金融商品やトレーダーのパフォーマンスはどのように評価されるべきか

暗号資産、株式の市場が活況の際にはそれらを取引するトレーダーのパフォーマンスに関する記事が増えます。

しかし中には、そのリターンを手放しに評価するだけで一部眉唾ものとされるものも多数見受けられます。

とはいえこれらの金融商品やトレーダーのパフォーマンスから我々が学ぶべきことは多々あります。

そこで我々は金融商品やトレーダーのパフォーマンスをどのように評価し学びの糧とすべきなのでしょうか。

筆者が考える金融商品やトレーダーの評価方法について書いていきます。

期間を変えて評価する

ある期間のパフォーマンスが別の特定の期間でのパフォーマンスを保証するものではありません。

こちらは2020年12月から2021年5月にかけてのBTC建てでのBNBのパフォーマンスです。

上記だけを見ればBNBはBTCと比較して魅力的な商品に見えますが、上記の一年前の2020年のチャートは下記です。同年の最高値、9月の0.004813から0.001020と最大で約1/4の下落となっています。

このとおり、BNBやアルトコインに限らず、金融商品は切り取るタイミングによってパフォーマンスや評価が大きく異なります。

ある特定の期間である特定の金融商品が出したパフォーマンスはそれは紛れもない事実ですが、その特定のパフォーマンス一つとってその金融商品の本質的な評価を行うことはできません。

ほとんどの草コインは一度以上pumpしますが、それを持ってその草コインの将来を期待することはできないのと同じです。

2018年1月のETHやXRPのBTC建てのパフォーマンスを参考に2018-2020年にETHやXRPをロングしたトレーダーのパフォーマンスは厳しいものだったでしょう。

これは金融商品だけでなくトレーダーについても同様で、ある期間で高いパフォーマンスを出したトレーダーが別の期間でも同様に高いパフォーマンスを維持している保証は一切ありません。

ある特定期間のパフォーマンスだけを見てその金融商品やトレーダーに飛びつくのでなく、期間を変える、伸ばす、短くするなど視点を変えて評価することが必要です。

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他の金融商品やトレーダーと比較し評価する

ある特定の期間である金融商品やトレーダーが100%のパフォーマンスを出していても、同じ期間に200%のパフォーマンスの金融商品やトレーダーがいれば、その金融商品やトレーダーの評価は変わり得るでしょう。

例えば同じ期間でBTCが100%のパフォーマンスでもETHが200%のパフォーマンスならBTCの評価は変わり得ます。

同様に、市場平均が8%のパフォーマンス時に30%のパフォーマンスのファンドAがあればこのファンドは評価されるでしょうが、同じ期間に40%パフォーマンスのファンドBが存在する場合、ファンドAの評価は変わり得ます。

ある特定の期間でもその他の金融商品やトレーダーと比較してどうか、という視点でも評価することができます。

リスク対比で評価する

息を呑むようなパフォーマンスであっても、それは単に同程度の大きなリスクを取ったが故のパフォーマンスである可能性があります。

大きなリスクを取りそのリスクプレミアムとして大きなリターンを得られるのは当然です。

本質的に評価されるべきはリターンのパーセンテージや絶対額だけではなくリスク対比のリターンであるべきです。

1万円のダウンサイドを元に100万円のリターンを出したトレードと、100万円のダウンサイドを元に100万円のリターンを出したトレードは同じ評価ではありません。

例えば、XRPがBTCをアウトパフォームしたと喧伝されることがありますが、BTCとXRPでは同じ100万円を投下しても背負うリスクは同じではありませんので、期待されるリターンも同じではないはずです。

現状のファンダメンタルズから考えれば、BTCでなくXRPにロングするのであればBTC以上のリターンが期待されるべきです。

そのためXRPがBTCをアウトパフォームしたその事実だけではXRPにロングすべきだったという評価はできません。

パフォーマンスはそのパーセンテージや絶対額だけでなく、それを得るためにどの程度のリスクを払ったのかを合わせて見るべきです。

同じパフォーマンスであればとったリスクは小さければ小さいほうがそれはよいトレードです。

再現性で評価する

「どれだけ早く移動する飛行機であっても墜落する可能性が十分にあればそれは良い飛行機とは言えない」とはナシム・ニコラス・タレブの言葉です。

どれだけ目覚ましいパフォーマンスを出していてもそれが再現性のない、例えば丁半博打のようなトレードであれば、評価されるべきではないでしょう。

あるトレードの本質的な評価を行いたいのであれば、そのトレードを裏付ける経緯、根拠を見る必要があります。

根拠のないレバレッジ100倍のトレードを繰り返せばどこかで一時的に莫大なパフォーマンスを出す可能性もありますが、それは同時に破滅的なリスクをも背負っています。

驚異的なパフォーマンスを出していたにも関わらず破産し退場したトレーダーは枚挙にいとまがありません。

わかりやすいパフォーマンスだけで飛びついてそのトレーダーを盲信するのでなく、そのトレードに至った経緯や根拠を十分に評価しましょう。

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