「イーサリアムの登場により遊び場がビットコインからイーサリアムに移った」クリプトプレイヤー・うどん氏 1/3

2015年から暗号資産に携わるうどん氏に、暗号資産に触れたきっかけやこれまでの取引について伺いました。

うどん氏 プロフィール

2015年からのクリプトプレイヤー。クリプト関連企業を2019年創業に携わり、売却。現在も複数のクリプト関連企業でアドバイザー・リサーチャーとして活動。

Sponsor

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取材実施日

2023年10月19日

2015年、中学生の頃からビットコインを触る

ーーまずはご経歴について教えてください。

暗号資産を触り始めたのは2015年からで、コミュニティを作ったり、YouTubeの「やさしいDeFi」でDeFiの解説などを行っています。

そのほか、暗号資産関連の企業を創業したり、創業を手伝ったり、アドバイザーなどを行っています。

2015年当時は中学生で、いまは20代前半です。

ーー2015年にはじめて暗号資産に触れたきっかけについて教えてください。

当時は電子工作に興味があり、ラズベリーパイも出てきたタイミングで、関連の書籍を買おうと本屋に行きました。そこでたまたま手に取った「ヤバイお金」という書籍でビットコインが紹介されていた、というのが最初です。

「24時間インターネットで送れるお金」「会社が管理しているのではなくコンピューターの計算を回すことでシステムが維持されている」といった紹介がされていて、シンプルに面白そうだと感じました。

それで貯めてたお年玉を使って1ヶ月後にはビットコインを買っていました。

口座は親に作ってもらったのですが、たぶんビットフライヤーだったと思います。

ーー電子工作に元々興味があったとのことで、マイニングもされたのでしょうか。

はい、マイニングもやりました。

ただ、ASICを買って動かしはしたのですが、そのとき家に固定回線を引いていなかったので「動かしてみた、やった!」で終わってしまっていて、継続的に掘り続けたわけではありません。

2015年頃はカウンターパーティーを通して独自トークンを作り、配布して遊んでいた

ーー2015年に初めてビットコインを購入して、その後について教えてください。

ビットコインのマイニングに参加できるわくわく感から怪しいクラウドマイニングにお金を入れて5,000円飛ばれたり、カウンターパーティーで独自トークンを作ったりして遊んでいました。

チップボタンを置いて、そのボタンを通してチップされると一定額のファントークンが返ってくるという、ICOの原型のような遊びもありましたね。

カウンターパーティーには配当機能のようなものがあり、トークンを持っている人に特定のトークンをさらに追加で配ったり、ビットコインを配る機能もあったので、それでみんなで遊んだりお互い自分のトークンを作って送り合ったり、ゲームをしたりしていました。

「タカラ」という、特定の場所に位置情報を移動するとそこに置いてあるトークがもらえる、といったものもありました。

ーーその頃はどのようにしてビットコインを購入していたのでしょうか。

お小遣いは大体毎月使い切るので、お年玉や誕生日プレゼントでビットコインを買っていましたね。

ーー親御さんに協力して口座を作ってもらったとのことですが、心配や反対はなかったのでしょうか。

特に心配や反対はありませんでした。金額が小さかったのと、おそらくAmazonギフトカードを買ってあげたくらいの感覚だったんだと思います。

ーー学校の友達や知り合いでビットコインを買っている人はいましたか。

買った人はいないですがパソコン好きでノードを立てた友人はいました。

イーサリアムの登場により、遊び場がビットコインからイーサリアムに移った

ーー暗号資産は2017年に盛り上がりましたが、その頃はいかがですか。

2016年からは9割はイーサリアムを買って、残り1割は少額で面白いトークンを買うという感じでしたね。

ーーなぜビットコインではなくイーサリアムだったのでしょうか。

遊び場がだんだんとビットコインではなくイーサリアムに移っていったからですね。

2016年からイーサリアムでのICOやThe DAOのようなスマートコントラクトを使った遊び、トークンが出てきました。そして、それらで遊ぶ中で購入するトークンもイーサリアムに変わっていった、というのが大きな理由です。

ちなみに、イーサリアムのICOには参加していません。

ーー2020年、2021年あたりはどのように取引していましたか。

2018年から2020年前半までは収入があればずっとイーサリアムを積み立てていました。

2020年にイーサリアムを担保にドルステーブルコインを借りて、DeFiで色々遊んで、2021年はそれほどポジションはとっていないですね。

基本的には、イーサリアムを主軸にしつつ、少額でいろんなものに種まきしたり、遊んだり、育ったものをドルステーブルコインに替えて借金を返すといったことをやっていました。

半日の差で出金が間に合った2022年のFTXショック

ーー2022年のFTXショックには巻き込まれましたか。

巻き込まれかけましたが、怪しい空気が出たときに全額出金していたので助かりました。

ーーいつなにが怪しいと思って出金されたのでしょうか。

元々、2022年の前半でブル相場の終わりを察して資金の半分ほどを売り抜けていました。その上で少額をFTXに入れていたのですが、2022年11月1日に、FTX EarnでEarnできる金額の上限量が2,000万ドルほどから10万ドルまで突如減額されました。

そしてその翌日、コインデスクに「FTXの資産は3ビリオンドルほどFTT Tokenに置き換えられている」といった記事が掲載されました。

FTX内部に仮想通貨担保にドルを貸出するLending機能が内蔵されているので、もしかしてFTT担保にUSDを借りたのかなと思ってドルの貸し出し残高を見ると、借りられているのは1.5から2ビリオンほどで、記事にあった3ビリオンドルと1ビリオンほど多かったんですね。

それで「レンディングで貸し出している金額でも数字が合わないということは裏帳簿でもあるのか?」と考え、とりあえず大部分を出金しました。

すると、TwitterでCZがサムに「最近あった報道に基づき、FTTをすべて売る」的なことを言い始めて、「これは本当だってことを全部知ってるんだな」と思って残りもすべて出金しましたね。

ーーそのタイミングでも間に合ったのですね。

そうです。

CZのツイートを見て即時出金すれば全然間に合ってましたね。私の知人でも即時出金した人は全員助かっています。半日後、一日後に出金した人は、あまり助かっていないですね。

2017年と2021年のバブルに盛り上がりの差はなかった

ーー2022年前半で「ブル相場の終わりを察して資金の半分ほどを売り抜けていました」とのことで、いま振り返るととても良いタイミングで売れています。なぜでしょうか。

明確な指標があったというよりは、含み益が一定溜まってきてたのと、相場の雰囲気的に終わりが近いと感じたから、ですね。

あの時期はTwitterの空気も浮かれていましたし、金融市場も利上げの話が盛り上がってきていて、ドルもあまり保有できていなかったので多めに持っておこう、と思いました。

ーー2021年のバブルは2017年と比較するとやや盛り上がりに欠けたという声もあります。2017年と2021年の2回の暗号資産のバブルを経験されていますが、違いはありましたか。

そうでしょうか。私の中では盛り上がりの差は感じられなかったですね。

2021年も新しく入ってきた人が買っていたアルトコインはすごく盛り上がっていた印象です。例えば$SOLは2020年から100倍になりました。

▼SOL/USDの2020-2021のチャート

2021年にはエアドロが話題になりましたが、2017年も同様にメールアドレスを登録してエアドロを受け取ることが流行っていて、エアドロの再燃や草コインの急激な上昇など、17年と比較しても遜色ない印象があります。

ーー$SOLの話が出ましたが、2021年ではそのような銘柄に乗れましたか。

少額で買っていたものが少し増えたぐらいで、それほどガッツリ乗れているわけではありません。

2022年末よりもお金周りは渋くなっていて、FTXの余波も含めてじわじわ効いている印象

ーーいまの暗号資産のマーケットについてどのように見ていますか。(取材実施日:2023年10月19日)

エコシステム全体の話になりますが、人は思ったより残っていますがお金周りは渋くなっている印象です。

2021年のバブルで適切に利確できたスタートアップは結構潤沢で、うまく資金管理しているところはお金を持っています。例えばDYDXは預金残高で数億ドル持っています。

ただ、そういうところは派手なお金の使い方もしないので、他のエコシステムに流れることもありません。

なので利確できなかったスタートアップは大変そうですね。VCも利上げで厳しそうです。総じて2022年末よりもお金周りは渋くなっていて、FTXの余波も含めてじわじわ効いている印象があります。

このようにお金周りは渋いですが、2018年から2020年の頃に比べると人はまだ残っているなという印象です。

自由に色々なものを作って公開する、何でもござれの環境が見てて飽きない

ーー人によって暗号資産に対して興味を持っている点は異なりますが、うどんさんはどのような点に興味を持っていますか。

みんなが自由に色々なものを作って公開する、そういう環境が好きなんです。特にその中でもイーサリアムは何でもござれの環境で、見てて飽きません。

ーー2020年からイーサリアムを主軸に買っているとのことですが、いまでもプロジェクトとして最も興味があるのはイーサリアムなのでしょうか。

そうです、そこは変わっていません。

コインリストで買った$FLOWが0.1ドルから10ドル以上に上昇

ーー印象的な成功した取引について教えてください。

一撃で大きく勝ったというのはあまりなくて、おそらくコインリストで買った$FLOWが0.1ドルから10ドル、20ドルになっていて、短期間の倍率としては一番大きいです。

1年で100倍というのは2017年のイーサリアムぐらいのもので、これは大きな成功でした。

▼FLOW/USDの2021年のチャート

ーー$FLOWを知ってから購入するまでについて教えてください。

コインリストには元々2017年ごろに登録していて、$FLOWを紹介したメールが来てそこで知ったのが最初です。

ロットも1人1,000ドルまでで条件も良さそうだったのでとりあえず買ってみたというのが経緯です。なのですごく調べて買ったとか、そういうものではないですね。

ーー買って放置していたら上がっていたということでしょうか。

というよりは、1年間の売却制限がかかっていたんですね。

なので売れなかったのですが、ステーキング収入だけは入るからそれが「不労」と「Flow」をかけてFlow所得と言われていました。

私はヘッジしたりしていましたが、1年後ぐらいにみんな売ってましたね。

ーー同じように買ったものは$FLOW以外にもいくつかあったのでしょうか。

いくつかありますが、1年で100倍というのは$FLOWと2017年のイーサリアムぐらいですね。

FTXのIEO、バイナンスのIEOは参加していて一定増やせてはいますが、100ドル、200ドルとロットは小さいですし、即売りすることも多かったのであまり覚えていません。

ーー一撃じゃない印象的な成功はありますか。

それだとイーサリアムですね。最初に買った時は1.5ドルほどでしたが、その後1,400ドルほどまで上昇して、100ドルほどまで落ちて、また100ドル、300ドルで買って2021年には最終的に4,800ドルまで上昇しました。

そのため、リターンで言えばイーサリアムの成功が一番大きいです。

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全3回のうどん氏のインタビュー、2記事目に続きます。

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