「ビットコインの半減期のタイミングは予め確定しており市場は既に織り込んでいるはずで、価格の上昇を盲信してはいけない」ビットコイナー・びりある氏 3/3

ビットコイナーのびりある氏に、2024年のビットコインの半減期に対する期待や投資で面白かった書籍について伺いました。

びりある氏 プロフィール

東京大学理学部物理学科、同大大学院総合文化研究科修士課程修了 (物理学)。2013年末頃からビットコインの技術に興味を持ち始め、暗号資産 (仮想通貨) に関連したウェブサービスを多数開発。仮想通貨交換業者向けウォレットベンチャーの立ち上げ、仮想通貨支払いのできるECプラットフォーム、マイニングプール、交換所など多数の事業を行ってきた。現在は DeFi 特化の月額課金制メディア「DeFIRE (https://defire.jp/)」の運営や国内での大規模マイニングを手掛けている。Twitterアカウントは https://twitter.com/visvirial

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取材実施日

2023年7月3日

ビットコインの半減期のタイミングは予め確定しており市場はそれをすでに織り込んでいるはずで、価格の上昇を盲信するのはよくない

ーー2024年の第1四半期にビットコインの半減期が予定されていますが、びりあるさんはどのように見ていますか。

ビットコインの半減期に期待する人は多いですが、ビットコインの大部分はすでに採掘済みです。

これから採掘されるビットコインは全体に対する割合では非常に少なく、価格に対する影響は非常に軽微なものでしょう。そのため半減期の影響自体はこれまでほど大きくないと見ています。

また、そもそも半減期のタイミングは予め確定しており、市場はそれをすでに織り込んでいるはずで、半減期が到来すると価格が大幅に上昇すると盲信するのはどうかと思います。

しかし、経済や株価には数年ごとのサイクルが存在し、ビットコインにも同様にサイクルがあり、その上昇サイクルが訪れることで再度相場が盛り上がる、というのは十分ありえると思います。

次の上昇がいつになるかは予測できませんが、2024年から2025年ごろには再び上昇し、現在の最高値である約7万ドルを超える可能性もあると見ています。

ーーアルトコインについては買われていますか。

現在保有しているのはビットコインとイーサリアムだけです。イーサリアム以外のアルトコインや、いわゆる「草コイン」についてはほとんど保有していません。

ビットコインを大量に保有していると積極的にリスクをとるタイプと認識されることが多いのですが、株式など通常の投資はあまりリスクを取らないように心掛けています。

この取材でもお話したとおり、私個人の資産の9割がビットコインが占めているのは、2013年ごろからビットコイン関連のプロジェクトに取り組んでいたためです。私自身はリスクに対して比較的慎重です。

ビットコインやイーサリアムは世界の企業の時価総額ランキングで上位10位以内に位置する大きな銘柄であり、それらの価値がゼロになるとは考えていません。

株についても同様で、私のポートフォリオを見ていただければわかる通り、知名度の高い大きな企業の株しか購入していません。

そのため、私の投資スタイルはリスクを抑えたものであり、大胆な投資は行っていないつもりです。

ーーDeFiでFIREすることを目指したDeFIREを運営されているためイールドファーミング以外のコインも保有されているかもと思いましたが、保有していないのですね。

高い利回りを持つコインを購入することもありますが、信用取引や無期限先物でショートポジションを同時に持つことで必ずヘッジをしています。

基本的には利回りをもらうことを目標としているので、アルトコインに対するエクスポージャーは持ちません。

税金を中心に世界全体の金融政策、過去数世紀における税金の設定がわかる「税金の世界史」

ーー投資について参考になった書籍を教えてください。

私自身はネット上で情報を集めることのほうが多いのであまり本を読む方ではありませんが、「税金の世界史」という本は興味深く読みました。

これは投資に関する本ではありませんが、税金を中心に世界全体の金融政策、そしてそれぞれの国が過去数世紀の間にどのように税金を設定してきたかという観点から書かれていて、非常に面白い内容で一気に読みました。

参考:税金の世界史

ーー他に何か面白い本はありますか。

「マンガでわかる バフェットの投資術」は非常に参考になりました。バフェット氏は主に長期投資を行っているので、彼の考え方や投資哲学から多くのことを学べると感じています。

ただし、短期投資についてはこの本は参考にならないかもしれません。

参考:マンガでわかる バフェットの投資術

ウォーレン・バフェット氏は、長期投資家というと最初に出てくる存在ですね。

私はまだ何十年という長い期間の投資を行えていませんが、いまのところは勝率が高いです。「誰でも儲かる」と表現すると誤解を招くかもしれませんが、長期投資は勝ちやすい投資手法であると考えています。

ただし、その性質上、時間がかかるため元手百万円や一千万円で何十億もの大金を手に入れようとしてもそれは無理ですが。

ある情報がどの程度市場に既に織り込まれているか、いないかをどのように見極める

ーーある情報がどの程度市場に既に織り込まれているか、いないかを見極めるのは非常に困難だと思いますが、びりあるさんはどのように考えていますか。

マーケットの期待値と企業の実質的な価値にはしばしばずれが生じるため、そういった乖離を見つけ出せれば、利益を得ることが可能です。

その企業の実際の価値と、市場の評価(株価)はしばしばずれることがあります。そういったズレを発見することができれば、その価格差を取ることはアービトラージを行うことと同じですので、ほぼリスクゼロで儲けることができます。ただ、長期投資の視点で見ると誤差の範囲でしょう。

ある企業が確実に業績を伸ばしていて、次の決算で大幅な利益が出ると予想されるのにマーケットからは十分に評価されていないようなケースでは、中期で買うのはありだと考えています。

群衆と同じ行動をしているだけでは、大きな利益を得ることは難しい

ーー投資で一番重要だと思うことについて教えてください。

最も強調したいのは、知識を身につけ、それを武器にすることが投資の一番の成功方法であるという点です。

投資に失敗している方には、ろくに勉強せず、インフルエンサーの言葉を信じて投資し、結果的に損失を被る方が多いように見受けられます。

もちろん、インフルエンサーの意見を参考にすること自体は全く悪くありません。

しかし、投資は自己責任の世界で、インフルエンサーのアドバイスに従って損失を出したとしても、その損失が補填されるわけではありませんし、そもそも本当にオイシイ情報を他人に教えてしまうと自分の利益が減ってしまうため、普通は教えてはくれないでしょう。

そのため、インフルエンサーの意見を参考にしつつ、最終的には自分の頭で考えて投資を行うことが重要です。

ーーおっしゃるとおり、そのような投資家は多いように思います。

みんなが利確したらあなたも利確するのか、という話ですよね。結局のところ、他の人と同じ行動を取ると成功する確率は下がります。

古くからある投資の格言である「人の行く裏に道あり花の山」が示すとおり、群衆と同じ行動をしているだけでは、大きな利益を得ることは難しいのです。

「みんなが買っているから買う」「みんなが売っているから売る」という行動は、成功には繋がりにくいでしょう。

ーー米国株インデックスのつみたてNISAなどが勧められた時期がありましたが、特にこの動きが顕著だと感じています。

私も同意見です。特に、レバナスはその典型です。レバナスが登場したときには大きな人気を集め、レバナスガールと呼ばれる人も出てきました。

しかし、結果的には価格は下がり続け、多くの人が含み損を抱える結果となり、それらのアカウントは全て消えてしまいました。STEPNなども同様ですね。

DeFiでFIREを目指すサロン DeFIREのご紹介

ーー最後に、読者へのメッセージをお願いします。

今回の取材で話したような投資の考え方や私のポートフォリオについて、noteで発信をしています。

ぜひ記事を読んでおもしろければフォローしてください。

びりあるさんのnote:https://note.com/visvirial/

また、それとは別でDeFIREというDeFiに特化したサロンにも取り組んでいます。

DeFiでFIREすることをコンセプトとしたサロンで、基礎的な内容から一歩踏み込んだ専門的な内容までDeFiについて網羅しています。

私も記事を執筆し、動画で具体的なDeFiの操作方法なども解説していますので、ぜひそちらも利用いただけると嬉しいです。

DeFiでFIREを目指すサロン DeFIRE:https://defire.jp/

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びりある氏のインタビュー、前のインタビューはこちら

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