資産のポートフォリオ全体のリスクを分散させるべく海外不動産への投資を行う 米国株投資家・O氏 1/3

投資家のO氏に、米国不動産への投資について伺いました。

O氏 プロフィール

2001年から約21年間、米国株を中心に投資をしている個人投資家。“優良なビジネスへの長期投資” に取り組み、現状はFIREができる状態。53歳。総入金額5,000万円、入金額込みのリターン額は1.5億円。過去2年(2020/9〜2022/8)の投資リターン見込みは、米ドルベースで+24%、円ベースでは為替の影響があり+66%。米国の不動産投資も行い、リターン見込みは2018年購入以来+36%。

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取材実施日

2023年5月14日

資産のポートフォリオ全体のリスクを分散させるべく不動産投資の検討をはじめる

ーーまず初めに、ご自身で購入されている物件について教えてください。

私が所有している物件は主に米国のテキサス州、具体的にはダラスとフォートワースとの間の地域にある一軒家です。

おおよそ200平米で、3ベッドルームと2バスルームを備えています。

2018年に購入し現在も保有しています。

ーー物件への投資のきっかけ、なぜ不動産投資に興味を持たれたのかについて教えてください。

当時の私のポートフォリオは金融資産が約80%、現金が20%で金融資産に大きく偏っていました。

それで金融資産への依存度を下げるべく、実物資産への分散投資を考えたのがきっかけです。

ーー金融資産への依存度を下げようと思ったのはなにがきっかけがありましたか。

何か特定のきっかけがあったというより、長い間金融資産に投資する中で、資産の分散の必要性は常に感じていて、それがこのタイミングだったというだけです。

ーー不動産投資に興味を持たれた以降について教えてください。

2015年ごろから日本を含む各地の不動産市場を観察していたあるとき、リーマンショックの影響で大きく値下がりした市場が、回復の兆しを見せ始めました。

市場がリーマンショックを乗り越え、再活性化の時期を迎えていると判断し、本格的な検討をはじめたのがこの時です。

また、不動産投資を検討するにあたって決め手となったもう一つが、個人における所得税の節税効果があることです。

投資した物件の減価償却分を税金の控除に利用することができ、節税効果が見込めるんですね。

ただし、節税効果に関しては2022年度の税制改正により、海外不動産の減価償却による損失を所得税から控除することができなくなりました。

そのため、最初に見込んでいたような節税効果は完全には享受できませんでした。

日本居住者の海外不動産の減価償却の仕組み

ーー「海外不動産の減価償却による損失を所得税から控除することができなくなった」とのことですが、米国と日本では、不動産の減価償却の仕組みはどのように異なるのでしょうか。

日本居住者の場合は日本の減価償却のルールに従って償却しますが、その場合、築年数が一定以上経過した物件の場合、4年間での償却となります。

具体的には、購入時の建物と土地の価格のうち、建物の価格に対する減価償却を4年間で行います。

一方、米国と日本では、土地の価格が大きく異なります。

米国では土地の価格が比較的安く、建物の価格が全体の価格の大部分を占めるため、減価償却が可能な割合も大きいです。

私が購入した物件の場合、建物価格は全体のおおよそ85%を占めていました。

日本では土地価格が建物価格よりも高いことが多いですが、米国では逆というわけです。

これが減価償却時には大きなメリットとなりました。

ーーOさんが購入した物件については、4年間での減価償却を行ったのでしょうか。

はい、そうです。

4年間で行っていたのですが、法改正が行われる前の2年半は、減価償却による節税ができ、残りの1年半については、節税効果はなくなり、一般的な投資と同様の効果に留まってしまいました。

ーー米国の不動産価格は上昇傾向にあるので、4年間の減価償却はかなり有利な取引だと感じます。

その通りです。

特に、物件の価値自体が上昇している状況下で、償却による節税効果が得られるので、その点では大きなメリットがあります。

公開データをもとに不動産市場の回復を判断

ーーリーマン・ショックによる下落に対して2015年頃から回復してきたとのことですが、これは具体的に何を見て判断したのでしょうか。

マクロの経済指標を参考にしました。

具体的には、FRBなどが公開している統計データや、S&Pのシラー係数などを見て全体の住宅市場の動向を把握しました。

また、中古住宅や新築住宅の在庫状況なども参考にしました。

これらの指標を見て、リーマン・ショックの影響がかなり癒えてきていると判断しました。

リーマン・ショック時には住宅価格は3割ほど下落しましたが、私が購入を考え始めた2015年から2017年頃には、ほぼリーマン・ショック前の水準まで回復していました。

そのため、市場が正常化し、昔のトレンドに戻ったと確信しました。

ーーリーマン・ショック前の水準まで回復したところから、さらに上昇すると見込んだのでしょうか。

その通りです。

ーー購入後、その物件の価格は上がりましたか。

コロナウイルスの流行前までは、見込んでいたトレンド通りに価格が上昇していました。

コロナウイルスの流行後は在宅勤務が増え、住宅需要が増加した結果、物件価格は読みのトレンド以上に上昇しました。

特に、2022年の中頃、金利の上昇が始まるまではインフレと一緒に価格が過熱していました。

そういう意味では、インフレヘッジの恩恵も受けることができました。

個人向けの住宅市場は再び価格上昇が始まっている

ーー米国を中心とした今後の金利についてはさまざまな予想が出ています。この状況において、不動産投資についてはどのように見ていますか。

住宅関連とオフィス関連の二つに分けて見てみると、現状は大きく異なる動きが見られます。

金利上昇の影響を大きく受けているのはオフィス関連で、こちらの価格下落は非常に大きいです。

最近、米国のとある中堅銀行が破綻し、JPモルガンに買収されましたが、これらが影響し、金融機関からの融資が困難となり、大規模オフィスの需要は厳しくなると見ています。

個人向けの住宅市場については、在庫状況などを見ると、金利が上昇し、一時的に落ち着いていましたが、再び価格上昇が始まっています。

一部では既に金利がピークに近いとの見方もありますが、それを踏まえつつも、個人向け住宅市場は比較的安定して成長していくのではないかと予想しています。

銀行の動きも含めて市場を見ていく必要があると考えています。

大手企業やデベロッパーに対する大規模な融資を利用する不動産は絞られていく方向ですが、個人向けの住宅の方はある程度堅調に推移し、2極化するのではないかと見ています。

ーー米国ではリモートワークは減ってオフィス出社が増えているのでしょうか。

リモートワークに関しては微妙なところがあります。

確かに、一部の企業がオフィス出社を再開するアナウンスが見られますし、それに伴いリモートワークが一部減っているのは事実です。

しかし、全体としてリモートワークがコロナ前のレベルまで減少するかというと、それはまた別の問題でしょう。

リモートワークが一時期過度に広がっていた部分は落ち着くと思いますが、現在の住宅市場の需給バランスを見ると、そこまで極端にはならないと考えています。

実際、住宅購入層も変化していて、40代の層ではオフィス出社が再開し、リモートワークが減少しているようです。

一方で、20代〜30代の若い世代では、物価上昇なども影響しているかもしれませんが、逆にリモートワークの需要が増えています。

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O氏のインタビュー記事、2記事目に続きます。

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