「LLMへの投資はAI研究のトップであるGoogleとMetaに注目」個人投資家・九条氏 3/5

個人投資家でブロガーの九条氏に、テスラへの投資やLLMへの投資について伺いました。

九条氏 プロフィール

2018年FIRE済み。米国株、クリプト、優待クロス、太陽光、不動産、オプションなどなどを行うインデックス投資家でリバタリアン。ポイ活、クレカ活用なども。ブログ「FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

取材実施日

2023年4月7日

イーロン・マスクの理想や取り組み方へ賛同しテスラへ投資

ーー テスラへ投資したときのことを教えてください。

一般的な自動車メーカーとテスラの発想は真逆と言われます。

自動車は人の命を乗せて運ぶもので一般的な自動車メーカーでは安全性が重視されますが、テスラはまだベータ版のようなものでもどんどん販売していくためです。

そういった動き方にはもちろんリスクも存在しますが、そこまでしなければイノベーションというのは実現できないのではと考えています。

そういったイーロン・マスクの理想や取り組み方への賛同もあり、2016年2月、テスラの株価が172ドルのころに投資を始めました。

ーー当時のテスラの販売はどのような状況だったのでしょうか。

テスラは最初にロードスターをテストモデルとして出し、Model S、Model X、Model 3といったマスタープランを展開しています。

そのうち、Model Sはかなり当たりで、テスラの基盤となりました。

Model XはプレミアムSUVなのでともかく、Model 3をしっかり出せるのか、当たるのかというのが正念場だった時期なんですね。

この時のテスラは赤字は当然でキャッシュももう尽きる寸前、イーロン・マスクが自己資金を何億円もつぎ込んでなんとか生存していたみたいなタイミングで、ものすごい売り込まれていたんです。

そんな中ではありますが、私は発表会のその場でModel 3を予約し、株式も購入しました。

しかし、その後たった3年で株を売却してしまったんですね。本当にもったいなかったです。

参考:1台売って4000ドル赤字を出すテスラの苦悩 | 東洋経済オンライン

テスラの可能性を信じきれず投資から3年で売却

ーー3年で売ってしまったのはなぜでしょうか。

ある意味、ビジョンを信じきれなかったんでしょう。

当時、株価が急騰して、フォルクスワーゲンを抜いて、ほぼトヨタに並んだんです。その時の時価総額がどれだけ高かったかというと、バブルだと思うほどでした。

生産台数もまだ多くなく、決算も大赤字、それでビジョンだけの会社が世界一の自動車メーカーに時価総額が並んでしまった。

そんな状況に疑問を抱き、信じきれずに売却してしまったんですね。

参考:テスラ時価総額22兆円、トヨタ超え自動車首位に – 日本経済新聞

ーーチャートを振り返ると、2012年には1株何ドルだったので、その後10何ドルまで上昇し、10倍にもなり、最終的には300ドルから400ドルにまで上昇しました。非常に難しい投資ですね。

そうですね。ただ、GoogleやFacebook、Amazonも当時はこのように成長していたので、私が狙い通りに投資を行っていれば、大きなリターンが期待できたはずです。

結局、読みは間違ってなくて、単に我慢できなかったということです。

ーー今振り返って、「当時こういう情報を持っていたら売らなかった」「こういう考え方があったら売らなかった」というのはなにかありますか。

結局、投資判断をしたのも気分で、売る判断をしたのも気分だったのだと思います。

ファンダメンタルズが変化した、チャートが変わった、などではなく買ったのも気分であり、売ったのも気分だったのです。

最初にこうだと思ったら、少なくともしばらくは信じてみることが大事なのだと思います。

また、売却する際には全てを一気に売却するのではなく、一部を残しておく方が良いということも再確認しました。

少しでも残しておけば、結構な利益を上げることができたので。

LLMへの投資はGoogleとMetaに注目

ーー現在注目されている個別銘柄やテクノロジーは何がありますか。

LLMですね。

インターネットやクリプトが登場したとき、世の中を大きく変える非常に大きなブレークスルーだと感じましたが、LLMにも同じ期待を持っています。

現在、AI研究のトップはChatGPTを開発しているOpenAIですが、OpenAIは非営利団体で上場もしていません。

資金集めのために営利企業であるOpenAI LPを傘下に持っていますが、その傘下の企業にMicrosoftが出資しています。

そのため、LLMへの投資としてMicrosoftを買うという選択肢もありますが、話はそう簡単ではありません。

GoogleとMetaはAI研究のトップで、この2社が圧倒的です。ChatGPTの根幹技術であるTransformerもGoogleが開発したものです。

GoogleもLLMではLaMDAとPaLMを開発していて、多くの知見を持っています。

Metaは大規模な研究所を保有しており、かなりの投資を行っています。最近ではメタバースからAIに戻るとの発表もあり、LLM領域も一気に成長する可能性があります。

LLMへの投資としては、これら2社への注目は必須でしょう。

AmazonやAppleはこの分野ではいまのところ目立っていません。

中国も進んでおらず、日本企業は論外です。

企業がAIを使いやすくパッケージ化するミドルウェア的な会社が出てきている

ーーLLMへの投資を検討するうえで、そのほかに注目しているポイントはありますか。

ChatGPTがビジネスとしてどう成り立っているのか、どこから収益を得ているのかということはよく見るべきポイントだと思います。

直接課金がブレークするかどうかはわかりませんが、企業向けのAI利用については大いに期待できると予想しています。

企業がAIを利用して自社サービスを改善するというのは、既に日本でも始まっており、アメリカではより進んでいる状況だと思います。

ただ、現在のAI技術にはセキュリティの問題があるため、そのままAPIにつなげればうまくいくという話ではありません。

ーーどういうことでしょうか。

例えばChatGPTに入れたデータは、すべて学習データとして使われてしまいます。

企業が社内の文章をChatGPTに入れた場合、それが学習データとして利用され、他の人が何か質問するとその情報が出てしまう可能性があります。

セキュリティ上の問題を考えると、単に既存の業務に組み込めばOKというわけではなく、より慎重な対応が必要になると言えます。

こういったAIの出力物の権利についてなど流動的な問題が生じているため、企業がAIを使いやすくパッケージ化するミドルウェア的な会社が出てきています。

米国の上場企業であるC3.aiもその中の一つで、先日少し購入した際には期待していたのですが、会計不正の疑惑が発覚して40%も下がってしまい、なんとも残念な気持ちになりました。

参考:人工知能のC3aiの株価が急落、空売り投資家の書簡で

AI絡みの会社はいくつかありますが、このあたりが現状かと思います。

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九条氏のインタビュー、4記事目では「Googleは信じきれたがテスラ、イーロン・マスクは信じきれなかった理由」「GoogleはGmailなどオープンになっていない大量のデータを保有している点でAI開発では有利である」などについて伺います。

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