中央集権型の暗号資産担保ローンを利用して得られた気づきはなにか

中央集権型のクリプト担保ローンとはなにか

借り入れる資産価格以上の暗号資産を担保として差し出すことで、特定の資産を借り入れられるサービスをここでは指します。

例:1,000万円分のBTCを担保とすることで500万円分の日本円を借り入れる

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→サービスについてもっと詳しく知りたい方はこちらををご覧ください。

この記事で実現したいことはなにか

中央集権型クリプト担保ローンについて、

・DeFiと比較してどのような利便または不便があるか

・投資家またはトレーダーが利用を検討する際にはどのような注意すればよいか

を明らかにすることで、業界発展の一助となることを目指した記事です。

どのクリプト担保ローンを利用したか

本記事では特定のサービスに対する評価を行うのではなく、前述のとおり本質的に中央集権型暗号資産担保ローンの価値や評価を論じる記事であり、そのためあえて固有のサービス名を表現しません。

注意事項

この記事は2021年時点の情報を参考にしており、2022年以降でのサービス形態などは変わっている可能性が高い旨、ご注意ください。

デメリット①借り入れ資産入金までの時間軸が長い

前提として、問い合わせから借り入れ資産の入金までは下記のような手続きを踏みます。

1:サービスの主体に問い合わせを実施

2:オンラインで打ち合わせ・説明の実施

3:審査

4:契約手続き

5:担保資産の預け入れ

6:借り入れ資産の入金

オンラインでの打ち合わせから借り入れ資産の入金まで約14日間ほど時間を要しました。私側はほぼボールを持たず対応していたため、最低限必要な期間に近しいと思われます。

打ち合わせ以降の時間軸が上記であり、問い合わせから数えると上記以上の時間が経過しています。

サービス利用を検討して実際の入金までに14日前後の時間が必要な点は、DeFiと比較して大きく劣る点でしょう。

まして暗号資産領域は日々状況が大きく変わる市場であり、そのような市場環境の中で借り入れまでに大きな時間をようする仕様は大きなデメリットと言えます。

デメリット②契約コストが大きい

上記手続きにも記載しましたが、時間軸が長いだけでなく、手続きコストも大きいです。

・担当者とのやりとり(電話・メール・オンラインmtg)

・契約手続き(数枚以上の書類の提出が必要、郵送物受け取りもあり)

などDeFiでは存在し得ない手続きがあります。

中央集権型のサービスを利用する以上想定はしていましたが、実際に手続きを行うと重荷に感じます。

デメリット③担保資産の返却までの時間軸が長い

前提として下記手続きを踏みます。

・返済の申し入れ

・手続き

・借り入れ資産の返済

・担保資産の返却

上記に数営業日を要します。

例えば相場が加熱し、担保資産であるBTCの売却を判断した際に、実際に売却の実行までに数営業日以上を要します。これは大きなディスアドバンテージと言えます。

2017年12月や2018年1月のような短期間で大きなボラティリティのある相場では使い勝手がとても悪いです。

トレーダーはより天井に近い相場で資産を売却することを目指しますが、その対応はかなり難しくなります。

デメリット④契約にフレキシブルさがない

複数回に分けて借り入れを行っても、借り入れ資産の返済はまとめて一括で行う必要があり、契約にフレキシブルさがありません。

デメリット⑤担保資産の選択肢がない

私が利用したサービスは担保資産としてはBTCしか選択することができません。

これはつまり担保資産の分だけBTCとしてのHODLがロックされることであり、BTC以外の資産でHODLしたい人にとっては大きなデメリットとなり得ます。

また、一部資産をBTCでHODLすることに対して大きな抵抗を持つ投資家・トレーダーは少ないと予想されますが、資産の大きい比率を担保として差し出す場合はそれだけBTCのHODLとしてロックされる比率も高まり、これは避けたい投資家・トレーダーは多いのではないでしょうか。

仮に

・資産の担保比率を200%とし全資産を担保として差し出し

・借り入れた資産をBTC以外の資産でHODL

したとするとポジションの50%はBTCでHODLすることになります。しかもこのポジションは前述のとおり柔軟に変更することはできません。

これをデメリットとする投資家・トレーダーは少なくないでしょう。

メリット①ローンの金利はそれほど高くない

利率は1桁でそれほど高くはありません。人が介在する以上、DeFiよりはるかに高い利率を想定していましたが、DeFiと遜色ない利率で借りることができます。

メリット②システマチックに担保資産が償却されるわけではない

担保資産の価値が必要な担保資産比率を下回った場合の償却について、特定の1取引所で発生した瞬間的な髭などで償却されることを恐れていましたが、そのような仕組みにはなっていないようです。

メリット③「スマートコントラクトのインフラに対する悪意のあるハッキング攻撃」のリスクがない、または小さい

MakerDAOの公式ページにも記載のとおり、DeFiにはスマートコントラクトに対するハッキングリスクがあります。中央集権型であるがゆえにこのリスクがない、または小さいこともメリットとして挙げられます。

「中央集権型とはいえハッキングされて担保資産を失い、担保返却能力を失うリスクが存在するのでは」の問いに対する回答はyesですが、対象企業の支払い能力、または対象企業のグループ・親会社の支払い能力や救済措置を行わなかった際のブランド毀損リスクを考慮し、リスクはゼロではないが一定小さい、と判断しています。

そもそも、なぜDeFiでなく中央集権型のクリプト担保ローンを利用したか

1:DeFiの「スマートコントラクトのインフラに対する悪意のあるハッキング攻撃」の安全性に対して十分な確信が持てなかったこと

2:前述のデメリット①②⑤のコストが、サービスの利点に対して小さいと感じたこと

3:前述のメリット①②③が魅力的であると感じたこと

の以上3点を踏まえて、中央集権型のクリプト担保ローンの利用を判断しました。

いま当時に戻って意思決定し直せるとして同じ意思決定を行うか、またはDeFiを選択するか

デメリット③④は利用開始後に気付きましたが、やはりそれでも変わらない意思決定をしていたと考えています。

「DeFiの「スマートコントラクトのインフラに対する悪意のあるハッキング攻撃」の安全性に対して十分な確信が持てなかったこと」が意思決定の判断軸としてとても大きいためです。

2年後にクリプト担保ローンを利用するとしてDeFiを利用するか、または中央集権型クリプト担保ローンを利用するか

時間のふるいにもかけられていることも踏まえると、状況が大きく変わっていなければ「スマートコントラクトのインフラに対する悪意のあるハッキング攻撃」のリスクは小さくなっているはずと判断されるため、回答が難しい問いです。

・DeFiと中央集権型で分散して利用する

・短期間のみ利用する

・担保を預け入れすぎない

・利用先を分散する

などを考慮して次はDeFiで借り入れする可能性もあるとは考えています。

上記を踏まえて、他の投資家・トレーダーに中央集権型のクリプト担保ローンを推奨できるか

サービス自体は推奨できます。しかし利用によって利益を享受できるタイミングや人は選ばれるでしょう。

また、中央集権型のサービスを実際に体験しDeFiの価値を利用者の視点として再評価できる、という意味でも投資家・トレーダーには利用が推奨されます。

私は今回の体験を通してDeFiに対する評価が上がりました。

今後、中央集権型のクリプト担保ローンの利用は進むと思うか

進むと予想されます。開発や競争が進むことでDeFiの利便性も今後いま以上に飛躍的に向上することは言うまでもありませんが、

・スマートコントラクトのインフラに対する悪意のあるハッキング攻撃のリスクはゼロにはなり得ない

・ハッキング時に救済が入りえる可能性

の2点に対するリスク懸念・ニーズは不朽であると考えてあり、そのためいま以上には利用が普及すると予想しています。

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