「暗号資産はインフレが落ち着き利下げが再開するタイミングでチャンスがある」暗号資産トレーダーU氏 3/4

マイナス200万円から、暗号資産トレードによって最大で数千万円の資産を築いた兼業トレーダーのU氏。失敗の中から学びながら、トレードの腕を上げてきた。現在はトレードを一旦休み、次のチャンスをうかがっているというU氏に、現在の相場観や、次に考えているトレード、これまでに読んで参考になった本などを聞いた。

U氏プロフィール
2017年より暗号資産のトレードを開始。相場全体のサイクルを見ながら行うトレードを得意とする。2021年のブル相場で資産を増やすも、21年の終わりに暗号資産担保ローンの取引をはじめ大きく資産を減らす。現在、各国のインフレや利上げ施策を観察しつつ、次の暗号資産のブル相場に向けて準備を進めている。

FOMCの利上げ一段落後にチャンスが?

――今は暗号資産を売却して、借金も清算したそうですが次のチャンスを待っているところですか。

そうですね。22年中か23年には、再び暗号資産を買うチャンスが来ると思っています。今、アメリカは利上げをしていますよね。

それが、一段落したとき、再び利下げをすることになると思っているのですが、そこがタイミングだと思っています。

※インタビューは2022年7月ごろ実施

 ――具体的にどのようなイメージを描いていますか。

アメリカは22年5月、6月とインフレを抑えるために大幅な政策金利引き上げを行いましたが、利上げによる実体経済のダメージも大きいと思うんです。インフレを抑制できても、世界的な経済情勢を見れば、利上げによるダメージは結構大きいのではないかと思っています。

一方で、ビットコインなどの暗号資産は、金融政策の影響を直接受けやすい。金融緩和によって、世の中にお金がジャブジャブ流れてくることによって、その受け皿となり値上がりする傾向にありました。

だから、利上げによってインフレが抑えられるとともに経済への悪影響もでてきて、 「インフレも落ち着き経済も衰退してきて、そろそろ金融緩和して経済を刺激すべきなのでは」という雰囲気がでてきた頃に、暗号資産は再度上がっていくと考えています。

その時期は、22年中に米国の利上げが終わって、早ければ年末、遅くとも23年中にはあると思います。

――過去にも同じようなパターンはあったのですか。 

過去の利上げのタイミングを見てみると、1回利上げした後、数カ月、維持が続いた後に利下げをしていることがありました。だから、米国がいつまでどの程度まで利上げを続けるのかがまず重要ですけど、利上げが一旦終わった後が問題ですよね。

米国の政策金利のチャート。出典:FRED

僕はその後、数カ月して利下げする可能性があると思っているので、利下げ前に買えるかどうかが重要ですね。

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当面は暗号資産に一点集中 

――暗号資産の値動きを見るときは、やはりアメリカの経済を重視しますか。

今回のようにアメリカ経済の動向に左右される時は重視しますね。もちろん、金融政策、FOMCの予想や決定内容も追っています。

実際に暗号資産を買うときは円建てで買うので、日本の経済や為替の円相場も大切です。

22年の7月初めでビットコインは270万円くらいですけど、これは円安の影響もあります。円相場自体が110円台から130円台まで急激に下がりましたから、ドル円110円で考えれば1ビットコインは216万円ほどになる。

ちなみに、さきほど言ったように、政策金利の引き上げが続いて金融引き締めが行き過ぎると、アメリカ経済に景気後退の予兆が見られて、ドルも安くなる可能性がある。

米国経済の後退によるドル安円高で、ビットコインも円建てで大きく下げるかもしれない。そうすると、円高と利上げによる価格下落の2つが重なって、ビットコインはいま以上に大きく下がる可能性が出てくる。

そこにトレードのチャンスがあると思っているので、そうした観点から米国の政策金利や経済動向、ドル円の為替レートなどは見ています。

――暗号資産以外のトレードは考えていないのですか。

株式、不動産投資、コモディティとか全部のマーケットに興味はありますね。金とか小麦とか。いまのドル円もそうですし、ジョージ・ソロスがポンドの下落に賭けたりアジア通貨危機でウォンが下がったりとか、通貨も大きく動くことがあり今後触りたいとは思っています。

ただ興味はあるのですが暗号資産以外には知識がほとんどなくて。

取引するなら自分なりの確信が持てるまでは取引したくないのですが、確信が持てるほどに調べる時間もなく、分散して賭けるほど資金もないので。対象を絞って集中してやらないと増やせないと思っています。

一定資産を築いて時間的にも資産的にも余裕ができたら、リスクヘッジなどの意味も込めて、ほかのトレードもやりたいと思っています。

最近だと、インフレと利上げで暗号資産は下落しているけど、金や小麦などのコモディティは上がっていました。こういう機会は、逃さずもっと拾っていきたい。

でも、今はそれだけの資金的にも時間的にも余裕がないので、しばらくは暗号資産に一点集中でやってみようと思っています。 

自分に合った方法が最善と、本から学ぶ

――「市場サイクルを極める」を読んだのが転機だという話がありましたが、これはどういう内容の本ですか。

ハワード・マークスという米国の著名な投資家が書いた本ですが、市場の価格変動はサイクルを繰り返す、そのサイクルはどのようなメカニズムで起きるのか、ということを解説した本です。

サイクルの規則性や性質が分かれば、優れた投資家になれるということです。

サイクルに規則性があるといっても、常に規則正しく同じ法則で動いているわけではなく、政府の政策や企業の業績、そして相場に参加している投資家の心理によって、影響を受けます。

投資で利益を得るには、それらを理解して、現在の市場のサイクルの位置を正しく認識し、今後を読み取らなくてはならないというわけです。

この本を買ったのが19年の4月で、ちょうどビットコインが2019年1-3月ごろに底値をつけて、少し反発して60万円くらいになっていたときですね。

本を読んで、特に興味を引かれたのは、投資家心理と市場サイクルの関係です。

多くの人は感情で投資をしますから、市場が盛り上がってくれば、みんな乗り遅れてはいけないとばかりに買いに殺到します。それが市場の過熱なのですが、いつまでも上昇が続くわけではない。

暗号資産の17年の熱狂と、直近の2019年の悲観の雰囲気を体験していただけに、この書籍の熱狂と悲観のサイクルを繰り返すという解説がとても説得力あるものに感じました。

19年の1-3月にビットコインは30万円をつけて「暗号資産はもう終わり」みたいなことも言われる時期でしたが、その後この本を読み、開発が進むなどファンダメンタルズが進捗していることも把握し、相場は総悲観の様相でしたがいずれ上昇サイクルが来ると冷静に考えることができました。

相場は中長期的に見なければならないと考えるようになって、より短期取引をしないようになったのも、この本がきっかけです。

――ほかに参考になった本はありますか。

多くの人が名前を挙げる本ですけど、「マーケットの魔術師」のシリーズですね。世界のトップトレーダーがどのような考えで投資をしているのかをインタビューした本です。

考え方や手法だけでなく、失敗談もあって、参考になります。

今は、著名なトレーダーでも、最初は雑にトレードを始めて、初心者がやりがちなミスをして損をするわけです。

その後も何度か失敗を繰り返して、やっと、自分なりのスタイルを見つけて、腕を上げていく。その過程が面白い。どんなに成功している人も最初は失敗するんだということを教わりました。

そして、たどりついた手法や考え方は、みんな微妙に違う。

トレードにおいて絶対にやってはいけないことはあるけれど、成功するためのやり方はそれぞれ違う。正しいトレード方法は1つではないんです。

みんな独自のやり方を見つけて成功しているんだ、トレードにはいろいろやり方があるんだなって気づかされた本です。

トレードの心構えについても触れられていて、やはりテクニックだけでなく、心理状態も重要なんだというところが面白かったですね。

ーー人一人個性があるので、トレードの方法にも人に合ったやり方がある。

トレーダーそれぞれの個性という点では「トレーダーの精神分析」が面白かったです。

米国の精神医学の専門家が書いた本ですが、メンタル面からトレードに勝つための方法が解説されています。トレードで勝つためには自分の性格や能力にあったマーケットや方法を選んで、その能力に磨きをかけなくてはならないという内容です。

一人一人、トレーダーの能力や性格、考え方は異なりますから、それぞれにあったトレード方法や、最適な分野を見つけないと成功できない。

中でも興味深かったのは、全くトレードスタイルが異なる4人のトレーダーの事例紹介です。

例えば、地元メーカーで働きながらプライベートな時間で、3-4週間、個別株を保有する取引を行うパートタイムの株式トレーダー、専業でミニS&Pを取引するスキャルパー、大手銀行の通貨トレーダーでグローバルなマクロな情報にもとづいて、現物市場で長期のポジションをとるトレーダーなど、全く異なるスタイルのトレーダーが4人紹介されているんです。

それは、それぞれが自分のライフスタイルとか、性格とかに合わせてトレードをしているから成功しているのであって、彼らと同じことをしてもうまくいくとは限らないし、彼が別の人のやり方をまねしても、決してうまくはいかない。

長期ポジションがいいとか、短期取引がダメということではなく、自分の性格に合ったことをやることが大切なのだということを学びました。

私も自分に合ったトレードスタイルを模索していた時期で、自分に合ったやり方を見つければいいんだ、自分は暗号資産でサイクルに合わせた数ヶ月〜数年スパンでのポジションをとるのが合っているかもと気づけたのが収穫でした。

――本はよく読みますか。

学生の頃は、読んでいましたけれど、トレードに関しては入門書みたいな薄い本ばかりでしたから、本格的な専門書を読み始めたのは、トレードを始めた17年以降ですね。

ただ、仕事が忙しかったので、あまり読む暇がなくて、時間ができたのは20年以降です。

転職した会社が、あまり忙しくない会社で残業も少なかった。そういう時間を持てたことも、僕にとって大きかったかもしれません。

再び暗号資産へのトレードを考えているというU氏だが、暗号資産の今後についてどう考えているのか。U氏が考える暗号資産の将来像と、これからトレードを始めようと考えている人たちへのメッセージを、次回最終回で。

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