女性は投資に向いていないのか 株式投資家・おせちーず

「女性は投資に向いていないのか?」というお題をBMRさんから頂きました。

2023年12月に掲載された「なぜ女性投資家は少ないのか?」では、統計調査の結果として女性は投資の必要性を感じている人が少なく、興味がある人が少なく、値上がり益を期待していない人が多いことが明らかになったことを書いています。

必要性も興味も無ければ、女性投資家が少ないのは当然でしょう。

ただ、女性投資家が少ないことと投資に向いていないことは必ずしもイコールではないのではないかと思います。この記事では女性と投資を筆者なりに考察してみます。

おせちーず氏 プロフィール

投資歴約32年の女性株式投資家。新卒でシステムエンジニアとして従事し、その後証券アナリストを経て、現在は企業に勤めながら大学で非常勤講師にも従事。『個別株でインデックス以下のローリスク・ローリターン』を追求した株式投資を行っている。
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女性の信用取引を許可していない時代もあったと聞いた

ちょっと古い話をします。

西暦2000年代の半ばぐらいに筆者は某金融機関のバックオフィスで有価証券運用管理システムのプロジェクトマネジメントをしていました。

経験がある方はご存知だと思いますが、金融機関のバックオフィスは女性が非常に多いです。筆者が所属していた当時のセクションも8割ぐらいが女性でした。

当時、この勤務先では有価証券投資に制約がありませんでした。

よって、そこで働く人たちの中には自分も含めて投資をしている人は珍しくありませんでした。

そんな人の中に、今はもう名前がない証券会社で働いていたという女性がいました。筆者と同じぐらいの年齢の方だったと記憶しています。たまに株式投資話をできる人でした。

彼女から聞いたことがあります。

「私がかつて勤務していた証券会社は、当時女性の信用取引を許可していなかったんですよ。」

信用取引とは現金や有価証券を担保として証券会社に預けて、証券会社からお金を借りて株式を買ったり、株券を借りてそれを売ったりする取引のことです。預けた担保の評価額より大きな金額の取引が可能です。今では、多くの人が利用しているでしょう。

彼女が証券会社で働いていたのは1990年代から2000年ぐらいにかけてだったはずです。

ざっくり30年前後ぐらい前です。

決して大昔の話ではないと思います。

女性に信用取引を許可していなかった理由はわかりませんし、今となっては名前が無い証券会社の話なので裏を取ることもできませんが、彼女から聞いた話を信用するなら、投資において女性は「差別」をされていたことがあったということになります。

現在よりも個人投資家が少ない時代でした。その中で女性は少なかったことでしょう。

筆者の主観であることを許していただけるなら、「女は投資に向いていない」と考える人が30年ぐらい前にはいたのかもしれないなと思います。

30年前と現在で違うこと

かつてBMRさんで書いたことがありますが(参考:いま27歳で資産1億円を目指すならS&P500連動商品に毎月25万円を投資する)筆者が投資を始めた1990年代初頭は、個人投資家に親切とはお世辞にも言えない時代だったと思います。

株式投資の手数料は非常に高かったし、投資信託もインデックス投信ですら信託報酬が1%超のものは珍しくありませんでした。オンライン証券会社なんてありませんでした。

しかし、今はNISA制度があります。iDeCoもあります。投資信託は100円からでも買えます。ポイント投資ができます。クレジットカード決済で投資信託を買えます。オンライン証券会社は選べるほどあります。株式投資の手数料が無料という証券会社もあります。投資信託でいいなら、銀行や郵便局でも取引できます。

S&P500やMSCI ACWIといったインデックスに連動する商品が沢山あります。ETFもあるし、REITもあるし、個人向け国債もあります。

これらは30年前には全て日本には存在していませんでした。

ひとことで言えば、個人投資家を取り巻く環境は30年前と比較するのが失礼なくらい、手段も商品も非常によくなったということです。

性別なんて関係なく、投資の垣根は非常に低くなりました。

女性が投資に向いていないとは思わない

さて、命題についての見解をそろそろ出さなければいけないでしょう。

結論から申し上げると、筆者は「女性が投資に向いていない」とは思いません。

理由を挙げます。

1)性別を問わず投資の垣根が低い

これは既に書いた通りです。買い物のポイントすら投資できるようになる世界を30年前の筆者は全く想像していませんでした。

2)「コツコツ投資」をやりやすくなった

NISAのつみたて投資枠やiDeCoは、コツコツ積立てることを前提とした投資制度です。

この「コツコツ投資」は男性よりも女性の方が得意かもしれないなと、若干ひいき目を加えてつつ、日ごろから思っていることです。

別の視点で「コツコツ」をもう一つ。

企業型確定拠出年金は、性別を問わず導入されます。

性別を問わず投資に向き合うことになっている人が増えていると思います。

3)投資で資産を増やした女性が増えてきた

「なぜ女性投資家は少ないのか?」で、女性は「ロールモデル」を求めたがるように思うと書きました。

身近に投資で成功した人が多くなければ、見習うべき存在がいないからやらないという理屈も透けて見える気がしたからです。

しかし、近年は投資で資産を増やした女性が少しずつ増えてきていると思います。

いい意味での「モデル」が出来てきたことは、女性の投資家を増やし、成功者を増やすことに繋がると思います。

成功者が増えれば「女性は投資に向いていない」ということにはならないでしょう。

未来は明るい、と思っている

「なぜ女性投資家は少ないのか?」では、収入が男性より相対的に少ない、故に「余裕資金」が少ない女性が多いと想像されるので、女性投資家が少ないのではないかと述べてます。

筆者以上の年代の女性には専業主婦だったり、配偶者控除内で働く方が多いと見受けられるので、筆者以上の年代であれば余裕資金が少ないことを否めません。

一方、現在の30代、40代であれば結婚、出産後も働き続ける女性が増えています。

勿論子育てにお金がかかる時代ではありますが、「自分のお金」を確保できている女性が増えてきていることでしょう。

いつになっても「女性投資家は少ない」かもしれません。

少ない間は「投資に向いていない」と言われるのかもしれませんが、10年、20年後には投資で資産を形成できた女性が増えると筆者は信じています。そんな暁には「女性は投資に向いていない」などと言われなくなると思っています。

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