「世紀の空売り」マイケル・バーリ氏、資産バブル崩壊を警告/ポートフォリオほぼ処分済み

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当該記事は2022年9月時点でのForm 13Fの解説記事です。最新のForm 13F解説記事は下記をご覧ください。

過度な経済政策が最終的には壊滅的な不況を招く

 米政府は2兆ドルにも及ぶ膨大な財政支出の中で、学生ローンの免除(一人当たり1万ドル・年間所得12.5万ドル以下が対象)を行うことになりました。BUSINESS INSIDERの記事によると、バーリ氏は、このような財政支援が「投資する側にとってはプットオプションのように機能して(貸し倒れによる)潜在的な損失を抑制する」「(FRBが目指している)資産価格の下落と経済の加熱抑制を食い止めてしまうかもしれない」と主張しています。

 新型コロナウイルスのパンデミック以来、給付金や借り換えの融資、ローンの免除などによって経済に数兆ドルの資金が注入されてきました。バーリ氏は「これらの支援が打ち切られて融資の基準が厳しくなった後に、困窮する消費者はどうやったらお金をやりくりしていけるものか」と疑問を呈しており、「負債を膨らませてクリスマスまでには貯蓄を使い果たしてしまうだろう」と警告しています。

参照:BUSINESS INSIDER ‘Big Short’ investor Michael Burry says the US government is backstopping markets and the economy – and warns too much fiscal support will end in disaster / Theron Mohamed / Aug 26, 2022

マイケル・バーリ、歴史上最大級のバブル崩壊をほのめかす「S&P500指数さらに-53%の暴落ありうる」

 BUSINESS INSIDERの記事によると、バーリ氏は2021年の夏頃、当時の相場を「全てにおいて巨大で投機的なバブル」と警笛を鳴らしており、株式市場がクラッシュする根源となるハイパーグロース株を買い漁る投資家に対して警告を発しました。

 今年5月には、S&P500が今後数年間で53%の暴落もありうると示唆しており、「著しく高騰した資産価格」「コモディティ価格の暴落」「経済を冷え込ませるFRBのインフレ抑制策」を、“前代未聞の危険な組み合わせ”と辛辣に表現しています。

 バーリ氏は、既に株式市場の崩壊は進行中であると暗に示しており、自身のファンドも2022年第2四半期末時点で保有ポジションの大部分を解消していていることが判明しています。詳しくは次章で解説していきます。

参照:BUSINESS INSIDER ‘Big Short’ investor Michael Burry warned the biggest market bubble in history would end with the ‘mother of all crashes.’ He just hinted the collapse is now underway. / Theron Mohamed / Sep 1, 2022 

出典:tradingview.com

マイケル・バーリ氏のファンド「サイオン・アセット・マネジメント」は、いつ何を売ったのか

 当メディア、”バーリ・マーケット・リサーチ”では先月2週にわたって、FORM 13F・2022年の第2四半期データを用いて、ウォーレン・バフェット氏など著名投資家のポートフォリオの変化を解説してきました。 

↓↓”FORM 13F”に関する解説、バフェット氏の前四半期ポートフォリオはこちらの記事↓↓

 『Form 13F』で得られる2022年2Q(4~6月)のデータ元については、今回もTodd Schneider氏が開発した便利な無料分析ツールを使用しています。

注)FORM 13Fではショートポジションは含まれません。また、オプションで保有しているポジションについては、今回は割愛して解説させていただきますのでご了承ください。

使用ツール:Search 13F Filings https://13f.info/

 2000年代後半に住宅市場のバブル崩壊を予言し、”世紀の空売り”で著名となった伝説の投資家マイケル・バーリ氏。直近の2022年6月末時点でポートフォリオの大部分を売却済みであったことが明らかとなり、多くの個人投資家にとって大きな衝撃であったことは否めません。

出所:”Search 13F Filings”から、FORM 13Fデータを抽出して独自に作成 

 サイオン・アセット・マネジメントは、2022年3月末時点で保有していた1.7億ドル程度のロングポジションを6月末までに全て売却しました。売却した銘柄は、医薬品のブリストル・マイヤーズ・スクイブ、旅行オンライン予約のブッキング・ホールディングス、マスメディアのディスカバリー、保険会社のシグナ、そしてアルファベットやメタ・プラットフォームズなどとなっております。一方、前四半期で一旦売却していたゲオ・グループの株式を300万ドル程度買い戻し、6月末時点で唯一保有するロングポジションとなりました。

 直近でバーリ氏のほぼ全てのロングポジションは解消されました。既に資産バブルの大崩壊が進んでいると想定しているのであれば、(バーリ氏が今後も意見を変更しない限りは)しばらくは新たに株を大きく買い向かうことは無いのかもしれません。ただし、マーケットの変化に伴って、機関投資家達の判断は常に変化していく可能性もありますので、今後とも動向を注視していく必要がありそうです。

最新のForm 13F解説記事

当該記事は2023年5月時点でのForm 13Fの解説記事です。最新のForm 13F解説記事は下記をご覧ください。

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