トレーダーのタキオン氏に、次のブル相場で試したいことなどについて伺いました。
タキオン氏 プロフィール
クリプトトレーダー、BTC短期から長期まで幅広く株も商品もボラさえあればなんでも触る。最近はNFT多め。本業はWeb系のプロダクトマネージャー。
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取材実施日
2023年11月1日
今後のビットコイン価格に関する各要素について
ーー「ビットコインは4万8,000ドルまで上昇後、一旦下落し、その後、米国の利下げのタイミングで高値を超える」について詳しく教えてください。
大前提として、「中央銀行がお金を刷り続ける限りビットコインの価格は相対的に上がっていく」と考えています。これはビットコインに限らず、ゴールドや株でも同じです。
その上でですが、4万8,000ドル程度であれば、ETFネタでの資金流入の兆し、利下げ期待などで到達できると思いますが、それ以上は、それほど資金が入ってくる目処もないので、また利確されて下げてくると見ています。
半減期も期待されていますが、半減期はその度に採掘量の減少幅が小さくなっていく性質があり、回を重ねるごとにマーケットへの影響は弱まってきていて、今後の上昇も緩やかになっていくと予想しています。
▼2022-2023年のビットコイン/USDのチャート
そして、ETFも、ETFの承認そのもので上がるというよりは、ETF承認により買い手が増えることでの買い圧の上昇なんですね。2021年にグレースケールでビットコインの取り扱いが始まった際も、グレースケールのGBTCの価格が大きく上昇し、現物に対して価格が乖離しました。
参考:グレースケール投信GBTCの現物乖離-36.2%に、BTCは2万ドル台で底堅く推移|COINPOST
GBTCがそれだけ買われたということはGBTCの裏付け資産のためにそれだけ市場からビットコインの現物が買われたはずで、そのせいか現物もショートカバーを起こして大きく上昇した記憶があります。
ETFの取り扱いが開始されれば、401kなど、グレースケールよりも買い手を増やすはずで、価格に対する圧力はより強いはずです。
それはそれでトレーダーからすると嬉しいことではありますが、しかし、ETF承認まで到達すれば、これ以上大規模なイベントは残っておらず、イベントでの魅力的な取引機会というのはここまでと見ています。
ーー次は国の準備通貨採用ですね。
ゴールドの市場規模を思えばなくはないと思いますが、そこまで到達するとギークでニッチなコモディティではなくなってしまいますね。
昔からあったけど流行らなかった技術がキラーアプリ的な何かをトリガーに一気に跳ねる可能性が高い
ーー過去のブル相場ではエアドロップやICOなどが盛り上がりました。次のブル相場で試したいことはありますか。
前提として、次のブル相場で何が流行るかはわかりません。
そのため、やりたいことがあるというよりは、その時流行ったものに手をつけようとは考えていますが、バブルで花を開くプロジェクトというのは、相場が低迷している間に出てきているケースが多いんですね。
ICOも日の目が当たったのは2017年ですが、ICO自体は2016年以前よりありました。ステーキング、〇〇 to Earnも盛り上がったのは2021年ですが、機能やプロジェクト自体はそれ以前よりありましたよね。
NFTも古くからありましたが、オープンシーがきっかけで急激に成長したり、DeFiもユニスワップがきっかけだったりと、使い古されてそうな技術がキラーアプリ的なプロジェクト、用途の登場により花開くというケースがこれまでもずっとありました。
ゲーム銘柄も古くから多くの銘柄が登場しては消えていましたが、STEPNで初めてメジャーに浸透した印象です。
こういった過去の事象を考慮すると、全く新しいものがブル相場で流行るわけではなく、昔からあったけど結局流行らなかった技術が、キラーアプリ的な何かをトリガーに一気に跳ねることの方が可能性としては高いと考えています。
そのため、トレードで機会を得るという意味では、これまでに既にあった技術、応用の中で、兆しが出てきたらそれを察知して一歩早く手をつけ始めたい、と考えていますね。
ブル相場が訪れても短いスパンでのトレードは控えたい、時間軸を長めに取りたい
ーーブル相場が訪れた際の手法についてお伺いしましたが、注意したいことはありますか。
ビットコインは、明確に、この数年でトレードの難易度が上がっていると感じます。
昔の個人投資家、トレーダー中心の相場から、機関投資家や大口、botter、AIなどの参入により、人間らしい、感情任せの雑な値動きが減った印象があります。
アルトコインは参加者がまだ少ないからか、未だに原始的な動きをすることもありますが、ビットコインはトレンドが現れる時間が非常に短いんですよね。
一瞬棒上げして、その後また停滞するといった、人間味のない動きが続いており、今後、ブル相場が訪れても短いスパンでのトレードは控えたい、時間軸を長めに取りたいと考えています。
ビットコインやアルトコインの相場は簡単といった印象を持っている方も少なくないと思いますが、難易度は株式やコモディティなど、他の相場と同等程度まで上がっていると思いますね。
ーーいまのポートフォリオの割合を教えてください。
暗号資産が6、個別株、投資信託、債券、ゴールドなどの暗号資産以外が4ですね。
ーーいま注目してる領域やトークン、プロジェクトはありますか。
イーサリアム抜きにアルトコインを語ることはできませんし、PoSへの移行後に需給に変化があった印象もあり、イーサリアムには注目しています。
また、ビットコインのETFが承認されたとして、次に承認されるコインがあるとすればそれはイーサリアムしかないと思います。
イーサリアムは既にCMEにも上場していますし、証券である疑いも一応晴れてはいますので、可能性としてはもうイーサリアムしかないはずです。
参考:ブラックロック、イーサリアム現物ETF上場を正式申請 | ロイター
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