「指輪でシードフレーズを管理することで有事においても財産を持って逃げることができる」Vaultwear・山口光行氏 後編

暗号指輪を製造・販売する山口光行氏に、暗号指輪の特徴などについて伺いました。

山口光行氏 プロフィール

10年以上の林業での就業を経て、「価値を保存する」をミッションとするVaultwearを創業。「Vault39」「Block Hand」の二つの暗号指輪を製造。ショップのウェブサイトはこちら。 https://shop.soliditymaterials.com/

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取材実施日

2024年3月22日

指輪でシードフレーズを管理することで有事においても財産を持って逃げることができる

ーー改めて「Valut39」や「Block hand」の特徴を教えてください。

用途にもよりますが、どのような緊急事態にも迅速に対応できることです。

災害や戦争などの危機的状況が発生しても、この指輪があれば重要な財産を迅速に携帯し、すぐに避難することができます。

平時よりも有事で役立つ商品と言えるかもしれません。

最近では2023年に発生したイスラエルとガザの戦争がありますが、このような有事においても財産を持って逃げることができるようになるでしょう。

隣国のエジプトのように暗号資産が禁止されている国では指輪の有効性は限定されてしまいますが、キエフなどの暗号資産が特別に禁止されていない地域であれば非常に有効的に活用できると思います。

青銅はシルバーやゴールドと比べて目立たず、耐火性にも優れており、戦時下でも他人の関心を引きづらい素材

ーー戦争リスクを考慮して設計された商品なのでしょうか。

製品開発の初期段階から、戦争を含む様々なリスクを考慮していましたね。

異なる文化圏では装飾品の扱いが大きく異なるため、国外での使用可能性を模索するなど、時間をかけて調査を行いました。

具体的には、過去の戦時国債や戦争など政治的混乱によって破綻した国の状況、シリアやアフガニスタンなどで通貨価値が崩壊した後の暗号資産の利用や規制の状況など、どのようにして資産を安全に管理し維持するかを考える際に非常に重要となる情報を調べました。

また、素材の選定においても戦争リスクを考慮しましたね。

最初期に選んだ青銅はシルバーやゴールドと比べて目立たず、耐火性にも優れており、戦時下でも他人の関心を引きづらい素材で、あえて選んだという経緯があります。

最近では、機能面だけでなくデザインにもこだわり、遊び心を加えたいという思いから、シルバー素材の活用にも挑戦しています。

弊社の製品は、自分の資産を守りたい人々だけでなく、極端な状況下でも生き延びようとするプレッパーにも適した商品だと思います。

製品が広く普及すればするほど価値が希釈され、周囲の人々の関心も薄れていく

ーー商品のデメリットやリスクなど、ネガティブな側面についてもお聞きしたいです。

最も極端な例としては、物理的な危害、例えば指や手首が損傷することでしょうか。

資産はパスワードで管理することで守られたとしても、物理的に指や腕を失うような事態になれば、指輪以前の問題になってしまいます。

商品が普及し認知が広まるとリスクが上がるという側面もあるとは思いますが、一定のラインを超えれば普及するほど価値が希釈され、周囲の人々の関心も薄れてリスクは下がるだろうと見ています。

今後はデザインの多様化を図り、目くらましやリスク回避のための新たな対策を検討しています。

さらに、より念入りな隠し方に関するノウハウを提供することも考えていますが、手法が広く知られることで新たなリスクが生じる可能性を懸念しているところです。

ーーユーザーが貴社に暗号文を共有するリスクについてはどのように考えていますか。

ご指摘のとおり、そのリスクも間違いなくあるでしょう。

理想としては、ユーザーが直接弊社に来訪し、自分で指輪に暗号文を刻印することが最も安全でしょう。

技術的には、レーザー刻印は基本的なパソコン操作でできるので、専門技術がない一般のユーザーでも自分で機械を操作して刻印することは可能です。

手打ち刻印についても、仕上がりが多少不均一になる可能性はありますが、三時間ほど練習すればできるはずです。

プレミアムな思い出がほしい方がいらっしゃれば、ぜひ佐賀の弊社までお越しください。

スマートコントラクトを使用せずプライバシーを重視した設計に特に反響をもらっている

ーー起業された背景について教えてください。

元々は10年以上、林業で働き、山で木を切っていたのですが、ブロックチェーンに興味を持つ過程でイーサリアムにたどり着き、学びを深めるためにソリディティハウスに参加しました。

その中で運営の落合渉悟さんに事業アイデアを聞いて、始めることになったというのがきっかけです。

参考:佐賀の古民家から世界で戦えるweb3エンジニアを育成、「ソリディティハウス」とは?(落合渉悟) | あたらしい経済

ーー2024年3月の自由が丘ライトニングマルシェでの出店では反響があったようですが、商品を購入された方は特にどのような点に関心を持たれているのでしょうか。

物理的に電子的な部品が入っていない指輪がどのようにしてブロックチェーンと連携するのか、という点に大きな関心を持っていただきました。

弊社の指輪はスマートコントラクトを使用せずプライバシーを重視した設計になっており、このユニークなアプローチが興味を引いたようで、特に外国の方々の関心が高かったと感じています。

今後は、自由が丘ライトニングマルシェにも継続的に出店していきたいですし、東京のビットコイナーのコミュニティへも積極的に参加し、交流を持って広めていきたいと考えています。

私はいま佐賀を拠点としているので、いずれは福岡県近辺のマーケットにも何らかのかたちで活動を結びつけたいと考えています。

物理的な媒体を用いて、ブロックチェーン技術がもたらした影響や功績などの価値ある記録を永続的に保存したい

ーー会社のビジョンや中長期的な目標を教えてください。

物理的な媒体を用いて、ブロックチェーン技術がもたらした影響や功績などの価値ある記録を永続的に保存したいと考えていて、それで「価値を保存する」というビジョンを掲げています。

現在は、ビジョンを達成するための具体的な事業や市場のニーズ、課題や解決策を考えているところです。

「Vault39」も「価値を保存する」のビジョンから生まれた商品です。

ーー山口さん個人は、ビットコインや暗号資産に関してどのような点に興味を持っていますか。

ビットコインや分散化技術の裏にある、自己資金の管理に大きな興味を持っています。

要するに、個人が自分の意思で自身の財産を管理し、自分の主権を保持することに関心がありますね。

絶対に国家だけは盲信してはいけない

ーー最後に読者へメッセージをお願いします。

地震などの大規模な災害が発生し、国家が緊急対応を強化し始めたときは、あらゆるものが国家によって抑圧される可能性があることを皆さんに知っておいていただきたいです。

私自身、絶対に国家だけは盲信してはいけないと強く感じつつ、現在進行形で各国の複雑な事情を把握しながら、自分がどのようにユーザーに資産保護の選択肢を提供できるかを模索しています。

今後はビットコインですら、税金の問題や政府による差し押さえのリスクが存在するでしょう。

国家が語る神話に洗脳されることは避け、自己資産を守るためには自己管理が不可欠であるということを強く訴えたいですね。

また、私自身、知らないことがまだたくさんあり、イベントなどがあれば、ぜひお声掛けいただきたいと思っています。

私はDeFiなどが苦手で、むしろセルフ・ソブリン・アイデンティティーや自己主権、思想などの領域が好きです。

また、秘密鍵の管理方法のような非常にローカルでマニアックな話題にも興味がありますね。

例えば、誰もいない深夜に電子機器を一切持たずに山奥へ行き、事前に下調べした場所に到着したら周囲に飛行機やドローンがないか確認し、秘密鍵を埋める、というのが秘密鍵の管理としては優れている、といったことを日々考えたりしています。

何かご興味いただけましたらぜひお声がけいただければと思います。

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全二回の山口光行氏のインタビュー、前編はこちら

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