですね。

ーーそのような高い技術力を持ったトップ層のbotterが具体的にどのような取引を行っているのか教えてください。

最近では、ミームコインのペペなどのサンドイッチ攻撃で、一日にガス代だけで十億円も使い、大金を稼いでいるbotterがいました。

第三者がDEXでペペを取引する際にスリッページの許容を5%で注文したとすると、それを検知し4.9%の鞘を取るサンドイッチ攻撃を仕掛けて利益を得る、といったイメージです。

それらトップ層のbotterがこれくらいの元手で一日に1,000万円稼いでいる、といったことも可視化されていますが、見てもどのように運用しているのか、どうやって流動性を吸収させているのか、それは想像がつかないんですね。

このレベルのbotterは本当にプロフェッショナルだと思います。

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BBB氏のインタビュー、2記事目に続きます。

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