エヌビディアにいつ投資すればよかったのか

Nvidiaとは

Nvidiaは1991年1月1日にNASDAQで上場したアメリカの企業です。

主にGPUと呼ばれるコンピュータ部品の設計および販売、NvidiaのGPUに特化したソフトウェアの開発および提供を行っています。

現代社会においてデータの通信量は膨大になっており、保存先や端末の処理速度の高速化が求められます。

GPUは単純計算を大量かつ高速に行えるため、企業のデータセンターや個人のハイスペックパソコンで導入されています。

2023年以降生成AIブームにより、さらに多くのデータ処理が求められる様になったため、Nvidiaが広く世間に知れ渡りました。

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Nvidiaの株価

2024年3月1日時点のNvidiaの株価
(出典:Trading View)

Nvidiaの株価は、2024年3月1日時点で822.79$です。

2022年末にChatGPTが大流行した事を皮切りに生成AIブームが始まりました。

Nvidiaの株価は2023年に+239%上昇し、2024年も年初から+66.1%の大幅な上昇が記録されています。

この上昇は米国株投資家なら誰もが知っている事と思いますが、機会を逃した方もいるでしょう。

今回はNvidiaの過去を振り返り、いつ購入できたのか?を検討します。

次の類似した投資機会を逃さないためにはどの様な視点が必要か?と併せて解説していきます。

株価チャートから振り返るNvidiaの投資ポイント

IPO以来のNvidiaの月足株価チャート
(出典:Trading View)

上図は、NvidiaのIPO以来の月足株価チャートです。

株価に大きな変化があったのは、

1.2000~2002年 (ITバブル崩壊)

2.2004~2008年 (リーマンショック)

3.2011年 (自動運転による提携)

4.2016~2019年 (ディープラーニングブーム)

5.2020~2022年 (コロナショック)

6.2023年~現在 (生成AIブーム)

です。

株価の急騰には変化があった事が示されているため、それぞれの事象について業績を見ながら確認していきます。

ITバブル崩壊期 (1999~2002)

ITバブル崩壊期のNvidiaのチャート
(出典:Trading View)

ITバブル崩壊とは、1990年代後半から2000年代初頭に掛けてインターネット関連企業の株価が急騰した後、暴落した現象を指します。

2001~2004年のNvidiaの売上高推移

上図は、Nvidiaの売上高推移をまとめた表です。

(決算年度で区切っているため、実際の西暦とは異なります。)

NvidiaもITバブルの最盛期に上場し、業績を伸ばしました。

しかし、企業の投資が抑えられる時期に入りITバブル崩壊の波に飲まれ、業績の低迷と投資家の期待値が低下して株価は10カ月間で90.1%下落しました。

株価下落が起こったのは、2002年度4Q(2002年2月)〜2003年度3Q(2002年11月)です。

売上高は469M$から486M$のため、売上高が大幅に低下した事が主な要因ではなく、投資家の期待値が大幅に減少した結果の暴落です。

業績向上とリーマンショック期 (2005~2008)

2005~2008年のNvidiaのチャート
(出典:Trading View)

2005年はNvidiaが再度業績を上げた時期です。

GPUの継続的な成長に加えて、現在はないMCP事業の強さに成長がけん引されました。

2005~2008年のNvidiaの売上高推移
2009~2012年のNvidiaの売上高推移

しかし、2008年4Qの急激な売上高低迷を引き金にリーマンショックの波に飲まれました。

株価は約1年間で85.5%下落しました。

車載ナビへの導入 (2011)

2011年のNvidiaのチャート
(出典:Trading View)

2011年は1月4日にTesla ModelSとBMWの新型車の車載ナビにGPUが採用される事を発表し、株価が上昇しました。

2009~2012年のNvidiaの売上高推移

また、1月5日には新製品Tegra2の発表があり、株価の上昇が継続しました。

しかし、2月に発表された2011年4Qでは成長率が減速し、株価も低迷しました。

ディープラーニングとマイニングブーム (2016~2018)

2016~2018年のNvidiaのチャート
(出典:Trading View)

Nvidiaに大きな変化が起こり始めたのは、2016年です。

2006年にディープラーニングが発表されて以来、第三次AIブームが始まりました。

2010年代半ばから企業のAI導入が活発になっている中で、2016年にGPUの並列計算能力がディープラーニングに適している事が分かり、需要が高まりました。

また、Nvidiaが提供しているCUDAのオープンソースが他社よりも充実していた事から競合優位性が高い状況でした。

2013~2016年のNvidiaの売上高推移
2017~2020年のNvidiaの売上高推移

2016年2月に発表された2016年度4Q以降、売上高成長率は大きく上昇しています。

ドルベースでのビットコインの日足チャート
(出典:Trading View)

上図は、ドルベースのビットコインの価格を表した日足チャートです。

2017年からはビットコインブームが到来した事がNvidiaの追い風になっています。

ビットコインの価格上昇に伴い、マイニングブームが起こりました。

マイニングとは、仮想通貨の取引内容を承認し取引させる作業の事です。

マイニングが成功すると報酬として仮想通貨がもらえますが、最初の承認成功者のみに適応されます。

そのため、マイニング速度を上げなければ報酬が受け取れません。

マイニング速度向上の役に立つのがGPUであり、2017年からはNvidiaに大きな追い風が吹きました。

また、2018年にNvidiaが下落した要因は、

1.米中貿易摩擦

2.世界の経済の見通し悪化

3.アメリカの利上げによる懸念

などが挙げられます。

上記の理由に伴い、売上高は2019年4Qに下落しています。

コロナショックと在宅銘柄 (2020~2022)

2020~2022年のNvidiaのチャート
(出典:Trading View)

2020年はコロナショックによって世界中で株安が発生しましたが、金融緩和によりハイテク企業を中心に株高へ変化しました。

2017~2020年のNvidiaの売上高推移
2021~2024年のNvidiaの売上高推移

外出規制の中、ハイスペックパソコン需要の増加やサーバー強化に伴い、Nvidiaの需要が高まりました。

その結果、Nvidiaの株価は大幅に上昇しました。

しかし、2022年に入ると利上げ環境に伴う株式環境の悪化やパソコン需要が先取りした反動で業績も低迷し、株価は急落しました。

また、業績低迷の一因として中国を始めとする各国のマイニング規制があり、さらなる逆風にさらされました。

生成AIブーム (2023~)

2023~2024年のNvidiaのチャート
(出典:Trading View)

2022年末からOpenAI社のChatGPTの人気が高まり、世間で生成AIブームが始まりました。

2021~2024年のNvidiaの売上高推移

実態が伴なう前に株価は急騰し、業績に反映されたのは2024年度1Q決算(2023年5月)でした。

その後は、大型株では類を見ない売上高成長率を背景に株価は上昇を続けています。

Nvidiaの転換点

過去に事業の撤退も経験していますが、Nvidiaにとって最も大きな転換点は2016年のディープラーニングとの親和性による需要増加です。

2016年までは極端に言えば、グラフィックを用いる業界など一部の業種で用いられる高級部品に過ぎませんでした。

しかし、AI導入および研究で必要なパーツとなり、マイニングで使用されるようになり、現在では生成AIやデータセンターなどで広く使われるようになりました。

Nvidiaの購入

個別株を購入する上で重要な事は株価上昇が見込まれる事です。

株価上昇の鍵となるのは、「業績の向上」と「投資家の期待値向上」です。

ITバブル崩壊時の様に、業績には大きな変化がなくても期待値が高い水準である場合は急落の可能性があります。

反対に、業績が悪化すればリーマンショックの時の様に大きな下落を経験します。

一番良い購入時期は、業績と投資家の期待値が安定している時期です。

購入時期だけに焦点を当てると、2006年、2016年、2020年、2023年が良いと言えます。

Nvidiaを保有し続けられるか?

先ほど挙げた時期に購入したとして、現在まで保有し続けられるか?と想定リターンを考えてみます。

2005~2008年のNvidiaの売上高推移

2006年に購入した場合は、業績の低迷が確認された時点で売却する結果になるでしょう。

そのため、2006年4Q(2006年2月)〜2008年度4Q(2008年2月)には売却が理想です。

想定リターンは、2年間で+67.2%です。

2013~2016年のNvidiaの売上高推移
2017~2020年のNvidiaの売上高推移

2016年に購入した場合は、2018年の中国規制をどの様に考えるかで異なります。

2018年7月には中国との関税問題が発生し、2019年度4Q (2019年2月)では業績低迷が確認できます。

投資家としては懸念がある時は売る事が前提になるため、保有期間は2016年度4Q (2016年2月)〜2019年7月または2018年度3Q(2018年11月)に売却が理想です。

想定リターンは、+814.5%または+507.2%です。

2021~2024年のNvidiaの売上高推移

2020年に購入した場合は、2022年の金融引き締めとパソコン需要低迷時に売るかで異なります。

2022年は半導体の需要はかなり低迷していたので売っても不思議ではありません。

保有期間が2020年3月〜2022年1月の場合、想定リターンは+549.6%です。

2021~2024年のNvidiaの売上高推移

2023年の購入は、年初からの購入と業績が反映された5月に購入するパターンが想定されます。

売り時は特にないため、保有継続を前提とすると保有期間は2023年1月または5月(2024年度2Q)〜現在が理想です。

想定リターンは、+463.2%または+113.5%です。

結論:投資期待値の向上が見込まれる局面は4回あった

Nvidiaを購入するための前提となる業績と投資期待値の向上が見込まれる局面は、2006年、2016年、2020年、2023年の4回あったと考えられます。

しかし、現在まで保有を続ける根拠があるのは2023年だけです。

2016年以降は保有を続ける選択肢はあるものの、業績低迷や株価急落があり、保有し続けるだけの根拠は薄い状況がありました。

また、根拠を基に購入と売却するだけでも十分なリターンは得られるでしょう。

個別株投資はインデックス投資とは異なり、変動率が高く、保有し続けていれば報われるとも限りません。

保有し続けた場合の結果論で見るよりも、当時にどの様な視点で観測できたかを考えることが今後のトレードに転用できる技術です。

Nvidiaの様に大きく伸びる銘柄を見つけた際は、業績と投資家期待値の向上を確認していくことで高いリターンが期待できます。

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