ライトコインのセグウィット対応の予想でロングし資金を溶かす 個人投資家・びっとぶりっと氏 2/3

びっとぶりっと氏に、失敗した投資や超低位株投資のリスクについて伺いました。

びっとぶりっと氏 プロフィール

投資歴は株式20年、暗号資産8年、エンジニア歴は組込5年、web10年。2014年にMt.Gox事件でビットコインを知り暗号資産の世界へ。2021年にFIREしたが世の中のDX化の流れをもっと加速したいと思うことがよくあり株式会社Settlerを創業。趣味はポーカーやボドゲ。Twitter:https://twitter.com/yuma300

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取材実施日

2023年6月12日

早期に利確してしまった日本テクノラボへの投資

ーー取引における印象的な成功や失敗について教えてください。

完全な成功例ではありませんが日本テクノラボへの投資があります。

この投資は、私が2015年頃から現在の超低位株を狙う投資手法を始めた初期のもので、投資時の価格から三倍以上も上昇しました。

私は残念ながら三倍に達する前に売却してしまったので大きな利益を得られませんでしたが、この取引によって、超低位株を主体とする投資手法が有用であると確信しました。

ーー三倍になる前に売却されたとのことで、いつ売却されたのでしょうか。

投資をはじめた2015年の約一年後、2016年に売却しています。

私は数十パーセント程度の利益でしたが、価格自体はその後十倍まで上昇しました。

短期間で爆発的に上昇していますが、とても小さな時価総額の銘柄でこういうことが起こることは珍しくありません。

ーー当時、日本テクノラボを買った理由を教えてください。

投資時点で日本テクノラボの時価総額は10億円と低かったためです。

配当の有無以外は現在ののむら産業への投資と同じですね。

ーー株価が上昇した理由は何でしょうか。

正確な理由は私もよくわかりませんが、とにかく価格が安すぎたのかもしれません。

価格が上昇し始めると、投資家たちがその銘柄に殺到し、その結果として実態以上の価格上昇を引き起こすことはよくあります。

ーー上昇の理由が不明なときはどこまで保有するか粘るかの判断は難しそうです。

配当がある銘柄の場合は、配当があるからとにかく待てばいいと思えるので、それほど難しくありません。

その点、日本テクノラボは配当がなかったので、私が持ち続けられずに売却してしまったのかもしれません。

ライトコインのセグウィット対応の予想でロングし資金を溶かす

ーーでは次は失敗した取引について教えてください。

まず一つ目は、2017年のライトコインのセグウィット対応を予想して、先物で大量にロングして焼かれたケースです。

私と同じように考えていた人々が多かったからか、ロング後に少し価格が上昇し、すぐに価格が急落、ストップロスの連鎖が起きて価格は一気に下がり、私のポジションは強制ロスカットされました。

しかしその後しばらくすると、セグウィット対応という期待が現実化し、ライトコインの価格は私が購入した時点よりもはるかに上昇しました。

数十倍、あるいはそれ以上になったかもしれません。

この経験から、レバレッジ取引、特に無期限先物取引のリスクを痛感しました。

レバレッジ取引では、自分とポジションが反対側のトレーダーよりも、自分を含めた同じ側のトレーダー、特にリスク管理が甘いトレーダーが危険だと感じました。

何故なら、そのようなトレーダーが連続的にストップロスカットに引っかかると、価格が一気に大きく下落し、最終的には皆が損失を被ることになるためです。

その当時の先物取引では、一度ロスカットに引っかかるとポジションが全て清算される仕組みでした。

ただし、最近の無期限先物取引の仕組みは必要な分だけ精算する仕組みに変わったため、かつてのような短期的に一気に大きく下落するようなケースは少なくなっています。

ロスカットにより強制的に売られ、プリウス一台分相当の損失を出しました。

ーー現物投資であれば耐え抜けていたかもしれませんね。

その通りです。

当時は現物と先物の価格が大幅に乖離していました。

先物の価格はロスカットの連鎖により、現物価格よりも大きく下落してしまっていました。

ーーそのような損失の際は落ち込みましたか。

その時はさすがに落ち込みました。

ただ、リーマンショックで含み益数十万円を失った時に比べると、金額は大きいですがそれほど深く落ち込みませんでした。

ーー金額的に見ればリーマンショック時の方が損失額が小さかったと思うのですが、深く落ち込んだのはなぜでしょうか。

いわゆるスケベロングという言葉がありますが、ライトコインの取引では自分がそういった取引をしている認識がありました。

だから価格急変のリスクは当然で、ただやらなければいいだけと考えていました。

しかしリーマンショックのときは高校生の頃から投資で食べていきたい、働きたくないと思っていたのにその可能性を突然閉ざされたんですね。

その差だと思います。

分散型カジノプロジェクトへの投資での失敗

ーーそのほか、印象的な失敗した取引があれば教えてください。

二つ目は、テーマ性に基づいて投資選択をして、それが失敗に終わったケースです。

例えば、以前の私の投資先で分散型のカジノを運営していたDAO.casinoというプロジェクトがありました。

2017年から一千万円の投資でスタートしましたが、その後の暗号資産市場のバブル崩壊とともに投資金額を増やし、最終的に私の投資額は三千万円に膨れ上がったんですね。

それでも私は「プロジェクトそのものが問題なのではなく、全体的に市場環境が悪いだけ。だからこそ、これは買うべきチャンスだ」と考えていました。

しかし最終的にそのプロジェクトは完全に失敗に終わりました。

奇跡的にそのプロジェクトでは残存資産を投資家に返却することになり私はプラスで終えましたが、それは結果論であり取引自体は完全に失敗です。

これが二つ目の失敗パターンです。

ーーDAO.casinoの当時の時価総額はどの程度でしたか。

300億円から600億円ほどだったと記憶しています。

ーー比較的大きいと言えますが、それほどの規模でも失敗することがあるのですね。

そうです、この規模でも失敗した例は数多く存在します。

最近だと新規であまり知名度のないコインはそれほど買われませんが、過去の何でも上昇する相場下では、理由はよくわからないけど価格が上がっているケースが多く、こういったケースは多々ありました。

ーーコロナショックでは大きく相場が動きましたが損切りや買い増しについてはいかがでしたか。

株については、当時、たまたまあまり株に力を入れていなかったというのもあり、コロナショックでは逆に良い買い場として利用することができました。

例えば、Mマートという銘柄はまさにその時に購入したものです。

ーーあのような変動が大きく不確実性が高い時期に新たな投資を行うことに恐怖は感じなかったのでしょうか。

特に恐怖は感じませんでしたね。

超低位株はそもそもが市場で注目されていないため、その動向が市場全体の動きとは必ずしも一致しないことが多いです。

「超低位株・高配当・PERが一定基準の銘柄」への投資のリスク

ーー個別株については、現在の投資スタイルに移行してから失敗したことはありますか。

現在の投資スタイルに変更してからはありませんね。

ーー現在の「超低位株・高配当・PERが一定基準の銘柄」への投資スタイルにおけるリスクや問題点にはどのようなものがありますか。

私自身はまだ経験していませんが、投資先の企業が何か大きな問題を引き起こした場合、逃げることができません。

超低位株の性質上、流動性が非常に低いため、一旦事態が発生してしまうと逃げる手段がほとんどなく、完全に投資金額を失う可能性に対する覚悟が必要です。

そのため、超低位株というリスクの高い投資先へ投資する一方で、キャッシュポジションもある程度厚めに持ちリスクを分散しています。

現時点では、約50%をキャッシュポジションとしています。

ーー 一般的な株式と異なり超低位株の取引もおもしろそうです。

特に未公開株の世界、つまりベンチャーキャピタルが関わる領域について深掘りすると、非常に興味深い事例があると思います。

例えば、VCが関与する銘柄とマザーズ市場に上場している同業種の銘柄を比較すると、VCが関与する銘柄の方が時価総額が高いことがよくあります。

それがどうしてなのか、なぜそのような価格差が生じるのか、これらを探ってみるのも面白いと思います。

ーーなぜVCが関わる銘柄の方が高くなるのでしょうか。

わかりません。

ただ、上場したての銘柄がその後急速に株価が下落するというパターンはよく見られ、そういった銘柄を狙って買うときがあります。

特にマザーズ市場ではよく見かけます。

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びっとぶりっと氏のインタビュー、3記事目に続きます。

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