「ボロ物件の投資から脱却し首都圏の地価が高い物件の売買も視野に入れている」不動産投資家・yuichi氏 2/3

不動産投資家のyuichi氏に、買い付けの入れ方などについて伺いました。

yuichi氏 プロフィール

築古戸建を岡山県内に10戸、千葉県内に1戸保有。平均表面利回りは20%ほど。不動産投資を始めて5年弱、法人も運営。

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取材実施日

2024年3月27日

内見した物件は全て買い付けを入れる

ーー保有されている岡山の物件は都市部でしょうか。

都市部と田舎、両方ですね。

当時の自宅は岡山の中心部にありましたが、車で一時間以上かけて内見に行くこともよくあり、人口1万人の小さな町の物件も購入した経験があります。

内見をしないまま購入される方もいらっしゃいますが、築年数が古い物件は雨漏りやシロアリで床がボロボロなど、想定外の不具合がよくあるため、私は時間をかけてでも必ず行っていました。

今振り返ると、激務のなか、休日をまるまる潰して内見していたので、よくやっていたなと思います。

ーー一つの物件を買うまで、おおよそ何件ほど内見しますか。

不動産の購入に慣れる前後で大きく変わりましたが、慣れた後は3〜4件を内見しそのうちの1件を購入していました。

内見した全ての物件に「何万円だったら買います」と安い金額で買い付けを入れるようにしているのですが、運が良ければそのうちの1件を言い値で購入できています。

30〜50万円の田舎の物件にもよく内見しに行きましたね。

購入に慣れる前は、まだ勇気がなく自分の相場観にも自信がなかったため、10件内見して、やっと1件買い付けを入れるようなペースでしたね。

車の購入や同僚との飲み会も断り、節約に励んで不動産をコツコツ買い続けた

ーー暗号資産の取引でも暴落した時のために極端に安い価格に指値を入れておくという取引がありますが、不動産投資でも似たような取引があるのですね。

300万円で売っている物件に50万円で買い付けをいれたこともありますね。

よく考えるとかなり失礼なのですが。

基本的に貯蓄内で買える物件は現金で買うようにしていて、保有している物件の半分は現金で購入、残りは融資を使って購入していますね。

ライバルが多く融資を申し込むあいだに売買が決まってしまいそうな物件には、現金で買い付けを入れていました。

ーー不動産投資を始めた当初の貯金額が約400万円で、最初の物件でリフォーム代を含めて200万円以上を使ったと考えると、残りの現金でその後保有された物件の半分を購入されたということですね。本業の収入が多いこともあったと思いますが、かなり貯金をされていたのでしょうか。

毎月頑張って貯金していましたね。

会社の同期は車を買ったり頻繁に飲み会へ行っていましたが、私は節約して貯めたお金でコツコツ物件を購入していました。

会社では投資の話を一切しなかったので社内では趣味が謎の人扱いでしたが、投資の話をしたところで金儲けしていると妬まれるだけです。

結局、退社するまで黙っていましたね。 

首都圏は岡山にあった低価格の割安物件は皆無

ーー約5年で11戸へ投資されていますが、スムーズに購入できたのでしょうか。

岡山は物件がものすごく安く100万円以下でも買えたため、最初の1戸を購入後は融資も使いながら、スムーズに物件を増やすことができました。

また、当時は、割と金融機関から融資を引きやすい時期だったことも影響しています。

しかし、東京に来てからはペースは落ちましたね。

東京や千葉、埼玉では100万円以下で戸建てが売りに出されることはほぼありません。

そのため、これまでの割安物件を買うという方向性から転換しようと考えています。

多頭飼いの入居者へ家賃の大幅アップを交渉し成功

ーー岡山の10戸のなかで、購入後に大変だった物件はありましたか。

入居者がクレーマーだった物件は大変でした。

入居者の対応は管理会社に任せているのですが、その担当者もつらくなるほどクレームが多かったです。

ただ、その入居者がクレーマー気質だっただけでなく、物件自体にも問題がありました。

排水管が劣化していたため家の中に排水が溢れてしまったり、入居してから雨漏りに気づいたり。

損壊箇所があったことに気づかなかった点は私の落ち度でもあります。

ーー排水管の修繕費用は大家が全額負担するのですか。

大家である私が負担しますが、家賃が4万円代と安い物件の場合、ふすまの破損などの軽微な修繕は入居者にお願いしています。

ただ、排水管などの大きな修繕はこちらで負担しました。

天災による修繕は火災保険が適用されます。

以前、保有していた物件に雷が落ち家屋の一部が壊れたことがありますが、これは火災保険で修繕しました。 

ーー特にうまくいった物件があれば教えてください。

備前市の田舎にある物件で、入居者がペットの多頭飼いを希望した事例です。

犬を6匹飼いたいというご要望で、管理会社に犬1匹につき3,000円を家賃に加算してはとアドバイスをいただきました。

その条件を借主に伝えたところ、承諾いただき、元々3万9,000円で貸す予定だったところ、犬6匹で1万8,000円の加算となり、毎月の家賃が合計5万7,000円になりました。

その物件の購入価格が100万円だったため、おおよそ1年で7割を回収できました。

ほぼリフォームもかけていない物件だったこともあり、手間と費用面で特に成功したケースですね。

借主にとってはペットの多頭飼いはマンションでは絶対に叶えられないため、こうしたニーズもあるのだなと学びにもなった事例ですね。

実質の家賃収入は毎月20万円以上

ーー提案次第で利回りが上がる点は面白いですね。

はい、ちょっとした工夫、交渉一つで利回りが上がるのは面白いですね。

株式投資では自分の工夫、交渉で保有する株の価格を上げるということはできませんから。

ーー不動産投資家は戸建て派と集合住宅派、どちらが多いのでしょうか。

岡山の大家の会では戸建て派が7割でした。

そこの会長さんが戸建て派だったというのも影響していると思います。

 ーー現在、毎月の家賃収入は表面と実質でどれくらいでしょうか。

全ての物件を合計した表面での収入は毎月39万円です。

融資の返済や保険代、管理費用などを差し引いた実質だと毎月20から25万円ですね。 

返済があと5年残っている物件があり、この返済が終わればほぼ表面に近い収入が実質の収入になります。

贅沢はできませんが、生活を切り詰めれば暮らせる金額なので会社でクビになっても平気という安心感はありますね。

岡山の保有物件の管理と修繕は、岡山にいる各業者と職人さんに任せている

 ーー現在、東京に戻られて岡山と物理的距離がありますが、岡山の物件を管理する上で支障はありますか。

特に支障はありません。

全ての物件の管理や入居者対応は管理会社に委託していますし、物件に不具合が発生した場合もこれまで依頼していた現地の職人にLINEで修理を依頼しているので。

管理会社、職人、保険会社など、チームを作った結果、東京でも問題なく対応できています。

ーー「東京での投資では岡山にいた頃の投資戦略から転換したい」とのお話を伺いました。具体的に教えてください。

岡山にいた頃は100万円から200万円の古い戸建てを購入し、毎月の家賃収入を4〜5万円と設定することで利回り20%を目指していました。

しかし首都圏の不動産価格は安くても400万円以上と高く、その結果、利回りも13〜14%と低く、これまでの投資スタイルではコスパが悪くなってしまいます。

岡山では土地の価値がほぼゼロの物件を購入していましたが、今後は融資を積極的に使い、首都圏の地価が高いエリアで築古の一戸建てを買い進めることを検討しています。

具体的には、土地の値段も含めた1,000万円の物件を狙う予定です。

現在、買い付けを行っている最中ですが、ゆくゆくは岡山の物件も全て売却し、今後の物件の購入費用に充てたいと考えています。

東京の物件は岡山に比べ価格が高いが、同じ倍率で家賃を高くできるわけではない

ーーボロ物件は東京でもあるのでしょうか。

ありますね。

ただ、岡山では50万円で購入できた物件と同じスペックでも、東京では1,000万円以上の価格となってしまいますし、だからといって家賃を20倍にできるわけでもありません。

ボロ物件といっても都内の生活が送れるメリットで物件価格がそれほど下がりにくく、投資家の立場からすると割高な印象を受けますね。

ーー東京での不動産投資は難しいですか。

難しいですが、戦略を変えれば別の戦い方があるはずでそれをいま模索しています。

東京の不動産のメリットとしては、東京のような土地が高く今後も人口が増えていくエリアでは、家賃収入ではなく土地の価格の上昇にも期待ができます。

そのため家賃収入というよりは、物件自体を転売していく方が利益は出やすいかもしれませんね。

それで今はスピード感を持って物件の売買を行っていくためにも、宅地建物取引士の資格を取得しようと考えています。

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全三回のyuichi氏のインタビュー、最後の三記事目に続きます

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