現時点で「時間はあるけれども資金量が小さくリスクがとれる若者」なら2024年は暗号資産に全てのお金と時間を投資する HashHub・平野淳也氏 3/3

平野淳也氏のインタビュー時の写真

HashHub・代表の平野淳也氏に、注目しているプロジェクトやエアドロップの現状について伺いました。

平野淳也氏 プロフィール

起業家・経営者。株式会社HashHub 代表取締役CEO。学生時代に衣料品・物販事業を創業して譲渡。2013年頃から暗号資産領域へ活動を広げる。個人での投資活動や国内外企業へのコンサルティングを行う。2017年には合同会社d10n Labを創業して暗号資産領域のレポートサービスとしてユーザー数が国内有数の規模に成長する。2018年にHashHubに創業メンバーとして参画して2019年にCEOに就任。Xアカウント:https://twitter.com/junbhirano

Sponsor

仮想通貨トレーダーズクラブ COINRUN

COINRUNは暗号資産の古参トレーダーである、田中さん、ヨーロピアンさんの2名による、暗号資産のトレードによって「まとまった資産を築く」「継続的な収入を得る」「ビットコインを増やす」ことを目的に、様々な有益情報を共有するオンラインコミュニティです。

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取材実施日

2024年2月2日

オフショア取引所の役割の大部分がDeFiによって補完され、DeFiがさらに重要な役割を担っていく

ーーこれからの1-2年における暗号資産のマーケットにおいて言えそうなこと、気になることについてあれば教えてください。

グローバル版Binanceの展開禁止を受けて、オフショア取引所の役割がDEXによる無期限先物取引に完全に取って代わられるというのは、2024年の暗号資産のマーケットにおける明確なトレンドだと思います。

HyperliquidをはじめとしたDEXの勃興により、オフショアのCEX取引所は不要であると考えるマーケット参加者が増えていくでしょう。

また、オフショア取引所の役割の大部分がDeFiに補完されることになり、今後1年間でDeFiがさらに重要な役割を担っていくだろうと見ています。

DeFiはマーケット全体において残余リスクが上がっている

ーー「オフショア取引所の役割の大部分がDeFiに補完されることになり、今後1年間でDeFiがさらに重要な役割を担っていくだろう」とのことですが、では現在のDeFiについてどのように見ていますか。

リスクを何重ものレイヤーで負うユーザーが増えており、ユーザーのDeFiにおけるスマートコントラクトリスクへの許容度が過去半年間で顕著に高まったと感じています。

一部には運営や仕組みに不透明さを感じるプロジェクトもあります。例えばある無期限先物取引所では、クリアリングの仕組みが公開されてはいるものの、結局は運営がクローズドな環境でクリアリングしているということもあり、その実態が不明瞭なものがあります。

現在活況なL2でも、オペレーターの不正行為に対するチャレンジメカニズムが実装されていないことは多いです。

オペレーターが不正をしていたらチャレンジができる仕組みでしたが、現在のL2はチャレンジできる仕組みは実装されていないので、ユーザーはオペレーターを信頼するしかないというのが現状です。

CEXに比べれば透明性が高いとはいえますが、オペレーターをトラストしているような状況です。

また、このような細かな指摘をする人は業界でも減った印象で、マーケット全体において残余リスクが上がっていると感じます。

現在時点で「時間はあるけれども資金量が小さく、リスクがとれる若者」なら、2024年は暗号資産に全てのお金と時間を投資する

ーー投資家がL2のトークンへの投資を検討する際、注意すべきリスクなどがあれば教えてください。

L2が活況で大いなる期待を持っていることは事実ですが、L2がどれだけ暗号資産界隈の主流になろうとも、金融市場全体から見ればまだ非常にニッチな領域です。

いま自分が暗号資産で見ている世界が、世界の全てであるかのように錯覚するというのは界隈あるあるですが、自分の資産の大部分をL2に投資している場合、相当なリスクを背負っていることを認識した方がいいです。

とは言え、「若くて時間はあるけれど資金が小さく、リスクは取ることができる」という状況であれば、大胆な資金配分も一つの戦略だとは思うので特に否定はしません。むしろ、そういった立場であれば、この市場でリスクを取るのは合理的だとすら思います。

ーーもし平野さんが、現在時点で「時間はあるけれども資金量が小さく、リスクがとれる若者」であった場合、どのように投資しますか。

現在時点で「時間はあるけれども資金量が小さく、リスクがとれる若者」である場合、2024年は暗号資産に全てのお金と時間を投資するでしょう。

エアドロップの獲得も積極的に狙い、可能性のある情報を真剣に探すでしょうし、過小評価されているアセットの発掘、自分自身でプロジェクトを立ち上げることも検討すると思います。

そしてこのような努力は最終的には高い確率で報われると思います。

平野淳也氏のインタビュー時の写真

プロジェクト側のインセンティブ、増加するユーザーの傾向を考えれば、エアドロップで低リスクで高額なリターンを得られる機会は逓減していくはず

ーーエアドロップが活況ですが、エアドロップを得るための条件も厳しくなってきていると聞きます。今後、エアドロップはどのように変化していくと見ていますか。

エアドロップの条件は今後もより厳しくなっていくと見ています。

前提として、エアドロップでトークンを配るというのは株式会社における株式発行に近く、プロジェクト側としては、できるだけ少ないトークンの発行でプロジェクトの認知度を高め、配布したトークンの価値以上に時価総額を増加させたいと考えています。

それに対し、さまざまなリターンの機会が話題に上がったことで、本来的なプロダクト利用の意思が低く、エアドロップ欲しさだけでプロダクトを利用するユーザーは増える一方です。

このようなプロジェクト側のインセンティブ、増加するユーザーの傾向を考えれば、エアドロップを得るための条件が厳しくなっていくのは自然な流れで、プロジェクト側の研究が進むにつれ、ユーザーが低リスクで高額なリターンを得られる機会は逓減していくでしょう。

むしろエアドロップで簡単に数百万円を獲得できていたこれまでというのは、市場が均衡に達する前のいわば先行者利益を享受できていた特殊な状況で、これからは単に均衡に向かうだけという見方もできます。

ーーエアドロップの条件は厳しくなるものの、エアドロップ自体は今後も続くだろうということですね。

はい、現在進行形で多くのプロジェクトがエアドロップを通じて初期ユーザーを獲得しようとしていますが、むしろエアドロップを行わなければユーザーを集めることが難しい印象すらあります。

条件は厳しくなっていくものの、エアドロップ自体は今後も続くと思います。

HashHub Researchとしては抽象度の高いインサイトや独自の分析を含むレポートにも今後取り組む予定

ーーHashHub Researchが提供しているエアドロップに関するレポートは今後も続けられるのでしょうか。

HashHub Researchは、これから暗号資産の領域で新規事業を立ち上げる法人や投資家にとって収益につながる情報の提供を目指しています。

エアドロップに関しても、市場に需要がある限り今後もレポートとして提供していく予定です。

▼HashHub Researchで提供されているエアドロップのレポート

不道徳なエアドロップップガイド #0 | HashHub Research 2024年1月23日

月刊エアドロップップガイド 2023年12月号ポイントを採用するプロジェクト特集|ポイントプログラムが成長を歪ませる効用とは | HashHub Research 2023年12月22日

ーーHashHubの2024年の展望について教えてください。

これまで通りレポートの提供に力を入れるとともに、暗号資産関連の情報量が増加している現状を踏まえ、リサーチ活動の効率化を図っていきます。

コアリサーチャーだけでは対応が難しい規模になっているため、まずはリサーチの補助ツールへの投資も予定しています。

このような効率化、システムへの投資を基盤として、リサーチャーが提供できる抽象度の高いインサイトや独自の分析を含むレポートにも取り組む予定です。

そのほか、読者の関心にお応えできるようなプロジェクト、アイデアも考えていますので、近いうちに発表できればと思っています。

ーー最後に、読者へのメッセージをお願いします。

BMRはニッチで面白いメディアだと思うので、みんなぜひたくさん読んでください。

HashHub Researchのことも引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

平野淳也氏のインタビュー時の写真

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