これはなにか
2017年5月より暗号資産を取引している筆者の体験をもとに、当時発されていたバブル特有のシグナルについて記載をまとめたものです。
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なぜ書くか
記憶が喪失しないうちに言語化しておくことで正確に歴史を記述しておくため。
その教訓を活かし次に来るであろうバブルで早期かつ正確にバブルの頂点を察知し投資判断に反映させ、利潤を最大化させるため。
その果実をほかの投資家と共有するため。
Googleトレンドが急上昇を示す
2017年5月から上昇し12月にピークを迎えています。Googleトレンドは無料でだれでも簡単に利用できバブル度を測る指標として非常に有効ですが、デメリットはそれがバブルの頂点であるかの判断困難である点です。
トレンド的に急上昇していることがわかったとして、そのトレンドがまだ続くのか、すでにピークをすぎたのかそれだけで判断はできないので参考程度としましょう。
2017年12月15日、渋谷宮益坂の深夜の松屋でリテラシーが高くない層が暗号資産を語る
忘れもしない2017年12月15日華の金曜日深夜、渋谷宮益坂の松屋でリテラシーが高くないと思われる3名がビットコインで盛り上がっていたのを明確に覚えてます。
「これからもっと上がりますよ」「〇〇コインが上がりますよ」
よく覚えてないのですがだいたいそんなことを話してました。同店は日常的に頻繁に利用していましたがこのような光景は初めてでした。
1ETHが18万円を記録した2018年1月ごろ、日高屋 渋谷宮下公園前店でも同様のことがありました。
▼ビットコイン/米ドルのチャート。青の縦線が2017年12月15日。
オフィスビルでエスカレーターに乗るとみんな暗号資産の話をしている
おおよそ2017年11~12月ごろだったと記憶しています。
当時、筆者は渋谷のオフィスビルに通勤していたのですが、この頃は暗号資産市場が非常に熱気に包まれており、それはオフィスビルのエレベーターも例外ではありませんでした。
エレベーターで同席した他社の方々が毎回ビットコインの価格上昇について興奮気味に会話していたのを覚えています。
毎回は大袈裟なんじゃないかと思うかもしれませんが、相場が大きく動いた日はリアルに四分の三回はこんな感じでした。
知人の母親がポンジに誘われる
相場のトレンドとネズミ講の検挙数は相関があると言われています。S&P500の四半期リターンとその四半期中にSECが検挙したネズミ講詐欺の件数には、47・9%の相関があるそうです。
筆者の身の回りでも知人の母親が明らかにポンジと思われる勧誘を受けるなど、相場の盛り上がりと詐欺の勧誘が相関することは暗号資産でも同様であると予想できます。
1990年代終わりの強気相場でネズミ講は増加トレンドに乗り、2001年から2002年にインターネット・バブルが崩壊した余波の中でネズミ講は減少した。それから市場が上昇するとまた増加した。しかし金融危機後の2008年から2009年、市場が下落したとき、ネズミ講詐欺は急激に減少した★44。実際、ディーソンとラジゴパール、ウェイマイアは、S&P500の四半期リターンとその四半期中にSECが検挙したネズミ講詐欺の件数には、47・9%の相関があると推定した。
暗号資産関連のプロダクトのリリースが増える
当時は企業も暗号資産バブルに熱狂しており、プロダクトリリースが頻発していました。取引所やウォレット、メディアのリリースが多かったと記憶しています。
撤退判断をしたことで有名なサイバーエージェントの暗号資産取引所ですが、子会社のサイバーエージェントビットコインを設立したのは2017年10月2日でした。
参照:狙うは「エンタメ金融」サイバーエージェントが仮想通貨に参入
よくわからないインフルエンサーが急増しTwitterが盛り上がる
具体的なことは言えないが煽り能力だけ異様に高い謎のインフルエンサーが増えます。それを追う初心者トレーダーも増えます。かの有名な『いくで。やるで。リップル買い増しや』が誕生したのもこの時期でしょう。
XRPを煽っていたガリガリガリクソンが酒気帯び運転で逮捕されてしまったこともいまではいい思い出です。
投資家としての学びはなにか、次のバブルにどのように備えるべきか
渋谷の松屋や日高屋、オフィスビルでの他人の会話、身の回りで暗号資産関連の詐欺に誘われた人が増えていないか、プロダクトのリリースが急増していないか、ツイッターが異様な熱気に包まれていないか察知できるようになりましょう。
映画「チャイナ・ブーム」や「マネー・ショート」で現地工場の稼働状況や不動産の空き家状況について足を運び投資判断の参考にするエピソードがありますが、日本のクリプトではそれが松屋であり日高屋であるということです。
これはあくまで例えであり半分ネタですが、コスト小さく確実に調べられるという点において、このような検証方法は今後も有効な手段の一つであると筆者は考えています。
暗号資産を長く触っているとXのタイムラインや連絡をとる知人もリテラシーが高い人に最適化されフィルターバブルに陥りやすいです。
その結果、市場がどの程度の愚かさに覆われているのか、どれだけリスクオンに傾いているのか見誤ってしまうことが多々あります。
質が高い情報源への効率的なアクセス手段は当然維持しつつ、それとは別に市場全体での平均リテラシーの変化や熱狂度を測れるフラットな指標を持ち、冷静な投資判断ができる状況をいまのうちから作っておくことが次のバブルでの利潤の最大化に繋がると筆者は考えます。
参考資料
2017年当時に参加していた投資家の大変貴重な座談会記事を見つけたので貼っておきます。
「バイナンスで扱っているコインのアルファベットの語呂を見て「これ上がりそうだな」と10銘柄くらいを10万円ずつ買って、一発を狙いにいきました」
「僕、堅実派だから、僕ひとりだったら抜くんですけど、まわりがみんな投資していて、儲かっていたから、自分だけ損しちゃうかなと思って抜けなかった。」
などなど、バブル時において投資家がどれだけリスクオンの心理になるかなど非常に示唆に富んだ内容となっており歴史の資料として目を通しておくことをお勧めします。
参照:暗号資産の夢 経験者が語る あの「ビットコインバブル」
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